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小学生・中学生・高校生に起こりやすい腰痛の原因と対策について
子供の頃は、腰の痛みとは無縁だったという方は多いのではないでしょうか。
しかし近年、腰痛に悩まされる子供が増加しているそうです。
小学生の場合、ランドセルの重さと筋力が関係している言われています。
中学生や高校生の成長期の場合、成長期は骨が柔らかいため、部活動等のスポーツによる過度な運動負荷や、繰り返される激しい動作によって腰痛になる子供が増加しています。
今回は、小学生・中学生・高校生に起こりやすい腰痛の原因と対策についてご紹介します。
小学生に多い腰痛の原因と対策について
2020年の統計資料で、習い事に通う小学生の割合は、全体の8割と言われています。
その習い事のランキングは、1位:水泳、2位:学習塾、3位:ピアノ、4位:英会話と続きます。
習い事の上位の中で、身体を動かす習い事は水泳だけで、その他は身体を動かすことが殆どない習い事です。
習い事を否定しているわけではありませんが、小学生の頃は、身体の動かし方を身に付け、骨や筋肉の成長する時期です。
小学生の頃に運動が不足すると、身体の動かし方が分からず、いわゆる運動音痴になりやすいとも言われています。
また年齢に応じた筋力がついていないと、年齢を重ねたときに、スポーツ等の動作についていけず、腰痛だけでなく怪我のリスクも高くなります。
小学生の頃は、水泳などの全身運動で、身体のバランス能力や身体の動かし方を身に付け、筋力をつけることが腰痛予防の為にも重要と言えます。
ランドセルと腰痛の関係性について
2011年から脱ゆとり教育が進められています。
脱ゆとり教育で、教科書のサイズがA4サイズに変更され、1冊当たりの教科書が重くなったことや、英語やプログラミングなどの教科が増えたことで、ランドセルの重量が増えたことが腰痛の原因と言われています。
重くなったランドセルを背負い学校へ通うことで、腰部に負担がかかり、腰痛になる小学生が増加してると言われています。
小学生の腰痛対策について
前述の通り、ランドセルが重たくなったことが腰痛の原因の一つですが、その他にもランドセルの背負い方や勉強している時の姿勢が原因で腰痛が起こることがあります。
まずランドセルの背負い方ですが、ランドセルの肩ベルトが緩いと、ランドセルが背中から離れ、後方に引かれやすくなります。
ランドセルが重い状態で、重心が後方に引かれると、腰が反り胸を張った姿勢になります。
腰の関節は、腰を反ることで狭くなり、安定性を保ちやすくなりますが、関節にゆとりなくなり、関節に負担がかかりやすくなります。
その関節への負担が蓄積し、腰痛が起こってしまいます。
次に勉強している姿勢ですが、勉強する時間が増えて椅子に座っている時間が長いと、だんだん姿勢が崩れてしまいます。
また、スマホやゲームなどを使うときは前かがみになりやすいので、悪い姿勢に慣れてしまいます。
姿勢が悪くなると、ランドセルの背負い方と同様に、腰の関節に負荷がかかり、腰痛が起こってしまいます。
座っているときに前かがみになっていないか、肩をすくめる・首を左右に倒す・腰を左右にひねるなどの動きを頻繁にしていないか観察してください。
もしこれらの傾向が見られた場合は、腰痛を引き起こす、もしくはすでに軽い腰痛を起こしている可能性があります。
小学生の腰痛予防のポイント
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水泳などの運動で、身体のバランスと筋力を身に着ける。
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ランドセルの肩ベルトは、横から見たときに、背中からランドセルが離れない長さに調整する。
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また歩いてみて、「身体の姿勢が前後にぶれないような姿勢で歩けているか」確認する。
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日頃から子どもの姿勢をよく観察し、正しい姿勢を意識させるようにする。
この4つのポイントを実行することで、小学生の腰痛は予防できます。
中学生や高校生の腰痛について
中学生になると部活動が始まり、スポーツを盛んに行う子供が増加します。
成長期である中学生や高校生の身体は、骨の成長に対し、筋肉や靭帯などの組織が骨に合わせて成長していく時期です。
男子の場合は高校1~2年生、女子は中学3年生までが成長期で、その成長期に、スポーツ特有の同じ動作を繰り返し行う練習により、未発達の骨や筋肉等が負荷に耐えきれず、身体のバランスが崩れ、腰痛が起こることがあります。
また中学生や高校生には、受験という強いストレスがかかる時期があります。
このストレスも、腰痛の原因と考えられています。
中学生や高校生の腰痛対策ついて
成長期の骨は、両端が軟骨になっていて、骨端線と呼ばれる部分から骨が伸びていきます。そのため、骨、関節は大人と違って構造的に弱く、強く引っ張ったり、強い圧力が繰り返し働くことで、傷ついたり変形しやすい状態にあります。
中学生や高校生の成長期に最も多い腰の病気に、腰椎分裂症と腰椎椎間板ヘルニアがあります。
腰椎分離症は、ジャンプや腰を反る動きや捻る動きが繰り返されることにより、腰の関節に負荷がかかり、腰椎の後方部分に亀裂が入って起こる疲労骨折の一種です。
骨折の箇所は腰の関節のすぐ近くで、椎弓根と呼ばれるところが骨折します。
腰椎分離症の対策として、腰を反る動きや捻る動きが多くなりすぎないこと、腹筋・背筋を強化することが一般的な対策になります。
もう一つは、腰椎椎間板ヘルニアです。
腰椎椎間板ヘルニアも繰り返されるスポーツの動作により、腰に負荷がかかり、腰の椎間板と呼ばれるクッション材が損傷することで起きる病気です。
椎間板が損傷する原因は、背中を丸めた姿勢でスポーツの動作をしてしまうことが原因と言われています。
対策としては、腰に負荷がかからない正しい姿勢を身につけること、腹筋・背筋を強化することが一般的な対策になります。
腰椎分裂症も腰椎椎間板ヘルニアも、腰回りの筋肉を鍛えることで、腰痛のリスクは軽減できます。
強いストレスが原因で腰痛が起こることも
中学生や高校生の場合、受験のストレスから腰痛が起こる場合があります。
部活動を引退して受験勉強に専念し始めた時期や、受験本番の試験が近づいてきた時期、また受験が終わった時期や、進学した時期などにストレスにより腰痛が起こる場合があります。
プレッシャーが続いたことや、それが終わってほっとしたこと、または新生活が始まり環境が変わったことで、ストレス性の腰痛があらわれます。
また、痛みに対して思春期特有の感情的な反応が加わると、痛みが悪化したり長引いたりすることがあります。
ストレス性の腰痛の対処は少々難しい面もありますが、原則的には「安心させる」ということが最も大事になります。
一般的な対処方法としては、気分転換や息抜き、リラクゼーションをするようにしてください。
まとめ
今回は、小学生・中学生・高校生に起こりやすい腰痛の原因と対策についてご紹介しました。
子供は痛みを訴えずに我慢してる場合も多くあります。
様子がおかしいと感じたら、よく観察してみてください。
観察しサポートすることで腰痛のリスクは軽減できます。