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東洋医学から学ぶ 便秘や下痢の症状を和らげる方法 女性の約3割は日常的に「お腹のハリ、ぽっこりお腹」を感じている
便秘や下痢の症状を和らげる方法 女性の約3割は日常的に「お腹のハリ、ぽっこりお腹」を感じている
お腹のハリ、ぽっこりお腹等の症状について聞いたところ、全体の22.0%の方が、「ほぼ毎日」「週に1~2日程度」、お腹のハリ、ぽっこりお腹に悩んでいて、男女別では、男性は16.8%、女性は27.2%という結果に。
中でも、40代女性が特に多く35%の方が日常的に、お腹のハリ、ぽっこりお腹の症状に悩んでいるようです。
きっかけは、「生活習慣が変化したとき」や「旅行に行ったとき」に便秘になると感じる人が多く、女性は「旅行に行ったとき」、男性は「ストレスや緊張、プレッシャーが多いとき」。
このように便秘や下痢で悩んでいる人は多く、中でもストレスが関係して便秘や下痢をくり返す過敏性腸症候群(IBS)は、男女ともに年々増えているようです。
便秘とは
便秘の症状は、排便回数が減ったり、1回の量が少なかったり、出ても残便感があるなど不快感が伴います。
便秘の原因は生活習慣によるものと大腸がんや腸閉塞などの病気によるものがあります。
・生活習慣による便秘
朝食を抜いたり、食事の時間や量が日によって違ったり、食物繊維が十分に取れていなかったりすると、便秘になりやすくなります。
また、便意を感じても我慢することが続くと、腸の感覚が鈍り便意を感じなくなってしまいます。
その他にも腹筋力がなくなると腹圧がうまくかからず、便秘になってしまいます。
・病気による便秘
大腸がんや腸閉塞、過敏性腸症候群、痔などでも便秘になることがあります。
何らかの大腸の病気により、腸内をスムーズに内容物が通過しないために便秘になりますが、便に血が混じっている時は病院で検査してもらいましょう。
例えば腸閉塞は、腸のねじれなどによって腸が詰まり、腹痛やお腹の張り、嘔吐などの症状がみられます。
近年多いのが過敏性腸症候群で、精神的なストレスが原因となり腹痛をともなう慢性的な下痢や、下痢と便秘を交互に繰り返すなどの便通異常がおきます。
下痢とは
排便の回数が増え、水分を多く含む、形のない便が出ます。
食中毒などが原因で突然起こり、比較的早く治まる急性下痢と、3週間以上続く慢性下痢に分けられます。
・生活習慣による下痢
発熱をともなわない下痢のほとんどが、飲みすぎや食べすぎ、冷えが原因です。
お酒の飲みすぎや刺激物の摂り過ぎでも腸のぜん動運動が高まり過ぎて、下痢を引き起こします。
また、ストレスなどで緊張が高まると、腸の動きをコントロールしている自律神経が乱れて下痢になることもあります。
・病気による下痢
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜がただれて潰瘍ができます。長期間の下痢と腹痛が続き、粘液や血液の混じった便が出たり、発熱などの症状が出ます。
大腸ポリープは、大腸の内側にできるイボ状の腫瘍で、多くは良性ポリープです。
血便や下痢といった症状がみられることがあります。
過敏性腸症候群は、精神的なストレスなどが原因で、腸のぜん動運動に異常が起こり、腹痛をともなう慢性的な下痢を引き起こします。下痢と便秘が交互におきる場合もあります。
その他にも、サルモネラ菌やO-157、ノロウイルスなどによる食中毒、ウイルス感染による風邪、コレラや赤痢などにも急性の下痢の症状がみられます。
これらの疾患は同時に腹痛や発熱、嘔吐をともなうことが多くみられるので、急いで病院にかかりましょう。
過敏性腸症候群に鍼灸治療が効く
過敏性腸症候群(IBS)では、
便秘と下痢が交互にくる交代性便通異常が多く見られます。
ストレス病の1つと考えられていますが、有効な治療法は確立されていません。
このことから鍼灸治療を希望する患者が増えてきています。
実際に中脘、天枢、関元、足三里、合谷への鍼刺激によって過敏性腸症候群が改善されたとの多くの報告があります。
これらのツボは自分でも刺激しやすいので、押してみましょう。
中脘(ちゅうかん)
へそとみぞおちの間に左右両手を重ね、息を吐きながらゆっくり押します。
天枢(てんすう)
へそを中心に指3本分外側にずらしたところがツボです。
左右の親指はへその上に置き、あとの指は左右重ねて、息を吐きながらゆっくり押します。
関元(かんげん)
へそから指4本分下がったところに両手のひらを重ねておき、息を吐きながらゆっくり押します。
足三里(あしさんり)
足のすねの前面より少し下で、やや足の小指よりのところを押します。
合谷(ごうこく)
手の甲の親指と人さし指のまたの間を押します。
簡単なストレッチで便秘や下痢を改善
・便秘に効果的な逆さ自転車こぎ
床にヨガマットや厚手のタオルを敷き仰向けになります。
両手を腰に当て体を支えながらお尻を浮かせて、足をまっすぐ上に伸ばします。
その状態で自転車のペダルをこぐように30秒ほど足を回転させます。
毎日続けることで腸の動きがよくなり、便秘が解消されます。
・便秘と下痢の繰り返しに効く腸もみ
おへその両側に手のひらを立てておき、手首側に圧をかけて押し、次に指先側に圧をかけて押します。テンポよくくり返して押します。
お腹に刺激を与えることで自律神経のバランスがよくなり、排便のリズムが整います。
・うつ伏せゴロゴロでガス抜き
お腹の下に枕を入れてうつ伏せに寝て5分ほどリラックスします。
その後上を向き体を左右にゴロゴロと動かします。
おなか全体が刺激され、腸の隙間にたまったガスが出ます。
まとめ
適度な運動は大腸を活性化させます。
できるだけ歩くようにして、簡単なストレッチなども取り入れ腹筋を鍛えましょう。
便秘や下痢の中には西洋医学でもこれといった有効な治療法が確立されていないものもあります。
鍼灸治療で改善できるものもあるので試してみましょう。