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3度目の緊急事態宣言 感染症に負けない身体作り
政府は、4月25日(日)から5月11日(火)まで、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に緊急事態宣言を出すことを決定しました。
変異ウイルスの拡大に最大限、警戒するとともに、短期間に集中的な対策を講じることで感染を減少に転じさせて抑え込みたい考えです。
緊急事態宣言に伴い休業を要請する施設は、
ショッピングセンターや百貨店などのほか、映画館、プラネタリウム、博物館、美術館、動物園、ボウリング場、体育館などのスポーツ施設、スーパー銭湯など
テーマパークや遊園地、ホテルや旅館の宴会場なども床面積に関係なく、休業を要請するとしています。
一方、野球場、ゴルフ場、陸上競技場、ゴルフ練習場、バッティングセンターなどについては、休業は要請しませんが、大会を開催する場合は無観客での実施を求めるとしており、劇場や、演芸場、集会場、展示場などにも無観客での使用を求めています。
私たちの日常に密接に関連するスーパーやコンビニ、ガソリンスタンドなどにも休業は要請せず、理容室や美容室、図書館に対しては、入場を整理するよう働きかけるとしています。
このほか、結婚式場は、酒やカラオケ設備の提供を停止し、午後8時までの営業時間の短縮を要請したうえで、1時間半以内の利用や、50人以下かつ収容人数の50%以内の制限を働きかけるほか、葬祭場には、酒の提供の自粛を呼びかけるとしています。
3回目になる緊急事態宣言、5月11日で宣言解除となるように一人一人が自粛するしかありませんが、手洗い、うがい、マスク対策、蜜を避ける等、多くの方が対策を取っている中でしていても感染が広がっています。
ここで改めて感染症対策として、自身の免疫力を強化し、「感染症に負けない身体を作る」、「感染しても重症化しない身体を作る」ことが大切ではないでしょうか。
今回は感染症と免疫力について再度ご紹介したいと思います。
感染症って何?
感染症は、ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳等の症状がでることをいいます。
感染症には、新型コロナウイルスやインフルエンザのように人から人にうつる感染症のほかに、破傷風や日本脳炎のように人から人にはうつらず、傷口から、あるいは動物や昆虫から、感染する感染症も含まれています。
感染して発病する場合もあれば、ほとんど症状がでずに終わってしまう場合もあります。
また、一度症状がでるとなかなか治りにくく、時には死に至るような感染症もあります。
感染経路は?
感染症によって、病原体の体内への侵入方法が異なります。
大きく2つに分類すると、人からうつる感染症と、人以外からうつる感染症があります。
新型コロナウイルスやインフルエンザのように、人からうつる感染症には、「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」の3つの経路があり、感染症を予防するためにはそれぞれにおいて感染経路を断ち切るための対策が必要になり、
・接触感染対策=手洗い、うがい+密を避ける
・飛沫感染・空気感染対策=マスク+密を避ける
が重要となります。
感染リスクや重症化リスクを減らすにはどんなことに気を付け、免疫機能をフル活動させるためには何をすればよいのか、まずは感染症と免疫力について簡単にご説明します。
感染症と免疫力について
ウイルスなどの病原体が体内に入ってくると、最初は「自然免疫」が働きます。
これは城に例えると城壁や城門を守る番兵のような役割。敵が侵入しないように異物を見つけたらすぐに駆け付け、やっつけます。
病原体がそこ(自然免疫)を突破すると、今度は「獲得免疫」が働きます。
これはリンパ球が強く働く免疫で、以前侵入してきた病原体を覚えていて、再びその病原体に出会うと、抗体(病原体を排除するための物質)を作り、病原体を追い払おうとするのです。
相手に応じて、より強力な武器で戦うイメージです。
出合った敵を認識・特定して戦い方を身につけていくため、攻撃態勢をととのえるまでには時間がかかり、個人差もあります。私たちの免疫の強さとは、自然免疫と獲得免疫の両方を合わせたものを指し、病原体の強さとは、体内に侵入してきた病原体の量と、感染力の強さを合わせたもののことです。
病原体の強さが、自身の免疫の強さを上回ると感染症が起こります。
感染症が発症しない為には、自身の免疫力が病原体の強さに勝てばよいのです。
では「免疫力を高める、維持する、免疫力を低下させない」ためにはどのような方法があるのでしょうか。
免疫力を高める、維持する方法
免疫細胞を作る骨髄の造血幹細胞の分化能力は、加齢とともに低下し、その機能も落ちてしまいます。では、どうすればよいのでしょうか。免疫機能の働きを取り戻すための方法は、いくつかあります。
運動をする
免疫系の細胞を刺激してくれる物質は、骨や筋肉からつくられることが分かってきました。適度な運動によって筋肉や骨が刺激を受け、免疫系の機能が落ちかけていた状態をもとに戻してくれるという働きが期待できます。運動は、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。逆に、過度な運動をするとそれがストレスになり、かえって免疫細胞に悪い影響を与える可能性がありますので注意しましょう。
体温を高める
運動や入浴などで体温が上がる状態をつくりましょう。体温が少し上がると、免疫細胞が動きやすくなります。風邪をひいたときに熱が出るのは、免疫細胞ががんばっているという意味に捉えることもできます。体温が上がると血流やリンパの流れがよくなり、その流れにのって全身をパトロールする免疫細胞が、侵入してきたウイルスを捕まえやすくなります。
バランスのよい食事と、腸内環境への気遣い
1つの食品で免疫機能を高めることはできません。バランスのよい食事をしていれば、からだに必要な糖分、アミノ酸、脂肪分、ビタミンなどは十分摂れます。規則正しい生活をおくり、食べ過ぎない、飲みすぎないことを心がけ、空腹だからと一度にたくさん食べたり、食後すぐに寝てしまったりという過ごし方も避けましょう。食べた食品が効率よく消化吸収され、代謝をよくするといった腸内環境を整える意識も必要です。ヨーグルトや納豆などの発酵食品を適度にとるのもおすすめです。
続いて、免疫力を低下させてしまう原因についてご紹介します。
免疫力の低下させてしまう主な原因は?
免疫力が低下すると感染リスクや重症化リスクが高まります。
免疫力を低下させる代表的な原因についてご説明します。
ストレス
過剰なストレスは、免疫細胞の機能を低下させます。
ストレスがある時に風邪をひきやすくなったり、皮膚に不調が出たりするのはこのためです。
しかし、ストレスを気にしすぎることで、かえって健康に悪い影響を与える可能性もありますから、くよくよ考えすぎないほうが得策です。
適度な有酸素運動を毎日続ける、入浴時にはシャワーだけでなくぬるめのお湯にゆっくりつかる、バランスのよい食事を規則正しく摂る。
当たり前に聞こえるこれらのことを、1回、2回だけ意識して行うのではなく、日々習慣化し、続けていくことが大切です。
睡眠不足は免疫低下の大敵
睡眠は美容だけでなく、免疫にとっても重要です。
睡眠時間と唾液中のIgAの関係を見た研究では、睡眠が6時間以下で時間が短いほど唾液中のIgAの分泌量が低下していました。
※IgAとは、病原菌やウイルスの侵入を防御するという重要な役割を担っているタンパク質。
睡眠時間だけでなく、眠りの質と免疫力の関係では、眠りの質が良い人ほど、風邪の発症率が低下し、7時間未満の睡眠時間の人は、8時間以上の人に比べて約3倍風邪にかかりやすくなります。
免疫細胞のT細胞が病原体などの抗原の情報を長期間記憶するためにも、良質な睡眠は免疫力を保つ健康の要です。
食習慣と免疫低下
外出自主の影響で、食べ過ぎ、偏った食事になっていませんか。
食習慣によって免疫力を落としてしまうこともあります。
体を冷やす飲食物のとりすぎ
体温が低下すると健康的な免疫力も低下するといわれています。
体温が低いと免疫を司る細胞や酵素が十分に機能しなくなるほか、腸内では悪玉菌が増殖しやすくなってしまいます。
野菜(きのこ、海藻含む)不足
ビタミン類や食物繊維、そしてポリフェノールなどのフィトケミカルといった健康的な免疫力を整える作用が期待できる栄養素は、野菜(きのこ、海藻含む)に多く含まれています。
また、きのこや海藻に多く含まれる食物繊維には、腸内環境を整えるのに加え、体内の活性酸素の排出を促す働きがあるので、積極的にとるようにしましょう。
たんぱく質不足
たんぱく質は、体の細胞や免疫物質を作るために必要な成分。不足すると、細胞や免疫物質が十分に生成されず、体全体の健康的な免疫力が下がってしまいます。
まとめ
手洗いやうがい、マスクの着用を基本とし、自分自身の免疫力を下げない工夫を取り入れ、ウイルスに負けない身体づくりに取り組みましょう!