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生理痛の原因と改善策について 冷えとストレスを改善する漢方薬6選

生理痛と漢方

 

生理のときの子宮の状態は、子宮壁からはがれ落ちた子宮内膜と血液を一緒に押しだそうとして収縮します。

この収縮するときの痛みが「生理痛」です。

 

漢方(医学)では、体が冷えると生理痛が強くなると言われています。

 

冷えの主な原因は、ストレス、下着や衣服による締め付け、甘いものの過剰摂取、喫煙、骨盤のゆがみ(姿勢)等の生活環境や生活習慣が大きく関係しています。

 

漢方医学では、冷えた体を漢方薬、鍼灸で治療し、生活習慣を養生で治療します。

 

今回は、生理痛の原因である冷えを解消する漢方薬と養生についてご紹介します。

 

その前に、漢方の考え方と生理痛の原因について簡単にご紹介します。

 

 

 

漢方の考え方と生理痛の原因について

 

生理痛の原因

 

漢方の考え方に「気血水」と「五臓」という考え方あります。

 

  • 「気」とは、元気や気力など、目に見えないエネルギーのこと
  • 「血」とは、血液のこと
  • 「水」とは、血液以外のリンパ液や汗などの体液のこと

 

この3つのバランスが整っていることで、健康が保たれると考えています。

 

五臓とは、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」があり、カラダを支える5本柱として、それぞれの役割を果たしています。

 

  • 「肝」は、気や血の流れなどをコントロールする役割
  • 「心」は、五臓をコントロールする役割
  • 「脾」は、消化吸収機能をコントロールする役割
  • 「肺」は、呼吸機能をコントロールする役割
  • 「肺」は、呼吸機能をコントロールする役割
  • 「腎」は、体内の水分代謝などをコントロールする役割

 

漢方では、五臓それぞれが役割通り機能することにより、「気・血・水」がバランス良く保たれると考えられています。

 

 

「気血水」・「五臓」と生理痛の関係性について

 

気血水

 

生理痛の原因は、痛み物質(プロスタグランジン)の量や食事や服装、喫煙等の生活習慣と様々ですが、その痛みの根本原因は、ストレスや自律神経、体の冷えが関係しています。

 

下着や衣服による締め付け、甘いものの過剰摂取、喫煙、骨盤のゆがみ(姿勢)等の生活習慣により、体の冷えが起こります。

 

ストレスによって自律神経がバランスを崩し、交感神経ばかりが優位にはたらくと、血管が収縮し、血行が悪くなり、体に冷えが起こります。

 

生理痛を改善するには、冷えを改善と同時に、自律神経の乱れを整える必要があります。

 

漢方では、

・ストレスや睡眠不足等によって起こる自律神経の乱れ=「気」の異常

・血流の滞りや血が不足したことで体の冷え=「血」の異常

 

と考え、「気」や「血」の異常による体の冷えは、気や血の流れなどをコントロールする役割を持つ「肝」が弱っていると考え、「肝」の働きをサポートする漢方薬で生理痛を改善します。

 

その他「肝」が弱ることにより、イライラ、不眠、頭痛、過食や拒食、肩コリ、目が疲れ等の症状が起こりやすくなります。

 

 

 

生理痛を改善する漢方薬

 

不正出血漢方薬

 

生理痛の改善には、生活習慣等で冷えた体を温めると同時に、弱った肝の働きをサポートする漢方薬が多くもちいいら用います。

 

弱った「肝」をサポートする漢方薬

 

機能が低下した肝の働きをサポートする漢方薬の多くは、柴胡(さいこ)と芍薬(しゃくやく)という生薬が含まれています。

 

柴胡は気の巡りの改善をサポートし、芍薬は不足した肝の血を補うことで弱った肝の状態を回復させます。

 

 

加味逍遙散(かみしょうようさん)

 

効果

血液循環をよくして体をあたため、ホルモンのバランスを整える効果があり、イライラや不安感をともなうときに用いられます。

 

 

配合されている生薬は

柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、茯苓(ぶくりょう)、蒼朮(そうじゅつ)、山梔子(さんしし)、牡丹皮(ぼたんぴ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、薄荷(はっか)

 

 

四逆散(しぎゃくさん)

 

効果

精神不安、神経症や不眠など、心の調子がよくないときに用います。

 

配合されている生薬

柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、 枳実(きじつ)、甘草(かんぞう)

 

 

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいここつぼれいとう)

 

効果

ストレスや不安で眠れない等、精神的な不安の解消するときに用います。

 

配合されている生薬

柴胡(さいこ)、半夏(はんげ) 桂皮(けいひ)、茯苓(ぶくりょう)、黄芩(おうごん)、大棗(たいそう)、人参(にんじん)、牡蛎(ぼれい)、竜骨(りゅうこつ)、生姜(しょうきょう)

 

 

 

体の冷えを改善する漢方薬

 

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

 

効果

冷え症で、出血傾向のある方の、痔出血や月経障害にともなう貧血がある場合などに用いられます。

 

配合されている生薬

地黄(じおう)、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、甘草(かんぞう)、川芎(せんきゅう)、艾葉(がいよう)、阿膠(あきょう)

 

 

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

 

効果

冷え性、生理不順、生理痛、不妊症、習慣性流産など婦人病の諸症状に用いられます。

 

配合されている生薬

当帰(とうき)、阿膠(あきょう)、黄耆(おうぎ)、地黄(じおう)、芍薬(しゃくやく)、茯苓(ぶくりょう)、党参(とうじん)等

 

 

温清飲

 

効果

生理不順や生理痛、ことに出血の多い月経過多に好んで用いられます。

 

配合されている生薬

地黄(じおう)、 芍薬(しゃくやく)、 川芎(せんきゅう)、 当帰(とうき)、 黄芩(おうごん)、 黄柏(おうばく)、 黄連(おうれん)、 山梔子(さんしし)

 

 

いずれも漢方薬局や薬剤師さんのいるドラッグストアで相談してから購入しましょう。

 

 

 

漢方的養生生活

 

生活習慣の改善

 

漢方的養生生活とは、普段の生活を見直して病気にならない健康な体を維持するための生活法です。

 

すでに生理痛などで悩んでいる人も、積極的に健康になる生活を送ることで悩みやトラブルが解決されます。

 

 

医食同源

 

食べるものは毒にも薬にもなるので、毎食を大事にしましょう。

 

漢方では、食材は、五味(ごみ)といって5種類の味に分けられ、それぞれが体の機能と関係しています。

 

中でも女性の生理と関係が深いのが酸(さん)で、五臓の肝に関連します。

梅、酢、柑橘類などが不正出血を防ぎます。

 

その他、苦(く)ゴーヤやセロリなどの苦みがある食材を摂ると、心(しん)に関連し解毒作用があります。

 

甘(かん)は、さつまいもやとうもろこしなどの甘い食材で、脾に関連し滋養強壮の働きがあります。

 

辛(しん)は、唐辛子やしょうがなどの辛い食材で、肺に関連し、血の流れをよくする働きがあります。

 

鹹(かん)は、昆布やワカメなどの食材で、腎に関連し、便通をよくする働きがあります。

 

 

適度な運動

 

運動が足りないと気、血、水の流れが悪くなります。

簡単なストレッチやウォーキングを習慣づけ、血行をよくすることで生理痛が軽減しましょう。

 

 

冷えに注意する

 

体が冷えると血行が悪くなり、生理痛を悪化させる原因になります。

素足にミニスカートといったような服装や、ガードルなどの体を締め付ける服装はあまりよくありません。血のめぐりが悪くなり体が冷えてしまいます。またお風呂はシャワーだけですまさず、温かめのお湯に10~15分ゆっくりとつかるようにしましょう。

 

 

心のケア

 

ストレスが多いと、生理周期が不規則になったり生理痛がきつくなったりします。

生理前にイライラするPMS(月経前症候群)は、ストレス過多の人に多くみられますが、自分なりのストレス解消法を見つけることが大事です。

 

 

自然との調和

 

冷暖房完備の生活が当たり前となり、食材の季節感がなくなりましたが、「春先になると決まって冷えがきつくなり生理痛もひどくなる」という人や、「梅雨時は生理痛とともに頭痛がする」といった人もいます。

 

それは、その季節に合った食事や暮らし方ができていないからかも知れません。

春先は気温の変化も激しいため、いきなり春めいたファッションをすると冷えて生理痛がひどくなることが多いようです。

特に下半身の冷えに注意するようにしましょう。

 

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まとめ

 

今回は生理痛と漢方薬についてご紹介しました。

漢方では、気と血と水バランスがよいと心身の健康を維持できると考えています。

生理痛は、気と血の乱れによる体の冷えにより起こります。

 

ストレスをため込まない、体を冷やさない対策に加え、漢方の力を借りることで生理痛を改善しましょう。

もし漢方薬力を借りても生理痛が改善できない場合は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など、何らかの病気が原因のこともあります。

 

自分の体の声をよく聴き、適切な対策をおこなうようにしましょう。

 

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