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ぎっくり腰の症状や原因、予防や改善策について
急に腰を痛めた方が、「昨日ぎっくり腰になった」と話されているのを聞いたことがありませんか。
日本では、腰を痛めること全般的に「ぎっくり腰」とまとめてしまう傾向にあります。
実際「ぎっくり腰」とはどういった状態なのかを知らない人も多いのではないでしょうか。
今回は、「ぎっくり腰」とはどういった病気のことなのか、その原因や症状、予防策、改善策についてお伝えしたいと思います。
ぎっくり腰の原因とは何か
重い物を持った拍子に突然腰が痛くなり動けなくなってしまう「ぎっくり腰」、医学的には「急性腰痛症」と言います。
「ぎっくり腰」になった時に身体の中では何が起こっているのかは、実ははっきりとしたことは未だ分かっていませんが、椎間板と呼ばれる腰椎のクッションや、関節、筋肉、靭帯に部分的な損傷がおこることで、強い痛みが生じると言われています。
「ぎっくり腰」は、原因がはっきりと特定できない「非特異性腰痛」に分類され、整形外科でレントゲンを撮っても大きな異常がないと「ぎっくり腰」として診断されることも多くあります。
だからといって、整形外科で受診しても無駄だ、単なる「腰痛」?と自己判断することは危険な考え方です。
腰痛にどのような病気が潜んでいるかわかりません。
くしゃみでも「ぎっくり腰」になる?
くしゃみによる身体への影響は具体的に明記されていませんが、くしゃみによって肋骨を骨折することや、「ぎっくり腰」になることがあります。
くしゃみは、上半身の筋肉を収縮させて、瞬間的に息を吐き出す運動です。くしゃみをするときには、身体の衝撃に備えて、体を前に折り曲げてやや低い姿勢、屈む姿勢になります。
くしゃみは、骨が骨折するほどの負荷量がかかりますので、くしゃみに対して腰を屈めるなどの準備が不十分ですと、腰部に大きな負担がかかり、「ぎっくり腰」になることがあります。
くしゃみを自身でコントロールすることは難しいですが、くしゃみの前に姿勢を整えることが大切です。
くしゃみの前には「壁に手を着く」、「下半身を曲げる」等の体勢をとり、くしゃみの「ぎっくり腰」を予防しましょう。
次に「ぎっくり腰」の痛みによく似た症状の腰痛にについて説明します。
ぎっくり腰の痛みによく似た症状の腰痛について
「くしゃみをした時」「重い物を持ち上げた時」「少しお辞儀をしただけ」「ただ立ち上がろうとしただけ」など、 発生状況が多岐に渡る「ぎっくり腰」。
ただの「ぎっくり腰」と放置していると、他の病気が潜んでいるかもしれません。
「ぎっくり腰」とよく似た症状の腰痛には、
・急に重たいものを持ったことで、腰のクッション材である椎間板が潰れてしまう「椎間板変性症」。
・椎間板の中の髄核というゲル状の組織が外に飛び出してしまった状態になることで、腰や臀部、足に痺れが現れる「腰椎椎間板ヘルニア」。
・積み木のように連なる腰椎が前方へ滑り出してしまい、様々な症状を引き起こす「腰椎すべり症」。
・腰の神経の通り道である脊柱管を圧迫して痛みが伴う「腰部脊柱管狭窄症」。
その他にも、腰の関節に負担がかかれば、腰の椎間関節性の痛みが現れたり、腰回りの筋肉が微細に損傷して痛みが現れる場合など、「ぎっくり腰」と思い込んで放置すると悪化してしまうことも多々あります。
自己判断は危険です!まずは整形外科の医師に診てもらい適切な治療を受けることをお勧めします。
次に「ぎっくり腰」になった時の対策と改善策についてご紹介します。
ぎっくり腰になった時の対策と改善策
脂汗をかくような痛みがある「ぎっくり腰」、ほとんどは炎症が治まれば、痛みは徐々に減少していきます。
ここでは、もし「ぎっくり腰」になった時の応急処理や「ぎっくり腰」の時にマッサージはして良いのか?コルセットの着用は有効か?ラクな寝方は?安静期間はどれくらい?について説明します。
万が一「ぎっくり腰」になった時の為に、是非覚えておいてください。
ぎっくり腰になった時の応急処置について
もし「ぎっくり腰」になってしまった時は、むやみに動かず、まずは最も楽な姿勢でゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。
しばらく繰り返していると、それだけで痛みが落ち着いてくることがあります。もし少し動けるようになったら今度はゆっくりと正座をし、ここでも深呼吸を繰り返します。個人差はありますが、過度に緊張した筋肉が緩み、楽になることがあります。
ですが、この方法が有効なのは骨や神経などに異常がない場合のみです。もし足のしびれや爪先が動かないなどの症状が出現した場合は、神経の障害が強く疑われます。できるだけ早くかかりつけ医に受診しましょう。
ぎっくり腰の時のマッサージについて
長時間の車の運転、デスクワークや重い物を持って酷使した等の単なる腰痛、このような場合のマッサージはとても気持ちが良いものです。ご自身でマッサージしたり、整体やマッサージ屋さんで施術を受ける方も非常に多く見られます。
「ぎっくり腰」の原因は椎間板と呼ばれる腰椎のクッションや、関節、筋肉、靭帯など様々で、それぞれに適した治療を行わなければ、効果がないばかりか、痛みを悪化させてしまう事もあります。
まずは医療機関にかかって原因を見つけてもらうのが良いでしょう。そこで骨や神経に異常が無いことがわかれば、医師の判断を仰ぎマッサージを試してみるのも良いかもしれません。
ぎっくり腰になった時の、コルセット着用について
「ぎっくり腰」になった時、コルセットをつけると腰が楽になる方は多くいます。
「ぎっくり腰」を早く治すためには、できる限り普段通りの生活を心掛けることが重要です。
コルセット装着し、普段通りの生活が行えるのであれば、有用であると言えます。
コルセットに頼らずに済むのであればそれに越したことはありませんが、コルセットをつけないで無理に我慢して痛みを長引かせたり、コルセットを着用することで活動性が下がったりすることの弊害の方が大きいのであれば、痛みと相談しながら徐々に外していくのが良いでしょう。
また「コルセットをつけていると筋肉が落ちてしまうのでは」と心配する方もいますが、寝たきりにでもなっていない限り、コルセットの装着が直接大きな筋力の低下につながることは考え難いです。
ただ、長い目で見ると、身体の動きがぎこちなくなり、筋肉を上手く使うことができなくなることで、二次的に筋力の低下を招いてしまう事は考えられます。
ぎっくり腰なった時のラクな寝方について
「ぎっくり腰」は筋肉や骨の構造上、仰向けになり脚を伸ばすと腰に力が集中し、痛みが増してしまいます。
仰向けで寝ると痛い、また、起きた時に症状が強い場合は、膝の下に丸めた毛布などを置き、膝が90°程度曲がった状態で寝る、もしくは痛い方を上にして横向きになり、抱き枕などを抱いて寝ることで痛みが軽減できます。
ぎっくり腰の安静期間の目安について
「ぎっくり腰」の原因は、椎間板と呼ばれる腰椎のクッションや、関節、筋肉、靭帯と広範囲にわたることは前述で説明した通りで、そのため「ぎっくり腰」は痛みの原因箇所によって、安静期間は変わってきます。
筋肉や椎間板、関節の痛みの場合であれば、1週間から2週間は炎症が続きますので、2週間程度安静にするようにしましょう。
重たい物を持たなくても、腰を反復的に使うことで炎症が治まらず痛みが長く続くこともありますので、極力安静にするようにしましょう。
医師がコルセット等の腰椎サポーターや腰椎ベルトを進める場合には、2週間程度は装着して腰の動きを抑えることが大切です。
2週間程度、腰を動かさずに安静にしていたことで、腰回りの動きが固くなっている場合があります。身体全体の筋力も低下する場合もあります。少し回復したからと言って急激な運動することは避け、まずは少しずつ動作範囲を拡大する様に心がけましょう。
またストレッチ等で腰の筋肉をほぐし、体の可動範囲を広げていくことも一つの方法です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「腰痛の9割は自然に治癒する」と言われています。
「ぎっくり腰」も前述の通り、大半は数日~数週間で症状が落ち着いてきますから、あまり不安に思う必要はありません。
ですがもし痛みが2週間以上過ぎて治まらない場合は、医療機関に受診し適切な治療を受けることをお勧めします。