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冷え症と血管力について 血管力を上げて冷え性を改善!血液、血管、血流アップ
季節を問わず、冷え症や冷えによる体調不良に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
冷え症とは、手や足・お腹など、身体のどこかに冷えを感じ、不快や苦痛に思っている状態です。
冷え症の原因は、自律神経や心臓、筋肉などのはたらきが関係していると考えられています。特に女性に冷え症が多いといわれていますが、それは月経の影響などで、血が少なくなり全身に熱を運べなくなったり、お腹の血流が滞りやすくなったりすることも理由とされています。
男性の場合は、運動不足による筋肉の減少やストレス、生活習慣病による動脈硬化などがかかわっている場合が多いといわれています。
冷え症をそのままにしておくと、頭痛や肩こり、不眠、貧血、肌あれ、婦人科トラブル、また年齢に関係なく更年期のような症状があらわれるなど、様々な不調を引き起こす恐れがあります。
「冷えは万病のもと」とも言われています。
中医学では、血管力の低下が冷えの原因と考えます。
血管力とは、
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血管全体がしなやかさを保ち
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血管の内壁はなめらかで
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血液をスムーズに循環させることのできる血管の力を言います。
いつまでも健康でいる秘訣は、血管を老化させないことです。
血管力を高めることで冷え症が改善されます。
自分の冷えのタイプを知り、漢方薬や食養生を積極的に生活に取り入れ、冷え症を改善しましょう。
血管力の低下と冷え症
血管がしなやかで、汚れがなければ血液はスムーズに流れますが、血管が硬くて内壁に亀裂が入っていたり、血管内に脂肪やコレステロールが付着していると、血液の通り道が狭くなったりしてしまいます。
また、血液自体もドロドロ血だと流れにくくなります。
血流とは血の流れのことですが、エネルギー不足だと血液が体の隅々まで届きません。
このような状態を中医学では、瘀血(おけつ)と言います。
瘀血(おけつ)とは、体に必要な栄養分を隅々まで送り届ける「血」の流れがスムーズに行かず停滞している事を言います。
手先や足先がいつも冷たい人は、血管力が低下したことによる「瘀血(おけつ)」状態かも知れません。
血管力をチエックしてみましょう
次のような症状があると血管が弱っている可能性があります。
自分では冷え性でないと思っていても、隠れ冷え性かも知れません。
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体温が36℃以下である。
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手先や足先がいつも冷たい。
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慢性的な肩こりや腰痛がある。
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頭痛持ちだ。
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便秘がちである。
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メタボ気味だ。(腹囲が男性85㎝、女性90㎝以上)
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運動習慣がない。
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足のしびれやこむら返りがよくおきる。
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甘い食べ物が好き。
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ストレスが多い。
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喫煙している
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毎日お酒を飲む
チェック項目が多いほど、血管力が低下していることが考えられます。
次に紹介する改善法を実践して、血管力をUPさせ冷え症を改善しましょう。
血管力UPで冷えを改善する方法
①冷えの症状別 血管力UPに効果的な漢方薬
全身が冷える
体を温める力や新陳代謝が低下した状態です。
その結果、全身が冷えるタイプ。食欲や気力が失われ、疲労感や倦怠感が生じます。
長年の冷えにより、手足も内臓も冷えている状態です。
<漢方薬>
手足が冷えやすく、食欲不振の人には「六君子湯(リックンシトウ)」
おなかが冷えて痛み、腹部膨満感の人には「大建中湯(ダイケンチュウトウ)」
手足が冷える
手足の先まで血液が循環しないことから、手足に冷えている状態です。
10~20代女性に最も多く、疲労や無理なダイエットが背景にある可能性があります。
しもやけや立ちくらみ、ニキビ、月経トラブルが起こりがちで、筋肉量も低下しています。
<漢方薬>
足腰の冷え症に「当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)」、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)」
上半身は熱いが下半身が冷える
気や血のめぐりが悪く、滞った状態で上半身がのぼせて、下半身が冷える状態です。
顔のほてりで冷えとは気づきにくいため注意が必要です。
イライラ、頭痛、顔のほてり、肩こり、肌荒れのほか、月経トラブルや便秘が起こることもあります。
<漢方薬>
足が冷えてのぼせる人は、「桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)」
ストレスで冷える
ストレスで自律神経に影響が出て、血流が悪くなっている状態です。
疲れているのに眠れない、集中力がなくイライラする、食欲不振、胃痛、息が吐きづらいなどの症状が見られます。
<漢方薬>
イライラする人の冷え症や不眠症の人は「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」
②血管力UPに効果的な運動
しなやかな血管を保つには、食事で摂取エネルギーを制限するだけでなく、運動をすることで消費エネルギーとのバランスを上手にとることが必要になります。
運動の中では「有酸素運動」と「筋力トレーニング」が有効です。
有酸素運動は、ウォーキング、水中歩行、サイクリング等、少し息が弾むくらいを目安に、1日30分以上行うようにしましょう。
筋肉トレーニングは、スクワットやレッグレイズ、かかと上げ下げ等、年齢とともに衰えがちな筋肉を鍛えることで運動機能と血流が高まります。
また、入浴時の太もも、ふくらはぎ、ひざ、足首のマッサージも、血流が促進するので、丈夫な血管を維持するのに有効です。
③血管力UPに効果的な食材
羊肉、鹿肉、エビ、サケ、タコ、ニンニク、ニラ、ネギ、タマネギ、ショウガ、カボチャ、サクランボ、もち米、酒粕、味噌、焼酎、日本酒、八角、コショウなどです。
食材は体を温める陽の食材と、体を冷やす陰の食材に分けられますが、一般的に黒砂糖や黒豆、黒ゴマなどの黒い食材が体を温め、白砂糖や白米などの白い食材が体を冷やすと言われています。
体を冷やす食材を料理に使う場合は、ショウガやネギ、ニンニク、唐辛子、八角、サンショウ、シナモンなどのスパイスを使うと温め食材になります。
その他にも血行をよくするスパイスには、カルダモン、クローブ、クミン、コリアンダー、ローリエ、フェンネルなどがあります。
④血管力UPに効果的な薬膳レシピ
おススメ!グリーンカレー(2人分)
春菊、セロリ、ふきのとう、三つ葉を適宜入れてミキサーにかけ、タマネギ1個ははみじん切りにし、イカ1杯は内臓を取り除き輪切りにしておきます。
タマネギとイカはオリーブオイルで炒めミキサーにかけた野菜とクミンパウダー、コリアンダーパウダー、ナンプラー、シナモン少々、ローリエ1枚を入れて煮ます。
ちなみに夏は、トマトや赤のパプリカなどを使ったレッドカレーが、秋にはタマネギや大根、長いもを使ったホワイトカレーが、冬はカボチャやニンジンなどを使ったオレンジカレーが体を元気にすると言われています。
その他にもイカスミや黒豆、黒ゴマなどを使ったグラックカレーは更年期障害などにも効果があります。
スパイスや食材の効能を知って、季節や体調によって薬膳カレーを作り分けると、冷え性を改善することができます。
薬膳カレーを作ったものの味がどうも口に合わないと思うときは、クルミやアーモンド、カシューナッツ、松の実などを刻んでトッピングすると美味しくいただけます。
まとめ
慢性的な冷え性を自認する人の多くが、血管力が衰えている可能性があります。
血管力を高めるには、簡単なストレッチを習慣にしたり、体を冷やす食べ物を控えたり、メタボ気味ならなるべくアクティブに暮らして、適正体重に戻すことが大事です。
漢方薬や薬膳を日々の暮らしに上手に取り入れて、ポカポカ体質としなやかで丈夫な血管、質の良い血液と勢いのある血流をめざしましょう。