からだの悩みや痛みの相談サイト

先週の訪問者:636人 累計の訪問者:248336人

カテゴリ

過去アーカイブ

腰の筋肉と腰痛予防のトレーニング方法について 悪い姿勢は筋力低下の原因

腰の筋肉

 

人間の体には大小600を超える筋肉が存在します。

体を支えるだけでも多くの筋肉を必要とし、歩く、走る、座るなどの一連の動作も、筋肉が伸び縮みすることで可能となります。

その中で腰の筋肉の役割は、体を支える背骨(脊椎)の負担を軽減し、姿勢を保持する役割を担っています。

その腰の筋肉が、老化や運動不足によって衰えると、背中や腰が曲がり姿勢を悪くします。その筋肉の衰えによる姿勢の悪化が腰痛の原因となります。

 

今回は、腰の筋肉の名称や役割、筋肉をバランスよく鍛えるトレーニング方法についてご紹介します。

 

それぞれの腰の筋肉の役割を知った上で、正しく腰を鍛え、安定した腰を作り、腰痛にならない体を作りましょう。

 

既に腰痛になっている人は、腰の筋肉を鍛えることで、姿勢を整え腰痛を改善しましょう。

 

 

 

腰の筋肉について

 

筋トレに興味があるという方の中にはご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、体の筋肉にはアウターマッスとインナーマッスルの2種類があります。

腰回りの筋肉も同様に、この2種類の筋肉が存在します。

 

アウターマッスルは体の浅部に存在する「表層筋」で、重いものを持つときや、瞬間的に大きな力を出さなければならないときなどに力を発揮します。

 

インナーマッスルは体の深部に存在している「深層筋」で、体の微細な動作を補助するという働きがあります。

 

これらふたつの筋肉は、場所だけでなく、動きの特徴や役割、能力などに違いがあります。

 

 次に腰のアウターマッスルとインナーマッスルについて詳しく説明します。

 

 

 

腰のアウターマッスルについて

 

脊柱起立筋

 

腰のアウターマッスルには、「脊柱起立筋」(せきちゅうきりつきん)という筋肉が存在します。

脊柱起立筋は、脊柱から近い順に棘筋、最長筋、腸肋筋の3つの筋肉で構成されています。これらは別々の筋肉ですが、同じ働きを持ち、1つの大きな筋肉のように機能することから、総称して「脊柱起立筋」と言われています。背骨の左右に分かれて付いた筋肉で、骨盤から背中にかけて存在している筋肉です。

 

一般的には、背筋と言われる筋肉が「脊柱起立筋」になります。

 

 

腰のインナーマッスルについて

 

腰のインナーマッスル

 

腰のインナーマッスルには、「腰方形筋」、「腸腰筋」、「腹横筋」、「多裂筋」という筋肉が存在します。

 

腰方形筋(ようほうけいきん)は、脊椎の安定を保持する重要な役割があり、姿勢保持に大きく影響する筋肉の1つです。腰方形筋は左右の対象に付着する筋肉のため、どちらかの筋肉が硬くなったり、筋肉の弱くなると、骨盤の左右の傾きを引き起こし、腰痛などの原因になることがあります。

 

腸腰筋(ちょうようきん)は、上半身と下半身をつなぐ筋肉です。

腰をS字状にキープしたり、太ももや膝を持ち上げる動きを行います。また立ち姿勢を保持する際にも重要な役割を果たしている筋肉で、その他運動能力、姿勢やプロポーションにも大きく関わっています。

 

腹横筋(ふくおうきん)は、腰というよりはお腹周りに存在し、脊椎や骨盤、内臓全体をコルセットのように覆っている筋肉です。この筋肉を鍛えることで体幹が安定し、お腹が引き締まるだけでなく、姿勢もよくなります。また内臓を正しい位置に保持する役割もあるため、内臓下垂が解消することはよく知られています。

 

多裂筋(たれつきん)は、小さな筋肉が連なって脊椎を支えている筋肉で、座った姿勢、立ち姿勢など、脊椎(背骨)を真っすぐ保つ役割をしています。多裂筋の活動が弱くなると、同じく脊椎(背骨)を支えている脊柱起立筋が疲労し、腰痛などの原因になることがあります。

 

 

この様にアウターマッスルとインナーマッスルには、動きの特徴や役割、能力などに違いがありますが、それぞれが深く関係しています。

 

次にアウターマッスルとインナーマッスルの関連性について説明します。

 

 

 

アウターマッスルとインナーマッスルの関連性について

 

脊椎と筋肉

 

アウターマッスル(脊柱起立筋)は、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨1つによって構成されている脊椎(背骨)を支える役割を果たしています。

 

キャンプのテントに例えると、支柱だけで支えたテントでは、グラグラした不安定な状態で、風が吹けば倒れるかもしれません。その不安定なテントを地面と結び安定させる強靭なロープの役割を果たしています。

 

人間の体も同様に、背骨(支柱)だけでは安定を保持することができません。

アウターマッスル(脊柱起立筋)が、背中と骨盤を引き付けるように強靭に結ばれることで、個々の脊椎(背骨)を安定させています。

 

一方、インナーマッスル(多裂筋や腹横筋)は、それぞれの脊椎と直接付着することで安定をもたらしています。

 

その他の違いは、アウターマッスル(脊柱起立筋)は意識して動かすことができるのに対し、インナーマッスル(多裂筋や腹横筋)は意識して動かすことができません。

 

別の言い方をすると、アウターマッスル(脊柱起立筋)は、鍛える(動かす)ことは容易ですが、意識して動かせないインナーマッスル(多裂筋)は、鍛えるのが難しい筋肉と言えます。

 

アウターマッスル(脊柱起立筋)とインナーマッスル(多裂筋や腹横筋)の両方を機能する体つくりにしていくことが腰痛予防では大切です。ですがほとんどの人はインナーマッスル(多裂筋や腹横筋)が上手く使えていないでいます。

 

インナーマッスル(多裂筋や腹横筋)が上手く使えないと、姿勢の保持や運動で発生する脊椎への負荷がアウターマッスル(脊柱起立筋)に偏ってしまいます。

その結果アウターマッスル(脊柱起立筋)に負荷が集中し、筋肉の柔軟性が低下、血流なども悪くなり、コリや痛みの症状を引き起きてしまいます。

 

 次に体を支えるアウターマッスルとインナーマッスルのトレーニング方法について説明します。

 

 

 

体を支えるアウターマッスルとインナーマッスルのトレーニング方法について

 

トレーニング

 

脊椎(背骨)を安定に保ち、姿勢を保持するには、アウターマッスルの脊柱起立筋とインナーマッスルの多裂筋と腹横筋をトレーニングする必要があります。

前述の通り、脊柱起立筋は意識して動かすことができ、目にも見える筋肉なので、トレーニングの効果が実感しやすいですが、多裂筋と腹横筋は効果が目に見えにくい筋肉なので、鍛えるには諦めない根気が必要となります。

 

 

脊柱起立筋を鍛えるトレーニング方法について

 

うつ伏せになった状態で寝転がります。

次に手を頭の後ろに添えた状態で胸と足を同時に浮かせて体を反らします。

その状態のまま、3秒間キープし、ゆっくりと元に戻していきます。

この動作を20回繰り返します。

目安は3セット行い、セット間に必ず30秒インターバルを入れて行います。

 

トレーニングのコツとしては、反動を使わずに、背中の筋肉に意識を集中して収縮させること、反らした体を戻すときには、背中の緊張を保ちながら戻していくことです。

 

 

多裂筋のトレーニング方法について

 

多裂筋の運動は四つ這いの姿勢で行います。

この時は身体でテーブルを作り、腕と大腿でテーブルの脚を作るイメージです。

肩が広がり過ぎていたり、手や膝の位置が前後にならないようにしましょう。

また、この時に背中は平らにします。背中や腹部が凸凹にならない様に意識します。

この姿勢が基本の姿勢になります。

 

基本の姿勢が出来たら、右腕を前に伸ばし、左足を後ろに伸ばします。

腕と足が下がってこないように真っすぐに伸ばします。

グラグラとバランスが崩れないように、まずは10キープしましょう。

10秒キープしたら手と足を反対に変えます。

この手足を反対側に交換したときもグラグラしないようにすることが大切です。

 

左右で3回ずつ行うことから始めましょう。

グラグラしない程度に慣れてきたら、10秒から15秒に時間を増やしていき、回数も増やせると良いと思います。

少しずつ自分にあった負荷にしていきましょう。

 

 

腹横筋のトレーニング方法について

 

腹横筋の鍛え方としてはドローインと言われる呼吸による運動が多く行われています。

お腹を凹ませたまま、腹式呼吸を行います。

腹式呼吸のやり方は、鼻で息を吸い、口から息を吐きます。

 

まずは、あおむけの姿勢で膝を90°程曲げた状態で行いましょう。

慣れてきたら、その次に膝を伸ばし寝ているだけの状態で行ってみましょう。

その状態にも慣れてきたら座った状態で出来ると良いかと思います。

座った状態で出来るようになれば、暇な時など時間を見つけて行えるかと思います。

空いた時間に出来る範囲で行ってみましょう。

 

 

 

悪い姿勢は筋肉を使わない、さらに腰を痛めます

 

 

座る姿勢

 

悪い姿勢は、筋肉を使わない姿勢と言えます。

同じ動作の繰り返しや、同じ姿勢で長時間デスクワークしていると、無意識に姿勢が悪くなり、その結果「肩が凝った」、「腰が張った」という症状があらわれます。

 

長時間同じ筋肉を使い続けると筋肉は疲労し、無意識のうちに筋肉を使わない姿勢をついつい取ってしまいます。

筋肉を使わない姿勢が続いた場合、筋肉が縮み、柔軟性や筋力は低下していきます。

その結果、腰の筋肉が弱り、慢性の腰痛となってしまいます。

 

軽い腰痛の場合、80%から85%は、時間がたてば自然に痛みは消えますが、最悪の場合、重い荷物を持った時に急に腰が痛くなり立ち上げることもできない「ぎっくり腰」や椎間板が脱出してしまう「椎間板ヘルニア」になってしまうこともあります。

 

 

関連記事
 
連記事
 

 

このような姿勢の悪さから起きる腰痛を改善するには、前述でご説明した筋肉のトレーニングと良い姿勢を保とうとする意識が大切です。

 

しかし、良い姿勢を常に意識するのは不可能です。

 

良い姿勢を意識した場合、初めは過剰に筋肉に力を入れてしまうため、その状態を長く続けることが難しくなります。

まずは、自分の中で悪い姿勢をしていると気が付いたときに、力を入れずに姿勢を元に戻すことから始めましょう。

 

良い姿勢を長く保持しようと考えるのではなく、自分の今の姿勢を意識する回数を増やすことが大切です。

テレビを見る時、スマホを触る時、車に乗っている時、電車に乗っている時、椅子やソファーに座っている時、食事をする時等に、姿勢を意識するようにし、気が付いたタイミングで姿勢を元に戻す努力をしましょう。

 

繰り返すうちに、無意識でも良い姿勢を保っている時間が増えてきます。

 

 

 

まとめ

 

今回は腰の筋肉について説明いたしました。

腰の筋肉と腰痛との関係もご理解頂けたのではないでしょうか。

腰痛を引き起こしている原因は様々ですが、日常生活の姿勢の悪さや、体を支えている筋肉を上手く使えていない場合がほとんどです。

アウターマッスルとインナーマッスルをしっかりと鍛え、安定性のある腰を作りましょう。

腰が安定してくることで姿勢も少しずつ変わってきます。

姿勢が変わることで腰痛も改善されます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
0

カート