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腰痛と姿勢の関連性について 腰痛の原因はその姿勢が問題です。
パソコン作業や事務作業等の長時間のデスクワークで、腰が痛くなった。
長時間立ち続け、徐々に腰が痛くなった。
身体を横にして休ませているはずなのに、朝起きた時に腰が痛い、眠っていても腰が痛くて目が覚めてしまう。
こんな腰の痛みに悩まされている人は、全体の9割にもなるそうです。
今回は、こんな腰の悩みを抱えている人に、姿勢と腰痛の関係と対処方法についてご紹介します。
まずは、腰を構成している組織について簡単にご説明します。
腰を構成している組織について
腰は骨や関節、椎間板、筋肉、神経等で構成されています。
姿勢による腰の痛みには、腰の関節、筋肉が大きく関連しています。
腰の関節とは
腰の関節には主に、「椎間関節」と「仙腸関節」があります。
椎間関節は、背骨を繋いでいる関節で、左右で1つずつ構成されていて、椎間関節が開いたり、閉じたりすることで、腰を前後左右に曲げたり、身体を捻ることができます。
仙腸関節は、腰椎の下にある仙骨と、左右に2つある骨盤を繋いでいる関節です。
脚と身体をつなぐ重要な関節で、上半身の重さや地面から衝撃を受け止めるために、固い靭帯で幾重にも覆われています。
強固な靭帯によって固定されていますので、関節として大きく動くことはありませんが、普段の姿勢の悪さや、靭帯の緩みによって、仙腸関節が不安定になることや、仙腸関節に負荷がかかることで腰痛となることがあります。
腰の筋肉とは
腰の筋肉には、主に腰方形筋、腸腰筋、腹横筋、多裂筋で構成されています。
これらの筋肉の損傷や、背中側の筋肉が弱ることで猫背や反り腰等で過度に腰に負担をかけることで腰痛となることがあります。
次に、姿勢と腰痛の関係と対処方法についてご説明します。
姿勢と腰痛の関係と対処方法について
前述の通り、姿勢状態により腰の筋肉と関節に多くの負担を掛けてしまいます。
この負担が長く続くことにより、腰痛を起こしてしまいます。
座って腰が痛くなる原因
人は自然に椅子に座っている状態でも無意識に腰回りの筋肉を使っています。
しかし、正しい姿勢で座っているの場合は、無駄なエネルギーを消費しないため筋肉は疲れにくい状態を保ちます。
一方で、体にとって良くない姿勢(間違った姿勢)で長時間椅子に座り続けた場合は、関節や筋肉をそれだけの時間刺激し続けます。
その結果、無駄なエネルギーを消費することになり、腰回りの筋肉は疲労してしまいます。その繰り返しが筋肉を弱らせ、いずれは腰への負担を増加させ腰痛の原因となります。
座って腰が痛くなった時の対処方法
まず腰痛を対策するには、常に姿勢を意識すること、正しい姿勢で座ることが腰痛対策の第一歩です。
椅子の座り位置は、骨盤と背骨が直角になる位置が良いと言われます。
椅子の背もたれが尾てい骨のやや上部があたる位置に腰を下ろすと、自然に直角の姿勢になり、骨盤を立てることができ腰痛対策となります。
椅子への座りが浅いと、無意識に前かがみになりやすく、安定した姿勢を取ることができません。
その結果、ふんぞり返ってキーボードをたたいてしまったたり、本人も気づかないうちに背中が丸まったりして、腰に負担をかけてしまいます。
さらに、背中が丸まった姿勢を長時間続けた場合は、腰痛のみならず肩こりを引き起こしやすくなります。
姿勢が悪いなと気が付いて時に、姿勢を正しくする習慣をつけましょう。
またその他の注意点としては、机と椅子の間が開き過ぎないように調整しましょう。
正しい姿勢で椅子に座っていても机と椅子の間に距離があると前傾姿勢になりやすく、結果的に腰へ負担がかかって腰痛の原因となってしまう可能性があります。
立って腰が痛くなる原因
立った状態で腰が痛くなるのは、反り腰が原因である場合が多いと言われています。
反り腰は、加齢や運動不足による筋肉の衰え、体型の変化、ヒールの高い靴をよく履く等により、腹筋など「体の前側の筋肉」と、姿勢を支えるべき「体の後ろ側の筋肉」のバランスの崩れることにより起こります。
自分が反り腰であるかどうかは、簡単にチェックすることができます。
壁を使ったチェック方法
素足になり、壁や柱からかかとを5cmほど離した位置でまっすぐ立ちましょう。次に、壁や柱に頭・背中・お尻をぴったりつけて、壁と腰の隙間に手を入れます。このとき、壁と腰の隙間に手がすっぽり入って、余裕がある場合は反り腰であるといえます。
仰向けで行うチェック方法
両手を体に沿わせた状態で、仰向けで寝ます。このときの床と腰の隙間を確認します。そこに手が入る程度なら問題ありません。それ以上の隙間がある場合は、反り腰に該当します。また、ひざを伸ばして仰向けになると腰が痛く、ひざを立てると痛みがやわらぐ場合も、反り腰である可能性が高いです。
反り腰は、前述の通り、腹筋など「体の前側の筋肉」と、姿勢を支えるべき「体の後ろ側の筋肉」のバランスが崩れている状態で起こります。
その結果、筋肉と関節にかなりの負担がかかるために腰痛になりやすい状態といえます。
立って腰が痛くなった時の対処方法
反り腰が原因の腰痛の場合、筋肉を柔らかくしたり、鍛えたりすることが、反り腰解消のためには重要です。
椅子に座ったままできるストレッチ
椅子に座った状態で、腰を丸めるストレッチです。まず、椅子に浅めに腰かけて、背筋を伸ばします。ゆっくりと息を吐いておなかをへこませ、おへそを見るように腰を丸めて、そのまま5秒間キープしましょう。
さらに5秒数え、息を吸いながら頭を真上に上げるように姿勢を戻していきます。この動きを10回繰り返しましょう。こり固まった腰回りの筋肉がほぐされ、腰の動きがスムーズになります。
反り腰を改善するヨガポーズ
呼吸に合わせて体を動かすヨガは、血行促進や固まった筋肉をほぐして柔軟性をアップさせることに効果的です。
また、ヨガのポーズで腹筋を鍛えれば骨盤を安定させられるため、反り腰の再発やぽっこりおなかの改善にも効果的です。
筋肉の緊張を和らげる鍼灸治療と漢方薬
鍼灸治療は、鍼やお灸で体の経穴(ツボ)や経路を刺激して、体の深部のコリや筋肉の緊張を和らげる効果のある有効な治療法です。
スポーツ現場などでは、オリンピックやプロスポーツをはじめ、世界的にも鍼灸の効果が認められ、疲労回復、筋肉痛に対して、鍼治療が多く用いられています。
また漢方薬も、筋肉の緊張による血行不良を改善することで、痛みを軽くし、慢性化した腰痛を改善する効果があります。
寝ていて腰が痛くなる原因
寝返りの回数が少ないと腰痛になると言われています。
寝返りが少ないということは寝ている間、長時間、1箇所に体重がかかり続けている状態になります。寝返りが多い人の場合、定期的に体重を支える身体の位置が変わることで、寝返りの少ない人と比較すると、身体への負担が軽減されています。
また、寝返りをうたずに同じ体勢でいると、腰の筋肉が固くなり、腰の筋肉が凝った状態になり、腰痛になる原因になります。
寝ていて腰が痛くなった時の対処方法
朝、起きがけに寝起き腰痛にならないためには、寝ている時に、背骨を本来ある正しい位置にしてあげることが重要だと言われています。
仰向けで膝を立てる寝方
仰向けで足を伸ばした姿勢で寝ていると、足を伸ばすことで骨盤が引っ張られてしましまいます。
そうすると、その引っ張られた力が 腰に伝わり痛みを引き起こしてしまします。
仰向けで膝の下に硬い枕などをおいた姿勢の寝方であれば、骨盤が引っ張られることもなく、背骨がニュートラルで正しい位置のままの姿勢となります。
横向きで少し丸まる寝方
この寝方も、前述の「仰向けで膝を立てる寝方」同様に骨盤を引っ張ることなく、楽に寝ることの出来る姿勢です。
横向きに寝て少し丸まるだけでも楽なのですが、膝の間に硬い枕などを挟むとさらに効果的だと言われています。
うつ伏せ寝を回避する寝方
うつ伏せになった寝方は、腰に一番良くない寝方だと言われています。
うつ伏せ寝は、腰だけではなく、首にも負担をかけてしまっています。また、身体のいろいろな部分を歪ませてしまう可能性があるのです。
日常的に下を向いて、うつ伏せ寝してしまう人は、胸の下にテニスボールを入れて寝る事を推奨している医師もいるそうです。
硬いマットレスを使用する
硬いマットレスは、寝姿勢をしっかり支えてくれます。
ただ、硬すぎる高反発マットレスは腰部分の背骨のカーブに負担がかかります。
逆に、やわらかすぎる底反発マットレスの場合は、背骨のS字カーブを支え、腰の負担が軽減されますが、寝返りをした時に腰をねじるため、負担がかかってしまいます。
前述したように、寝返りが少ないと腰痛になりやすいです。
自分の腰の状態にあった寝方やマットレスを選択し、清々しい朝を迎えるように心掛けましょう。
まとめ
今回は、姿勢による原因と対処法についてご紹介しました。
姿勢によって腰の関節や筋肉に大きな負担を掛けてしまいます。
常に自分の姿勢を意識し、正しい姿勢を心掛けることで、腰痛の原因を改善しましょう。
また腰の筋肉を鍛え、必要に応じて寝具を見直すことや、鍼灸治療、漢方薬を取り入れることで、腰痛を改善しましょう。