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東洋医学から学ぶ 胃腸のトラブル 鍼灸治療
胃腸のトラブルに効果的な方法(鍼灸治療)
胃と腸は繋がっているので、胃の調子がよければ腸の調子もよいものです。
また、胃の具合が悪ければ腸にもよくない影響を及ぼします。
胃と腸は1本の消化管のため、「胃腸の調子が悪い」と、言った言い方をしますが、胃腸の調子は日々のストレスとも大いに関係しています。
嫌なことがあった時に急に便意をもよおしたり、逆に深刻な事態が続くと便秘になったりした経験がある方も多いと思います。
東洋医学の中でも鍼灸治療は、ストレスによる自律神経の乱れを整えるのが得意と言えます。
鍼は副作用がない治療方法なので、薬が苦手な方にもおすすめせできる治療方法です。
胃腸の仕組み
胃は、歯でかみ砕かれた食べ物が食道を通って蓄えられる臓器です。
空腹時はしぼんでいますが、満腹になると大きく膨らみます。
胃にたまった食べ物は胃液と混ざり粥上となり吸収された後、十二指腸、小腸、大腸、結腸へと送られ、さらにそれそれぞれの器官で吸収されます。
その後は便として排出されます。
この仕組みに基づいて働いてくれれば問題はないのですが、胃腸はとてもデリケートな臓器のため、精神的なストレスが続くと様々なトラブルが起きてしまいます。
ストレスが続くと胃を保護する粘液の分泌が減少し、胃が傷つき炎症がおこってしまいます。
東洋医学では胃は五臓のうちの脾にあたります。
脾が弱まると胃もたれや消化不良といった症状だけでなく、味覚障害や鼻血、皮下出血などがあらわれる場合もあります。
皮下出血の原因が胃のトラブルにあるとは思わないため皮膚科などを受診しがちですが、脾の調子は唇にあらわれるので、唇の色が気になる時は鍼灸院で的確なツボを刺激することで胃の働きが正常化します。
胃腸のトラブルに効果的なツボ
特に病気でもないのに胃腸の調子が悪いときは、精神的なストレス解消にも効くのツボ刺激が効果的です。
ストレスのために胃痛や下痢が続いたり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になることがあります。
胃腸は調子が悪くなると自らサインを送ってくれます。
早めにツボを刺激することで胃液が分泌されやすくなり、胃のトラブルが緩和できます。
胃のツボとして知られるのが足三里(あしさんり)、中脘(ちゅうかん)、胃兪(いゆ)のツボです。
・足三里は
足のすねの前面にあります。
左右の膝の外側のくぼみから、指4本分下の前面です。
刺激を与えることで胃酸が分泌されやすくなり胃のトラブルが緩和します。
このツボは胃経という経絡上にあるため、刺激を与えると胃が引き締まり活動をはじめます。
刺激のコツは、床に座り左右の親指をすねの前のツボに当てて押します。
刺激の強さは足の上の方に響くくらいの強さで押します。
ツボの位置は人によって微妙に違うため、痛気持ちよいところを見つけて押しましょう。
刺激のリズムは、5秒押して5秒休みを5回ほどくり返します。
・中脘(ちゅうかん)は
胃の真上にあります。
刺激のコツは左右の手のひらを重ねてツボに当て、少し前かがみになってゆっくり息を吐きながらゆっくりと押します。
胃が痛いときに強い刺激は逆効果です。じんわりと優しく、5秒押しては3秒休むといったリズムで5回程くり返します。
ホットタオルやカイロで温めるのも胃の不調に効きます。
・胃兪(いゆ)のは
背骨を中心に下がって腰骨の中間あたりから左右に指幅2本分ほど外側の、ちょうど胃の裏側になります。
刺激のコツは両手を後に回して左右の親指で押すか、仰向けに寝てげんこつをツボに当て、痛気持ちいいところを押します。
*突然の激しい胃の痛みや、吐き気、吐血などを伴う場合は早急に病院へ
胃腸のトラブルには、急性胃炎や胃潰瘍、腸閉そくなどの場合もあるため、いつもと違った症状が出た場合は、早急に病院で検査を受けましょう。
生活習慣からくる胃腸の不調
胃腸の不調は、食べ過ぎや飲みすぎ、刺激物の摂りすぎ、脂っこいものや甘いもの、冷たい物の食べ過ぎなどです。
このような食習慣が続くと、胃酸がたくさん出てトラブルのもとになってしまいます。
胃腸の調子を良好に保つには、適度な運動や十分な睡眠も大事です。
定期的に運動をすることによって、胃腸の調子が整います。
また、睡眠不足の時は、昼休み時間を利用してうたたねするだけでも胃腸が休まります。
ストレス性の胃の病気としては神経性胃炎が、腸の病気としては過敏性腸症候群が知られています。
仕事や人間関係などの悩みから自律神経が乱れると、胃酸の分泌が増えて胃が痛んだり、胃がもたれることがありますが、この症状がストレスからくる神経性胃炎です。
ストレスからくる腸の病気の過敏性腸症候群とは、腸のぜん動運動の不具合から、腹痛を伴う下痢や便秘の症状で悩まされます。
まとめ
胃腸の調子をよくして毎日を快適に過ごすには、生活習慣を見直し、過労や人間関係からくるストレスを排除する必要があります。
胃腸の調子と脳は日々のストレスとも大いに関係しています。
1日に1回はリラックスして脳を休ませてあげるようにしましょう。