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マスク着用で熱中症のリスク増加 熱中症対策に効果的なクールダウン食材と漢方薬

熱中症対策について

 

近年、猛暑と言われる日が多くなり、熱中症になる方が多くなっています。

熱中症が起きるのは炎天下の中に長時間いるときだけではありません。

 

特に今年は、新型コロナウイルスの感染防止の基本であるマスクの着用が引き続き求められています。

 

マスクを着用すると熱中症の恐れが高まると指摘もあります。

 

そこで今回は、新しい生活様式の中で熱中症に備えるにはどうしたら良いのか、少しでも熱中症のリスクを軽減できる予防対策を紹介します。

 

 

 

熱中症はなぜ起こるのか

 

熱中症は、身体にこもった余分な熱が大きく関係しています。

 

特に今年の夏は、マスクで顔に熱がこもり、身体が必要以上に温められ、体内に余分な熱がこもりやすくなります。

 

このこもった余分な熱が原因でさまざまな身体のトラブルが起こします。

 

 

 

熱中症など余分な熱で起こる身体の症状

 

身体に余分な熱がこもっていると、色々なトラブルを引き起こします。

 

余分な熱で起こりやすい症状

  • 顔が赤い

  • のぼせる

  • 頭がぼーっとする

  • 身体が火照る(発熱)

  • 大量の発汗(脱水)

  • のどがやたら渇いて冷たい飲み物を欲する

  • 脈拍が早い

  • めまい

  • 目の充血・目が赤く腫れて痛い

  • 尿が少ない

  • 便秘傾向

  • 不眠

  • 気持ちが落ち着かない・ハラハラする(煩躁)

  • 怒りっぽい・興奮しやすい

  • 口や舌に出来物ができる・歯茎が腫れる

 

もし、こんな症状ある時は、あなたの身体に余分な熱がこもっているかもしれません。

 

 

 

身体の熱を確認する方法

 

熱中症を未然に防ぐためには、あなたの身体に余分な熱がこもっているかどうかを知ることが大切です。

 

漢方の知恵を使えば、それを簡単に知ることができます。

 

チェックするのは、「尿」と「舌の色」です。

 

あなたの今の熱の状態を知るためにも小まめにチェックしましょう。

 

 

熱中症の尿チェック方法

 

健康な尿の色は「薄い黄色」と言われています。

 

しかし、身体に余分な熱がこもると、その色はだんだん濃くなり「黄色やオレンジ色」に変化します。

また、尿量も少なくなり、臭いも強くなる傾向にあります。

 

尿の色が濃くなったら余分な熱がこもり始めているサインです。

身体が冷えて熱が少なくなったときはその逆で、だんだん色が薄くなり、無色透明に近づき、

尿量も増え、臭いも弱くなる傾向があります。

 

濃い黄色やオレンジ色から薄い黄色になれば、余分な熱が抜けたサインです。

 

もし、透明なら逆に冷やしすぎてしまっているかもしれません。

 

 

熱中症の舌チェック方法

 

健康な舌の色はマグロのトロのようなうすいピンク色と言われています。

 

尿と同様に身体に余分な熱がこもると舌の色も濃くなり赤色に近づきます。

舌の色が赤くなって来たら余分な熱がこもり始めているサインです。

 

逆に身体が冷えて熱が少なくなると舌の色がだんだん薄くなり白色に近づきます。

常に白色の舌の場合は、冷えすぎているかもしれません。

 

 

 

熱中症と体温調節機能

 

体温調節機能

 

通常、身体に必要以上に熱がこもると、体温調節機能が察知して余分な熱をクールダウンしようと働き、汗を使って体内の余分な熱を体外へ発散します。

 

しかし、体温調節機能が正しく働かないと、身体に余分な熱がどんどんこもりやすくなってしまいます。

 

最近、体温調節機能が正常に働かない人、つまり、うまく汗をかけない人が増えています。

 

その一番の原因は汗腺の衰えです。

 

 

汗腺の衰えの原因とは

 

汗腺の衰えには 大きく2つの要因があります。

「汗腺の老化」と「汗をかかない生活習慣」です。

 

窓の開閉にチカラが要るように、汗腺を開閉し発汗するのにもチカラが必要です。

 

 

汗腺の老化

 

高齢になり体力が落ちると、汗腺を開閉するチカラも落ち、うまく発汗できなくなります。

 

そのため、体熱がうまくコントロールできず、身体に余分な熱がこもりやすくなってしまいます。

 

高齢者に限らず、慢性疲労や虚弱体質など体力が落ちた状態も同様で、疲れたときに熱中症などのトラブルになりやすいのもそのためです。

 

 

汗をかかない生活習慣

 

運動しないと身体がなまるように、汗腺もまた使わないと機能が衰えます。

 

空調完備の生活や運動不足などにより、近代社会では汗をかくことがとても少なくなり、

そのため汗腺を使う機会が少なくなり、汗腺の機能が衰えやすい環境にあります。

 

汗腺の機能の衰えは、大人だけでなく子供にも広まっています。

 

汗腺の働きは3歳頃までの生活環境で決まると言われており、その間に汗腺をどれだけ鍛えたかによってその後の発汗力が左右されると言われています。

 

冷房もなくうちわや扇風機で過ごし、体を動かして汗だくになって遊びまわっていた昔に比べ、冷房完備でゲームなど室内遊びが多くあまり体を動かさなくなった現代では、乳児期だけでなく幼少期にも汗腺を使う機会が少なく、汗腺の機能が発達しづらい環境です。

 

そのため、発汗力が弱く体をクールダウンできず、昔に比べて熱中症になりやすい傾向にあるとも言われています。

 

 

熱中症の予防策

 

熱中症の予防漢方

 

熱中症など余分な熱によるトラブルを予防するためには、こまめな水分補給や汗腺を鍛えて発汗力をUPさせることが大切ですが、食事や漢方薬で熱中症のトラブルを予防することもできます。

 

 

熱中症対策におすすめの食材

 

夏が旬の食べ物

 

夏が旬の食べ物や南国の食べ物は、冷房のなかった時代に身体をクールダウンして暑い夏を乗り切るために代々伝わってきた食べ物で、その多くに身体を冷やす働きがあると言われています。

 

トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、ズッキーニ、レタス、アスパラガスなど瑞々しい夏野菜は汗をかいた後の水分補給にもピッタリです。

 

スイカやバナナ、キウイフルーツ、パイナップル、メロンなどのフルーツもクールダウンに最適です。

 

 

苦味のある食べ物

 

漢方や薬膳では、苦味のある食材には身体を冷やす働きがあると考えています。

苦味のある葉物野菜やゴーヤ、セロリなど、暑い夏は苦味の食べ物も積極的に食べるようにしましょう。

 

 

 

熱中症対策におすすめの漢方薬

 

麦門冬湯

 

漢方では身体を潤す力のある体液のことを「陰液」と呼んでいます。

この陰液をしっかり補い補充することが必要になります。

 

ミネラル補給できるスポーツドリンクなどに麦門冬湯を溶かして摂取することで効率の良い陰液を補充することができます。

 

構成生薬

バクモンドウ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン、コウベイ

 

 

清暑益気湯

 

高い湿度のために汗もジットリとし、なかなかすっきりとした発汗ができないこともしばしばです。

 

そうした場合には、体内に滞っている水分を排出しながら、必要な水分を補充し、同時に損失したエネルギーの補強できる清暑益気湯がおススメです。

 

構成生薬

ソウジュツ、ニンジン、バクモンドウ、オウギ、チンピ、トウキ、オウバク、カンゾウ、ゴミシ

 

 

五苓散

 

夏場は冷たいものを多く摂りがちになります。

冷たいものの摂取過剰で体の内部が冷えすぎると、体内バランスが変調し、体の中を流れる水分流通が悪くなります。

 

結果として体内に水分の偏在が発生し、体が重く、だるくなったり、浮腫んだり、お腹がポチャポチャ鳴ったりします。

 

このような場合には水分を体外に排出し、体のバランスを回復させ、水分の良好な流れを取り戻すことができる五苓散がおススメです。

 

構成生薬

タクシャ、ソウジュツ、チョレイ、ブクリョウ、ケイヒ

 

 

四君子湯

 

汗を大量にかいて、ヘトヘトになった経験をお持ちの方も多いと思います。

漢方では、このような状態を「気」が失われた状態と判断し、「気」を補強する必要があると考えます。

 

四君子湯は、失われた気を補充する漢方薬として用いられています。

 

構成生薬

ソウジュツ、ニンジン、ブクリョウ、カンゾウ、ショウキョウ、タイソウ

 

 

 

まとめ

 

今年は特にマスクの着用で身体に熱がこもりやすくなり、熱中症のリスクが高まります。

何より大切なことは、身体に熱をこもらせないことです。

 

熱中症を予防できる「体温調節機能の強化」、「尿と舌の色をチェックで身体の熱の状態を確認」、「クールダウン食材や漢方薬」を上手く取り入れ、熱中症を予防しましょう。

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