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新型コロナウイルス感染対策 免疫力を高める漢方の力
寒い日が続くと、風邪をひきやすくなる方が多くなります。
今年の冬は、新型コロナウイルスも大流行し心配な方が多いのではないでしょうか。
ですが自分自身の免疫力がしっかりしていれば感染しにくくなります。
とはいえ、私たちは日々の生活の中でストレス、睡眠不足、食生活の乱れが原因となり、免疫力は低下しがちです。
免疫力アップには、体を温める、食事や飲酒は控えめに、夜更かしをしないといった日々の養生が大切です。
今回は、免疫力を高まるツボや漢方薬をご紹介します。
漢方の治療は「心身のゆがみを調整し、自然に治る力を高める」ことを目的としているため、それぞれの体質や不調に合わせた漢方薬を内服することで、免疫力アップが期待できます。
漢方の力で免疫力を高めませんか?
免疫力を高めるツボ
カラダが冷えていると自律神経のバランスが乱れ、免疫細胞の活動が低下します。
体温が1℃上がると、免疫力は30%アップするといわれています。
ツボをあたため血行を良くし、免疫力を高めませんか。
免疫力を高めるツボ 中脘(ちゅうかん)
中脘は、お臍(おへそ)からみぞおちまでの中間くらいの位置にあります。
内臓に働きかけ免疫力を上げてくれます。
息を吐きながら、両手の中指の背側面を合わせた状態にして痛くない程度に10回押します。
免疫力を高めるツボ 気海(きかい)
気海は、別名「元気の源」とも言われています。
お臍(おへそ)から約4.5センチ下くらいの位置にあります。
全身の“気”が集まるエネルギーに溢れたツボで、免疫力を回復させる効果があります。
カイロで温めれば全身に血流が巡り、だるさや疲労感を和らげてくれるはず。
いずれも免疫力アップにつながるツボです。
お灸をしてみるのもおすすめです。
免疫力を高めるツボ 足三里(あしさんり)
足三里も免疫力アップにおすすめです。
足三里は、ひざのお皿のすぐ下、外側のくぼみに人さし指をおき、指幅4本そろえて小指があたっている位置にあります。
両手の親指を重ねて、骨の方に押し込むように、親指でグッと力を込めて押します。
健康維持・養生・免疫力を高める効果があります。
免疫力を高める漢方薬
漢方薬は、体に足りないものを補う補剤で、もともと体に備わっている免疫力や造血機能、消化機能を引き出して活性化させる薬剤です。
代表的な補剤には、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)、人参養栄湯(にんじんようえいとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などがあり、手術後や産後の体力回復にもよく使われています。
免疫力を高める 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
体力と気力を補い、元気をとりもどすのを助けてくれます。
冷え症で貧血気味、顔色が悪く、疲労衰弱がひどいとき、あるいは病中・病後、手術後などで体力が弱っているときに用います。
配合生薬
当帰(トウキ)川きゅう(センキュウ)芍薬(シャクヤク)地黄(ジオウ)蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)茯苓(ブクリョウ)人参(ニンジン)桂皮(ケイヒ)黄耆(オウギ)甘草(カンゾウ)
免疫力を高める 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
「人参」を主薬として、栄養状態の改善効果が期待できることから「人参養栄湯」と名づけられました。
病後や手術後、出産後の体力低下、寝汗、手足の冷え、貧血などの症状がある人に用いられます。
十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)と同様に、体が弱っているときに体力などを回復させる「補剤」として広く使われていますが、「人参養栄湯」は咳などの呼吸器症状がある場合に向くとされます。
配合生薬
人参(ニンジン)黄耆(オウギ)当帰(トウキ)地黄(ジオウ)白朮(ビャクジュツ)茯苓(ブクリョウ)芍薬(シャクヤク)桂皮(ケイヒ)陳皮(チンピ)遠志(オンジ)五味子(ゴミシ)
甘草(カンゾウ)
免疫力を高める 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の消化・吸収機能を整えて「気」を生み出し、病気に対する抵抗力を高める薬です。
元気を補う漢方薬の代表的処方であることから、「医王湯(イオウトウ)」ともいわれます。
配合生薬
人参(ニンジン)黄耆(オウギ)蒼朮(ソウジュツ)または白朮(ビャクジュツ)柴胡(サイコ)
当帰(トウキ)升麻(ショウマ)陳皮(チンピ)生姜(ショウキョウ)大棗(タイソウ)甘草(カンゾウ)
生活養生から見た免疫力向上
免疫力を高めるのに大事なことは、睡眠と食事、それに生活のリズムです。
十分な睡眠をとる
寝ている間に、免疫機能、代謝とメンテナンス、呼吸、便を作り大腸の環境を整える、生殖機能の回復、ストレス発散、警戒機能の7つが行われています。
7時間は睡眠時間を確保しましょう。
疲れを感じたらカラダを休め睡眠を十分とるようにしましょう。
バランスのよい食事をする。
たんぱく質、糖質(炭水化物)、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよく食事にとりいれることを意識しましょう。
たんぱく質:生きていく上で重要な栄養素
魚、肉、牛乳、卵、豆などに含まれています。
糖質(炭水化物):カラダを動かすエネルギー源
ごはん、パン、麺類、くだも、はちみつなどに含まれています。
脂質:カラダを動かすエネルギー源
バター、マーガリン、ナッツ類などに含まれています。
ビタミン:カラダの調子を整える
野菜やくだものに含まれています。
ミネラル:カラダの調子を整える
魚介や小魚、海藻、豆類に含まれています
体温を高める
運動や入浴などで体温が上がる状態をつくりましょう。
体温が少し上がると、免疫細胞が動きやすくなります。
風邪をひいたときに熱が出るのは、免疫細胞ががんばっているという意味に捉えることもできます。体温が上がると血流やリンパの流れがよくなり、その流れにのって全身をパトロールする免疫細胞が、侵入してきたウイルスを捕まえやすくなります。
最後に
有効な治療法が確立されないまま感染が広がる新型コロナウイルス。
しかし感染を完璧に防ぐ手段はまだありません。
もし感染したら…その時、未知の疫病から私たちを守る役割を務めるのが「免疫」です。
今回ご紹介した免疫力を高める手段をお試しいただき、感染しにくい身体を手に入れ、皆の力で一日でも早く通常の生活を取り戻しましょう。