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東洋医学から学ぶ 生理痛と漢方 我慢していると将来不妊症の原因にも

生理痛と漢方 我慢していると将来の不妊症の原因にも

 

生理痛を我慢していると、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気が隠れている場合もあり、また将来不妊症の原因にもなります。

漢方医学では、昔から婦人科の病気を治すのに漢方薬が使われてきました。

市販の鎮痛剤やピルを飲み続けるだけでなく、漢方薬の服用や生活全般を見直すことが、根本的な生理痛の軽減につながります。

 

 

生理痛に効く漢方薬

 

婦人科関係のトラブルでよく使われる漢方薬は、次の4つです。

この4種類の漢方薬は、ドラッグストアなどでも比較的簡単に手に入ります。

生理痛がそれほどきつくない場合は、自分の症状にあった漢方薬を飲んでみるのも一つの方法です。

その場合も薬剤師さんが常駐する薬局などで、アドバイスを受けるようにしましょう。

 

 

①当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

血のめぐりをよくして、体内の余分な水分を排出します。

虚弱で貧血体質の人や冷え症があり、生理痛がきつい人に向きます。

 

②桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

全身を温めるとともに、下腹部の血行をよくして経血の排出を促します。

比較的体力がある人の生理痛に効果的です。

 

③加味逍遥散(かみしょうようさん)

体力が中等度以下で、イライラしたり怒りっぽい人などの生理のトラブルに効果があります。

 

④十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

エネルギーを補いながら血行を促し、体を内部から元気にします。

生理のトラブルのほかにも、貧血や体のだるさなどにも効きます。

 

その他にも以下のような漢方薬が生理痛に効果的です。

 

・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

体力が中等度以上で、のぼせて便秘しがちな人の生理痛などに適しています。

 

・温経湯(うんけいとう)

体力中等度以下で、手足のほてりや唇がかわく人の生理痛に効きます。

 

 

なぜ血のめぐりが悪くなるの?

 

生理痛は血のめぐりの悪さが原因となっています。

体は年齢とともに衰えますが、中医学でいうところの五臓の肝、心、脾、肺、腎のうち命の源となる「腎」の機能と生理は密接な関係があります。

腎の機能は衰えやすく、女性の場合は21歳から28歳ころまでが腎の機能のピークと言われています。

その後は徐々に機能が低下し、35歳を過ぎる頃からは急速に衰えてきます。

女性の平均年齢は伸びたものの、腎の機能が活発なのは30歳までなのです。

腎の衰えに加え30代に入ると、生活習慣の乱れや人間関係のストレスも多くなり、体は冷えをため込みやすくなり、生理のトラブルが増えてきます。

生理痛もそのうちのひとつです。

年代ごとに腎を養う手だてをすることで、血のめぐりをよくすることができます。

腎の機能が弱ると、髪の毛が抜けやすくなったり白髪が目立つようになります。

耳の聞こえが悪くなったり、耳鳴りを感じることもあります。

30代でこのような不調を感じると愕然としますが、一過性のものなので腎の働きをよくすると、生理痛だけではなく、様々な不調も改善されます。

ちなみに腎を養う食材は、黒豆、黒ゴマ、昆布、ヒジキ、ワカメ、サケ、エビ、味噌などです。

 

 

年代による対策

 

生理痛などの婦人科系のトラブルは年齢や症状によって対策の仕方が違ってきます。

おおまかには20代では生理機能が旺盛で活発なため血を養う「養血」が必要となります。

30代では「養血」に加え、体の隅々まで値をめぐらせる「活血」が大切となってきます。

さらに40代になると「養血」や「活血」に加え腎の機能を高める「補腎」が必要になってきます。

50代以降は、肝、心、脾、肺、腎の五臓全般の機能アップをはかる努力が大事です。

 

 

 

生活全般の見直しで生理痛を軽減しよう

 

生理機能は年齢だけでなく、その人の持つ体質で症状が違ってきます。

20代でも生理痛がきつい人や、30代や40代でもあまり痛みを感じない人もいます。

 

・生理が遅れがちで経血の量が少ないタイプは気も血も不足しています。

慢性的に睡眠不足の人に多いタイプです。

気も血も睡眠中に充実します。生理中は睡眠と休息を十分に取ると、血のめぐりがよくなります。

体を温めてぐっすり眠る工夫をしましょう。

 

・生理痛が重く痛みが強い上に経血にかたまりがある場合は、かなり体が冷えていて、気血のめぐりが滞っています。

その結果、子宮は経血を押し出すために収縮をくり返すことになりますが、これが生理痛の痛みの原因となります。

毎日の暮らしの中に運動やマッサージを積極的に取り入れ、代謝の良い体づくりをするようにしましょう。

 

・生理周期がばらばらだったり、長引いたりするタイプは体が芯から冷えています。ストレスなどでも強い生理痛が起こる場合があります。

ストレスの解消法を見つけるとともに、腎を養う食事や漢方薬を用いて体に陽の気を取り戻すようにしましょう。

 

 

まとめ

漢方では、気と血と水のバランスがよいと心身の健康を維持できると考えられていますが、自分に合った漢方薬を飲むことが大事です。

生活習慣に気を配り、漢方薬を飲んでも生理痛が改善できない場合は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症など、何らかの病気が原因のこともあります。

自分の体の声をよく聴き、適切な対策をおこなうようにしましょう。

ずっと鎮痛剤やピルを飲み続けることが不安になっている人も少なくないと思います。

そのような場合は漢方治療をお勧めしたいと思います

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