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東洋医学から学ぶ 腹痛について 腹痛の原因は様々、西洋医学の力と東洋医学の力でお腹の痛みを緩和しよう。
腹痛について 腹痛の原因は様々、西洋医学の力と東洋医学の力でお腹の痛みを緩和しよう。
腹痛は様々なシーンでおこります。
痛みの度合いも様々で、我慢できないほどの強い痛みから、なんとなくシクシク痛むといったものまで、言葉で表現するのはとても難しいもので、不安になることが多いでしょう。
腹痛には慢性的なものと急性のものがあります。
西洋医学の力と東洋医学の力を借ることで腹痛の不安を解消しましょう。
腹痛とは
みぞおちあたりから下腹部までの痛みを腹痛と呼びますが、痛み方や痛む場所によって考えられる病気が違ってきます。
中には重大な病気が隠れている場合もあるので、素人判断は禁物です。
慢性的に痛む場合も「体質だから」などと言って放置していると、取り返しがつかないこともあります。
食べ過ぎや飲みすぎ、自律神経の乱れなどが原因で起こる腹痛は鍼灸治療が効果的です。
急にお腹が痛くなる病気
腹痛には急にお腹が痛む場合と、慢性的に痛む場合があります。
腹痛を伴う病気の種類はとても多いので、お腹が痛くなったときは冷静に症状を見極めることが大事になってきます。
熱がないか、下痢や嘔吐はないか、胸やけやゲップを伴うかなどをチエックすると同時に、
痛む場所が右なのか左なのか、みぞおちなのか、おへそまわりなのか、背中や肩まで痛むのかなどを明確に説明できるようにしておくことで、的確な治療を受けることができます。
急にお腹が痛くなる病気(例)
・腸閉塞
腸の内容物が腸に詰まった状態を言います。
強い痛みが絶え間なく起こり、下痢や嘔吐を伴うこともあります。
腸がねじれた状態を腸ねん転、腸の一部が飛び出した状態を嵌頓(かんとん)ヘルニア、腸が腸管に入り込んだ状態を腸重積といいますが、いずれも急いで病院に行く必要があります。
・急性腸炎
急性の炎症で消化器に異常がおこり、下痢や嘔吐、腹痛、発熱などがおこります。風邪や寝冷えといった軽度のものから、赤痢などの重症のものまであります。
・虫垂炎
みぞおちやおへそ周辺の痛み、嘔吐、微熱などで始まり、そのままがまんしていると腹膜炎をおこすこともあります。
・胆嚢炎及び胆管炎
胆のう炎は寒気や震え、吐き気がおこり、右上腹部が痛むことが多く、背中や肩にも痛みが及びます。
胆管炎は胆のう炎と同じ症状がおきますが、さらにひどく黄疸が表れやすいのが特徴です。
・胆石症
右上腹部の痛み、発熱、嘔吐、上腹部の不快感や膨満感がおこります。
・急性膵炎
急性膵炎の場合はみぞおちあたりが痛み、背中まで痛みがおこります。
腹痛と同時に吐き気や嘔吐発熱などを伴います。
・食中毒
サルモネラ菌や腸炎ビブリオ、ボツリヌス菌、ブドウ球菌、カンピロバクター、O157などが原因でおこる細菌性食中毒と、化学物質やキノコ、フグなどで起こる非細菌性食中毒があります。
・肋間神経痛
突然胸や背中に激しい痛みがおこります。
慢性的にお腹が痛くなる病気(例)
・胃及び十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜に胃酸による潰瘍ができます。
みぞおち周辺が痛みますが、胸やけやゲップ、嘔吐などを伴うこともあります。
潰瘍が血管に及ぶと、吐血や下血をおこすこともあります。
・クローン病
小腸や大腸を中心とした消化管に炎症が起きてびらんや潰瘍が生じる原因不明の病気です。
・大腸憩室
消化管の一部が袋状に膨らんで、外側に飛び出した状態を憩室といい、大腸に最も多く見られます。
加齢などにより腸管の弾力性が低下することで起こりやすくなります。
・寄生虫病
サナダムシや十二指腸虫、アニサキス、エキノコッカス、フィラリアなどが原因で腹痛や下痢、貧血、だるさなど様々な症状が表われます。
食べ過ぎや飲みすぎ、自律神経の乱れなどが原因の腹痛は鍼灸治療が効果的
暴飲暴食をしたり、にんにくや唐辛子など刺激の強い食べ物を摂ると胃が痛んだり下痢をすることがあります。
また、冷たい飲み物を一気に飲むと腸が刺激されて、腹痛をともなう下痢を起こすこともあります。
その他にも、お酒の飲みすぎやタバコの吸いすぎでも胃痛や腹痛の原因になります。
冷房の効きすぎた室内から、室外に出た時の温度差などでも自律神経が乱れ腹痛が起きることもあります。
ストレスの原因は仕事や人間関係などのトラブルが原因でおきるだけでなく、日常の気温差や食事の摂り方などもストレスになります。
様々なストレスが引き金となって、腹痛はおこりますが、そんな病気とも言えないような微妙な腹痛には、鍼灸治療が効果的です。
鍼灸は、自律神経が支配する胃腸の不調やメンタル面の改善などに効果があります。
鍼灸の効果についての研究は、各地の医療機関や鍼灸大学などで進められており、鍼灸による刺激が自律神経系や内分泌系、免疫系等に作用して、病気の回復を促すことが分かってきています。
腹痛に効果的なツボ
・冷えや食べ過ぎが原因の場合 温溜(おんる)
温溜はひじを直角に曲げたときにできるシワの中央と、手首の親指側にある骨との中間にあります。
【ツボの位置と押し方】
おなかが冷えたり、食べ過ぎなどで胃腸に負担がかかったりしたときには、腹部の「血(けつ)」や「気」のめぐりが滞ってしまいます。温溜を刺激すると、腹部の「血」「気」のめぐりがよくなり、腹痛の改善につながります。
刺激するツボと反対の手で、腕をつかむようにして親指の先を当て、気持ちよく感じる強さで3~5秒押して離す刺激を3~5分間繰り返します。
・ストレスが原因の場合 上巨虚(じょうこきょ)
上巨虚は足の三里(ひざの下にある、足の骨の外側2cmほどのところにあるツボ)から、指3本分下にあります。
【ツボの位置と押し方】
上巨虚はストレスが要因の腹痛に効果的なツボです。
両手の親指の先を重ねて当て、気持ちよく感じる強さで3~5秒押して離す刺激を3~5分間繰り返します。
ツボ刺激のいいところは、いつでも、どこでも自分でできることです。
ぜひ実践してみましょう。
まとめ
お腹が痛いときには病院で適切な処置を受けるためにも、腹痛を訴えるポイントを押さえておきましょう。
大切なことは、痛む場所、痛み方と痛みの度合い、腹痛以外の症状があるかどうかです。
東洋医学のひとつの鍼灸治療は、気血の流れをスムーズにして、様々なストレスからくる腹痛を改善することが可能です。
鍼灸による刺激は、自律神経が支配する胃腸の不調やメンタル面の改善などにも効果があります。