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新型コロナウイルス無症状と重症化の違いとは 無症ない人は約50%もいる 

新型コロナ重症化リスク

 

新型コロナウイルスは、感染力が非常に強く無症状患者が多いことがわかっています。

 

横浜港に停泊したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号において、クルーズ船乗員3,711人のうち712人(19.4パーセント)の感染が確認され、その内の331人(約46.4%)は無症状であったことが確認されています。

 

またアメリカの原子力空母「セオドア・ルーズベルト」において、船員4,845人のうち856人(17.7パーセント)の感染が確認され、アメリカ海軍とアメリカ疾病管理予防センター(CDC)が感染者856人を調査したところ、約50%の感染者は、まったく症状のない無症状患者だったという結果が出ています。

 

新型コロナウイルスに感染しても、まったく症状のない無症状の人と症状が現れる人の違いはいったい何なのでしょうか?

 

また症状が現れても、軽症の人と重症化してしまう人の違いは何なのでしょうか?

 

今回は、新型コロナウイルスの症状と重症化のリスクについてご紹介します。

 

 

新型コロナウイルスの症状について

 

コロナ症状

 

新型コロナウイルスの特徴として、感染してから約4日(最大14日)後に風邪のような微熱を含む発熱、咳、ノドの痛みなどの症状が現れることがわかっています。

 

その他にも頭痛、だるさ、関節痛・筋肉痛などの症状がみられ、風邪やインフルエンザによく似た症状があり、症状が続く期間が風邪やインフルエンザと比べて長いという特徴があることもわかっています。

 

またもう一つの特徴として、嗅覚障害・味覚障害を訴える患者さんが多いことも分かってきました。

 

風邪や副鼻腔炎、花粉症が原因で嗅覚異常・味覚障害が起きることもあるので、嗅覚障害・味覚障害が起きたから新型コロナウイルスに感染したとは限りませんが、イタリアからの報告によると新型コロナウイルス患者者59人のうち、20人(33.9%)で嗅覚異常または味覚異常がみられたとのことです。

 

また中国の新型コロナウイルス感染症の患者1,099人に対して調査を実施した結果

 

  • 発熱 88%

  • 咳 68%

  • 倦怠感 38%

  • 痰 33%

  • 息切れ 19%

  • 筋肉痛、関節痛 15%

  • 喉頭痛 14%

  • 頭痛 14%

  • 悪寒 11%

  • 鼻づまり 5%

  • 嘔気、嘔吐 5%

  • 下痢 4%

  • 結膜充血 1%

 

 

症状であったことが報告されています。

 

本当に風邪やインフルエンザによく似た症状ですが、これらの症状が現れた場合は、すぐに保健所や市町村に相談するようにしてください。

 

 

新型コロナウイルスの重症化の割合とリスク

 

重症化リスク

 

発症してから1週間程度は発熱、咳、ノドの痛み、関節痛・筋肉痛、嗅覚障害・味覚障害のような軽微な症状が続き、その後、肺炎の症状(咳・痰・呼吸困難など)が強くなり、重症化してしまう人は、症状が現れた人の約14%程度と言われています。

 

中国の40,000人の感染者の解析によると、

  • 患者の8割は重症化に至らず治癒

  • 数日~1週間後に約2割弱の患者が、肺炎の症状が起こり悪化し入院

  • 約5%の症例で集中治療が必要になりICUに入室

     

 

と報告されています。

 

 

新型コロナウイルス重症化のリスク

 

新型コロナウイルスの重症化リスクは、年齢だけでなく、持病を持つ方も重症化しやすいことが分かっています。

 

中国での約45,000人統計では、持病のない患者と比較して、「がん」、「高血圧」、「慢性呼吸器疾患」、「糖尿病」、「心血管疾患」の患者では致死率が高いことが分かっています。

 

またイタリアでも、新型コロナウイルスで亡くなられた患者355人を調査した結果、355人中3人(0.8%)の患者が無疾患、89人(25.1%)の患者が単一の疾患、91人(25.6%)の患者が2つの疾患、172人(48.5%)が3つ以上の持病を持っていて、平均2.7の持病を持っていたことが報告されています。

 

  • 虚血性心疾患の人 117人(30%)

  • 糖尿病の人 126人(35.5%)

  • 活動性のがんの人 72人(20.3%)

  • 心房細動の人 87人(24.5%)

  • 認知症の人 24人(6.8%)

  • 脳卒中の病歴があった人 34人(9.6%)

 

 

また持病を持っている人以外でも、重症化のリスクが高いことがわかってきました。

 

 

持病以外の重症化のリスク

 

重症化のリスク① 肥満

 

ニューヨーク市で診断された393人の患者のうち、35.8%に肥満(ここではBMI30以上と定義)があり、人工呼吸管理が必要となった患者のうち43.4%が肥満であったとのことで、重症化のリスクとして肥満の可能性が指摘されています。

 

さらに60歳未満の肥満は重症化のリスクであるとする報告も出ています。

 

肥満の方の多くが、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの持病を持っていることが多いので、肥満そのものというより、肥満に関連した持病が重症化のリスクになっているのかもしれません。

 

一方、肥満によって横隔膜が圧迫され、肥満のない人に比べて肺の換気が十分できないために早期に人工呼吸管理が必要になる可能性もあるかもしれません。

 

 

重症化のリスク② 性別

 

女性よりも男性の方が重症化のリスクが高い可能性も指摘されています。

 

イタリアで亡くなった355人のうち、女性が3割、男性が7割であったと報告されています。

 

基本的にイタリアの男女比は1:1のはずですので、この死亡者の男女比の偏りはただごとではありません。

 

また中国でも、亡くなった患者のうち男性の割合は73%であったと報告されています。

 

男性であること自体が直接重症化と関連しているのか分かりませんが、これまでの報告からは女性よりも男性の方が重症化しやすいと言えそうです。

 

 

重症化のリスク③ 喫煙

 

喫煙が新型コロナの重症化であるという報告も出てきています。

 

日本禁煙学会は「喫煙歴がCOVID-19肺炎の最大の重症化因子」として、これまでの喫煙と新型コロナに関する情報を公開しています。

 

ここで紹介されている中国の論文では、78人の新型コロナ患者を検討したところ喫煙歴によって約14倍重症化しやすいとのことです。

 

しかしこの論文は患者数が少なく十分とは言えません。

 

またイタリアでは24%が喫煙者であり、この高い喫煙率がイタリアでの高い致死率の要因の一つではないかと指摘する専門家もいるようです。※日本の喫煙率は17.8%(2018年)

 

喫煙と新型コロナウイルスとの因果関係は定かではありませんが、喫煙は様々な疾患の要因や状態を悪化させる原因になりますので、健康増進法も改正されたこの機会に、禁煙してみてはいかがでしょうか。

 

 

重症化のリスク④ 米国疾病予防センターの定義

 

CDC(米国疾病予防センター)は、重症化のリスクが高い人として、以下のように定義しています。

 

  • 65歳以上の人

  • 老人ホームや介護施設に住んでいる人

  • 慢性呼吸器疾患、中等度~重症の気管支喘息

  • 重篤な心疾患

  • 免疫不全患者:免疫不全の状態を引き起こす原因としてがんの治療、喫煙、骨髄移植、臓器移植、HIV感染症、ステロイドやその他の免疫抑制薬の長期使用など

  • 重度の肥満(BMI40以上)

  • 糖尿病

  • 透析・慢性腎疾患

  • 肝疾患

 

重症化のリスクをご紹介しましたが、感染しなければ重症化にもなりません。

重症化のリスクの高い人、重症化のリスクが高い人のご家族の等が注意することで、感染のリスクは軽減できます。

 

 

当たり前のことですが、

 

  • 外出を控える

  • こまめに手を洗う

  • 人との距離を保つ(2メートル以上)

  • よく触る物はこまめに消毒する

  • 免疫力をつける

 

等に気を付け、少しでも感染のリスクを軽減しましょう。

 

 

 

まとめ

 

今回は新型コロナウイルスの症状と重症化リスクについてご紹介しました。

新型コロナウイルスに感染した人の約50%は、無症状で感染にも気が付かないそうです。

これ以上感染を拡げることなく、緊急事態宣言を一日も早く終わらせる為にも、今は不要不急の外出は控え、我慢しましょう。

 

ストレスで押しつぶされそうになった時は、時間がある「今しかできないこと」を考え・想像し、やってみてはいかがでしょうか。

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