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香りの効果とストレス緩和について
日々の生活や仕事に追われたり、人間関係で悩んだり、現代人なら多少なりとも抱えているストレス。
最近ではそんなストレスを和らげるために、香りを楽しむ人が増えているそうです。
疲れもストレスも溜まり過ぎている今日この頃。
爽やかな香りの効果で、ストレス解消してみませんか?
香りの効果とは
香りは〔匂い〕・〔臭い〕などと、さまざまな表現があるように、多くの人が好む良い香りや、その反対の悪臭、また「他の人は嫌がるけど自分は好きな香り」など、無数に感じられます。
香り=嗅覚は、人間の五感の中で唯一、直接"大脳辺縁系"に働きかけるものなのです。
この"大脳辺縁系"というのは人間の本能や感情を支配している部分で、その中に"海馬(かいば)"と呼ばれる記憶を司る部位があり、香りの情報はダイレクトに海馬へ届きます。そのため香りの記憶は鮮烈に残りやすいのです。
このことから、嗅覚は五感の中で最も人間の本能的な感覚とも言われています。
昔、人間は口にする食糧が腐っていないか、毒がないか、また周囲の環境は安全か危険か、などを嗅覚を頼りに判断していたことも多かったようです。
基本的な香りの効果について
あなたの好きな香りにはどんな効果があるでしょうか?
また、得たい効果から香りを選ぶのも良いですよね。
では、ここからは香りの持つ効果について説明していきたいと思います。
ぜひ香り選びの参考にしてみて下さい。
イライラ、ストレスを解消したい
イランイラン、ローズ、ラベンダー、レモン、ベルガモット、カモミール
ぐっすり安眠したい
ラベンダー、オレンジ、ベルガモット、ネロリ
情緒不安定を落ち着けたい
ゼラニウム、ネロリ、ティーツリー、マンダリン
元気を出したい
タイム、ジャスミン、グレープフルーツ
リフレッシュしたい
ペパーミント、レモン、グレープフルーツ
集中力を高めたい
ユーカリ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ
記憶力を高めたい
ローズマリー
冷静になりたい
ヒノキ、カモミール
瞑想にふけりたい
サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド
身近な香りにも効果はある?
先ほど紹介した香りの中には、名前すら聞いたことないような、あまり身近に感じられないものもあったかもしれません。次は、身近な普段の生活の中で感じられる香りについて、その効果などを紹介していきたいと思います。
金木犀(きんもくせい)
秋頃に独特の甘い香りを放つ、オレンジ色の花の庭木。金木犀を植えている家の横を通ると辺り一面に香りが漂っていて強く記憶に残りますよね。
→ リラックス効果(イライラの軽減)、ダイエット効果(食欲の抑制)
すずらん
誰もが思い浮かべることのできる、小さくて可憐な白い花。"すずらん"という名前は、まるで鈴のような見た目から付いたそうです。控え目な佇まいのすずらんが放つ爽やかで自然なフローラルの香り。昔からすずらんの香りは人々を魅了し、なんとバラ・ジャスミンと並んで"三大芳香花"と呼ばれているんです。
→ 集中力を高める(作業ミス軽減)、疲労感の軽減
ヒノキ
古代から建材としても重宝されてきたヒノキ。現在でも資材として最高品質と言われています。その香り、と言ってもピンとこない人もいるかもしれませんが、アロマの世界ではヒノキは様々な効果を得られる貴重な香料でもあるんです。森林浴を思い起こさせるヒノキの香りは、人の体と心にスッと馴染む自然からの贈り物です。
→ 抗菌作用、消臭効果、リラックス効果、リフレッシュ効果
コーヒー
コーヒーの香りが嫌い、という人はあまりいないのではないでしょうか。とくにコーヒー好きの人なら、カフェに入った瞬間やドリップした瞬間に立ち昇る香りを胸いっぱいに吸い込むだけでウットリしてしまいますよね。
→ リラックス効果、集中力を高める
バニラ
お菓子作りでバニラエッセンスを使ったことがある人なら、あの魅力的な甘い香りはよく知っていますよね。バニラが入るだけでお菓子の風味が格段にアップするもの。あのバニラの香りのもとは、実は植物なんです。バニラの種子(バニラビーンズ)から香りを抽出しています。
→ リラックス効果、ネガティブ感情の軽減
アロマグッズやアロマオイルなど特別なものを揃えなくても、身近にあるもので香りを楽しむこともできます。
また東洋医学にも香りに関する考え方が古典の記述にあり、日本独自の香りの文化があります。
東洋医学と香りについて
東洋医学は症状の原因となる部分を追及し、根本から治療していくことが特徴の一つです。
原因を追及し、身体のバランスを整えることで健康を維持していきます。
東洋医学と聞いて多くの人が連想するのが漢方です。
漢方医学は東洋医学の一つですが、中国の医学をもとに日本で独自の発展を遂げたものであることはご存じですか。
中医学や中薬とは異なり、日本の風土や人々の生活に合わせて発展してきたのが漢方なのです。
次にその漢方の効果を取入れた中に「漢方生薬香」について簡単にご紹介します。
漢方生薬香について
東洋医学の思想をもとに、天然の生薬・ハーブ・炭をふんだんに練りこんだ、心とからだにやさしい天然原料のみの漢方のお香です。
欧米では、医療の分野で認められている精油ですが、日本では未だに雑貨としての立ち位置で、更に日本の香り文化にアロマテラピーを意識したものがほとんどありません。
東洋医学の思想をもとに漢方生薬やハーブなどの天然植物の大いなるチカラを借りて、人間の五感のうち、大脳に直結しているニオイの感覚である<嗅覚>にはたらきかけることで、その効果を生かすことを目的に誕生したのが漢方生薬香です。
漢方生薬香の楽しみ方
自分に合った香りやかたちを見つけてください。
お線香
現在もっとも身近にあるお香が「線香」ではないでしょうか。
線のような棒状のお香の先端に火をつけて香りを楽しみます。
円錐型
「円錐型(コーンタイプ)」のお香は、円錐に積まれたお香の頂点の部分に火をつけて使います。
火が下に進むほど、燃える面積が広くなるので強い香りになります。
下まで燃えるので、こちらの香遣(かやり)やお皿などの上に乗せて使うようにしましょう。
渦巻型
ぐるぐると渦のように巻いている「渦巻型」のお香は、燃焼時間が長いのが魅力です。
広い空間や玄関のように人の行き来が多い場所で使うのに向いています。
匂い袋
袋の中に匂い香が入った「匂い袋」。
そのままの状態で香るので持ち歩くのはもちろん、お部屋に吊るしたり、プレゼントやお手紙に添えたりとさまざまなシーンで使うことができます。
練り香
刻んだ香木などの原料を蜜で練って、丸く固めた「練り香」。
直接火をつけるのではなく、香炉の灰の上に置き、温めて香りを楽しみます。
お茶の席で使われることが多いんだそう。
香木
白檀などの香木となる材料を小さく割ったもので、香炉で炊いて香りを楽しみます。
聞香の他に、お部屋のような空間の中で香りを味わう「空薫(そらだき)」という方法も。
塗香(ずこう)
古くから身体に塗って邪気を払い、心身を清めるために使われてきた「塗香」。
粉末状なのでひとつまみほど指に取り、手や身体に塗って使います。
印香
練り香の一種で、季節の草花や縁起物などの形をした、観賞用のお香です。
そのまま飾ってほのかな香りを楽しんだり、香炉を使って香りを味わいます。
「イライラする」ときや、「ちょっと疲れたな」と思ったときには、ぜひ取り入れてみて下さい。
まとめ
「香り」と一言で言ってもその種類や効果は多種多様です。
良い香りは、嗅ぐだけで気持ちが落ち着いたり、やる気が出てきたりと驚くほど気分転換できます。
「香り」を感じる嗅覚は視覚や聴覚と違って本能に直接作用するので、心や体に働きかける効果は絶大。
「香り」自体は目に見えるものではありませんが、効果的に使用すれば集中力を高めたり、安眠、リラックスできる…などといいことづくめです。
まずは自分が好きだと感じる香りから試してみてはいかがでしょうか。ぜひ、日々の暮らしに「香り」を取り入れてみて下さいね。