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東洋医学から学ぶ 捻挫には応急処置が大事 鎮痛作用や消炎作用をより効果的にする鍼灸治療

捻挫には応急処置が大事 鎮痛作用や消炎作用をより効果的にする鍼灸治療

 

 

捻挫とは、日常生活の中で階段を踏み外したり、スポーツで足首をひねったりして痛めることです。

捻挫は足首だけでなく、手首や指、ひざなど体のあらゆるところに起こります。

この捻挫には色々な治療法がありますが、特に鍼治療は捻挫と相性がよいと言われます。

 

 

捻挫は整形外科での治療と鍼灸治療を平行すると効果的

靭帯が伸びたり切れたりすると、ギブスで完全に固定しなくてもよい程度なら、鍼治療をおこなうと治りが早くなります。

また、鍼治療は完治後も再発防止のためのリハビリ効果もあります。

 

・なぜ捻挫に鍼灸治療が効くのか

鍼灸治療には鎮痛作用や消炎作用があるからです。

体にはもともと鎮痛作用物質であるエンドルフィンやノルアドレナリンを分泌する働きがあります。

エンドルフィンは脳内で働く神経伝達物質のひとつで、モルヒネと同じような働きをします。

エンドルフィンには、アルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)の3つがあり、β-エンドルフィンは痛みなどの苦痛を取り除くときに多く分泌されます。

ノルアドレナリンは体がストレスを感じた時に分泌されます。

この体が本来もっている鎮痛作用や消炎作用をより効果的にするのが鍼灸治療による刺激なのです。

 

 

スポーツ現場での鍼灸治療

WHO(世界保健機構)で鍼灸治療の有効性が認められていることもあり、あらゆるスポーツ分野でスポーツ選手の体調やメンタル面の管理に鍼灸治療がとり入れられています。

プロアマを問わず、野球、サッカー、水泳、バレーボール、バスケットボール、陸上、ラグビー、ハンドボール、バドミントン、ソフトボール、アメリカンフットボール、ゴルフ、フェンシング、ボート、テニス、卓球、レスリング、柔道、空手などのスポーツの現場で鍼灸師のニーズが高まっています。

捻挫は、治るのに早くて2週間、一般的には3週間から4週間くらいかかると言われていますが、鍼治療をすると1週間くらいで腫れも少なくなり痛みもなくなる人がおおいようです。

また、スポーツ現場の鍼治療には筋肉に直接アプローチするパルス(電気鍼)を使用することも多く、この治療法は筋肉の疲労やコリに効果的です。

 

むち打ちも捻挫?

むちうちにおける最も多いタイプが頸椎捻挫型のむちうちです

このタイプは整形外科でレントゲンやMRIを撮っても異常が見つからないことが多く、「大丈夫」と自己判断することが多いようです。

本人は自覚症状があるものの「そのうち治るだろう」と放置していたところ、数年後に重い症状に悩ませられることがあります。

もし、交通事故などで保険が発生する場合は、まず整形外科で治療を受けましょう。

むち打ち症は首の関節の捻挫なので、他の捻挫と同様に鍼灸治療が有効ですが、

鍼灸治療が交通事故の治療として妥当かどうかは微妙といえます。

正当な保険金を受け取るためには、整形外科での診断書や証明書が必要になってくるからです。

交通事故でのむち打ちは、整形外科を受診して担当の医師と相談してから鍼灸治療をすすめましょう。

資格を有する鍼灸師が行う治療は血流の促進が期待でき、頸椎の捻挫にも効果が期待できます。

 

加齢によるつまずきに効果があるツボ刺激

年齢を重ねるとともに、階段でつまずいたり、少しの段差で捻挫をしてしまうことがあります。

自分では足を上げているつもりでも足の付け根の筋肉が上手く働いていないからです。

足の付け根の環跳(かんちょう)を刺激すると足が軽くなり、つまずきにくくなります。

 

 

・環跳(かんちょう)のツボの見つけ方

足を左右に開いて立つと股関節の外側にくぼみができますが、そのくぼみの真ん中あたりです。

刺激の方法は、足を左右に開いて立ち、反対側の足に体重をかけたら片足ずつげんこつでリズミカルに20回くらい叩いて刺激を与えます。

もう片方の足も同じように20回叩きます。

お尻と脚の筋肉の通り道である、この部位を叩くことで血液循環がよくなり、筋肉も柔軟になるため足が上がりやすくなります。

 

・捻挫には応急処置が大事 「捻挫治療の4原則」

もし、突然何かの拍子に捻挫をしてしまった場合は、応急処置が適切だと治りが早くなります。

応急処置の基本に「PRICES」処置というものがあります。

 

 

“PRICES”は

P:保護(Protect)

R:安静(Rest)

I:冷却(Ice)

C:圧迫(Compression)

E:挙上(Elevation)

S:安定/固定(Stabilization/Support)

の頭文字をとったものです。

*以前は「RICE」でしたが近年は「PRICES」の6文字に増えてきています。

 

特に大切なのはまず冷やす!こと。

ご家庭でできる最も簡単な冷やす(アイシング)ことで、患部の炎症症状が抑えられ痛みが緩和されます。

 

 

まとめ

捻挫は、足首、ヒザ、手指の関節、などに多く見られます。

スポーツで足首をひねって痛めるだけでなく、日常生活の中でも起こりやすい障害です。

靭帯や関節包、関節周辺の筋肉などが傷ついてしまうこともあるので、適切な治療をおこなうことが大切です。

また、加齢とともにつまずきやすくなるので、足の筋肉を絶えず鍛えておくようにしましょう。

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