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更年期障害の症状を緩和する男女別漢方薬と生活改善について

更年期障害と漢方薬

 

おおよそ45~55歳ごろの時期を更年期と言います。

これまで更年期といえば、女性だけと思われてきましたが、実は男性にも更年期があります。

 

女性の場合は、エストロゲンという女性ホルモン、男性ではテストステロンという男性ホルモンが、45~55歳の更年期になると減少し、身体に変化が生じます。

 

更年期障害とは、これらのホルモンバランスの変化によって引き起こされる症状が重く、生活に支障をきたしている状態のことを言います。

 

最近では、ホルモンバランスの他に、ストレスや生活環境も更年期障害に深く係わっていると解ってきました。

 

今回は、更年期障害の症状を和らげる漢方薬と生活習慣についてご紹介します。

 

 

女性の更年期障害について

 

日本人の閉経平均年齢は50歳と言われています。

43歳未満での閉経は「早発閉経」といい、個人差はありますが、多くの方が45歳から55歳あたりに「更年期」を迎えています。

 

更年期にあらわれる症状は、この女性ホルモンの減少が原因の一つです。

 

女性の更年期障害の主な症状は、

 

ほてり・のぼせ・手足の冷え・発汗・頭痛・めまい・不眠・しびれ・どうき・肩こり・腰痛・疲労感・憂うつ・イライラなど、多くの症状がみられ、とくにほてり・のぼせ・発汗は女性ホルモンの欠乏と深い関係があり、その結果、全身の疲労感や頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、不安感、イライラ感などの、心身の不調があらわれます。

 

 

男性の更年期障害について

 

男性には、女性の閉経のようなはっきりとした節目はありません。

男性の場合は、女性と違い、必ずしも性ホルモンの減少が伴うわけではありません。

体力の低下や周囲の環境など、他の要因も大きく影響しています。

 

女性の更年期障害は症状が急に現われるのに対し、男性では徐々にあらわれるのも特徴です。

 

男性の更年期障害の主な症状は

 

憂うつ・イライラ・不眠といった精神症状があらわれやすい傾向があります。

その他に、疲労感・ほてり・発汗・しびれなどがあげられます。

 

また、女性にはそれほどみられない、性機能の低下を伴う場合も多くあります。

 

男女共に、ホルモンの減少が更年期障害の症状に関係しています。

 

 

次に、更年期障害の症状を和らげる方法についてご紹介します。

 

 

更年期障害の症状を和らげる方法について

 

更年期障害の改善と漢方薬

 

西洋医学では、不足した女性ホルモンを補充し、症状を緩和するホルモン剤やイライラや抑うつなど、精神神経症状を緩和する抗不安薬、睡眠薬が処方されます。

 

ホルモン補充は、急激なエストロゲンの減少に対して、必要最小限のホルモンを補充することで、その変化の幅をゆるやかにし、スムーズに閉経したあとのホルモン環境に体を慣らしていく手助けをしてあげる治療方法です。

 

しかし、乳房の張りと痛み、胃が重い、吐き気、頭痛などの副作用を伴うこともあります。

 

また、乳がん、子宮がん(子宮体部がん)の方、血栓症の治療薬を処方されている方や、糖尿病の方で、血糖降下剤を服用されている方は、ホルモン治療により悪化する恐れがある為、原則的にホルモン補充療法は行えません。

 

 

漢方では、原因を探るために「四診」と呼ばれる診察を行い、女性更年期障害、男性更年期障害の症状タイプ別に更年期症状を和らげる、副作用の心配が少ない漢方薬を用います。

 

更年期症状は人それぞれです。

 

症状によって漢方薬を使い分けることで、より効果がえられます。

 

次に、更年期障害の男女別、症状別に効果的な漢方薬をご紹介します。

 

 

 

女性更年期障害の症状に効果的な漢方薬

 

ホットフラッシュ、発汗、動悸に効果的な漢方薬

 

加味逍遥散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、通導散(つうどうさん)、女神散(にょしんさん)などです。

 

 

肩こりに効果的な漢方薬

 

葛根湯(かっこんとう)、大柴胡湯(だいさいことう)、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)などです。

 

 

目まい、頭痛に効果的な漢方薬

 

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)、防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)、五苓散(ごれいさん)などです。

 

 

疲れに効果的な漢方薬

 

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、清心蓮子飲(せいしんれんしいん)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などです。

 

 

冷えに効果的な漢方薬

 

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などです。

 

 

イライラに効果的な漢方薬

 

抑肝散(よくかんさん)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、大柴胡湯(だいさいことう)などです。

 

 

うつに効果的な漢方薬

 

香蘇散(こうそさん)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)などです。

 

 

不眠に効果的な漢方薬

 

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)、酸棗仁湯(さんそうにんとう)などです。

 

 

 

男性更年期障害の症状に効果的な漢方薬

 

手足の火照りに効果的な漢方薬

 

六味丸(ろくみがん)

 

 

冷えの症状が強い人に効果的な漢方薬

 

八味地黄丸(はちみじおうがん)

 

 

4冷えや足のむくみや肌の乾燥が強い人に効果的な漢方薬

 

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

 

 

メタボな体型で、ストレスでイライラする症状が多い人に効果的な漢方薬

 

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

 

 

悩みが多く体力的に弱い人に効果的な漢方薬

 

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

 

 

短気の傾向がありイライラする人に効果的な漢方薬

 

抑肝散(よくかんさん)

 

 

不安で不眠傾向が出る人に効果的な漢方薬

 

加味帰脾湯(かみきひとう) 酸棗仁湯(さんそうにんとう)

 

 

漢方薬には複数の症状に効くにものも多くあり、副作用が比較的少ないので、安心して用いることができます。

 

専門の薬剤師が常駐するドラッグストアや漢方薬局でアドバイスを受けて、自分の症状にあった漢方薬を飲むことで、症状は少しずつ改善できるはずです。

 

 

次に、更年期障害の症状を和らげる生活習慣の改善方法についてご紹介します。

 

 

 

更年期障害の症状を和らげる生活習慣の改善方法について

 

更年期障害の改善生活

 

更年期にホルモンが減少することは、前述にご紹介しました。

 

ホルモンが減少してくると、脳はホルモンをなんとかして回復させようとします。

 

しかし、その指令に身体が答えることができず、脳は混乱てしまい、自律神経のバランスや感情面なども一緒に乱れてしまいます。

 

自律神経の乱れは、生活習慣や気持ちの持ち方、食事など、自分自身の工夫である程度整えることができます。

 

今の生活を見直し、食事や睡眠、運動、入浴などを見直すことでも血のめぐりがよくなり、更年期症状が軽減されます。

 

 

食事の改善

 

更年期に不足しやすい血や気を養う良質のたんぱく質を、しっかり摂るようにしましょう。

 

豚肉や鶏肉、大豆製品をバランスよく摂るとともに、イワシやサバなどの青魚や葉物野菜やキノコ類などもおすすめの食材です。

 

大豆に多く含まれているイソフラボンは、体内でエストロゲンと同じ働きをする物質として知られています。不定愁訴の改善だけでなく、骨量を増やしたり、コレステロール値の上昇を抑える作用もあるので、更年期の女性には欠かせない食品です。大豆の煮豆や納豆、豆腐、おからなどの大豆食品を積極的にとりましょう。

更年期に起こりやすい骨粗しょう症の予防には、カルシウムとその吸収を助けるビタミンDとKも一緒に摂ると効果があります。

 

 

睡眠の改善

 

更年期の女性のふたりにひとりが不眠に悩んでいるようですが、更年期障害による自律神経の乱れなどから、睡眠障害になりやすいといわれています。

 

更年期の女性の睡眠の特徴は、実際は眠っているのに眠れた実感がないといった人が多いことです。

 

対策としては、夜はあえて眠くなるまで起きていて、 その日はたとえ睡眠時間が短くてもいつも通り6時なら6時に起きるようにします。

 

朝の光を浴びると体内リズムが整うので、起床時間を一定にすることが大事です。

 

 

運動の習慣

 

朝は、ウオーキングなどの有酸素運動を、昼間はスクワットなどの無酸素運動を、就寝前にストレッチなどで筋肉をほぐす軽めの運動をして、体を適度に疲れさせると眠りやすくなります。

ストレスが続いている時は、ストレスホルモンなどの影響で呼吸が浅くなり、血液の流れも悪くなっています。

 

1日を通じて深い呼吸を何度か繰り返し、心身をリセットする習慣をつけましょう。

 

 

入浴方法の改善

 

38度から39度のお湯に10分ほど浸ると、体の芯まで温まります。

 

シャワーだけですませるとリラックス効果が得られないので、なるべく湯船につかるようにしましょう。

 

また、シャワーですますときは、熱いお湯を肩とお腹、腰、お尻、足先にあて、次に全身を水でシャワーし、もう1度同じことをくり返します。

 

心臓の弱い人は、冷たい水でのシャワーはさけ、熱いお湯で冷えやすいところを十分温めてからお風呂から出るようにしましょう。

 

 

 

まとめ

 

今回は、更年期障害についてご紹介しました。

 

「もうこの苦しみから一生抜け出せないのでは?」などと不安になることもありますが、自分に合った改善方法を見つけ、「これも人生の節目のひとつ」と割り切り、できるだけ淡々と過ごすようにしましょう。

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