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新型コロナウイルスの弱点は太陽光と湿度と免疫力 太陽光と免疫力との関係
米国土安全保障省は4月23日、「太陽光や紫外線には、物質の表面と空気中の両方に存在するウイルスを不活性化する作用があるとみられる」「特に直射日光に弱く、温度と湿度が高い環境下では威力が弱まる」という実験結果を公表しました。
一方、新型コロナウイルスは乾燥した暗い室内では、より長く生存するとしています。
詳しいメカニズムは分かっていないですが、ウイルス対策に役立つ可能性があるとして、トランプ大統領も関心を持っているようです。
実験結果によると、ドアノブやステンレス製品の表面に付着したウイルスが半減するまでに要する時間が、
- 気温21~24度で湿度20%の場合では、18時間
- 気温21~24度で湿度が80%に上昇した場合では、6時間
- 2に太陽光を加えた場合では、2分
また空気中に浮遊したウイルスが半減するまでに要する時間は、
- 気温21~24度、湿度20%の場合では、1時間
- 1に太陽光を加えた場合では、1分半にまで減少したそうです。
気温が上がり湿度の高くなる夏には「感染を減らすことができる環境を生み出すだろう」と結論付けていますが、夏まではあと数か月あります。
新型コロナウイルスの弱点は太陽光と湿度だということですが、ここまで新型コロナウイルスが蔓延している要因の一つに、現代人の免疫力低下が関係していると考えられています。
今回は、人間に備わっている免疫力とウイルスについてご紹介します。
人間に備わっている免疫力も太陽光と大きく関係しています。
人間に備わっている免疫力とウイルスについて
昔の人は、自然の恩恵を受け、自然とともに生活し、自己の免疫力でしかウイルスと戦うすべを持っていませんでした。
現代人の置かれている環境は、あまりにも便利な世の中となり、また24時間社会と呼ばれ、1日中どこかで活動が維持され、不規則な生活に陥りやすく、ストレスも多いのが特徴です。
また、きれいで衛生的な生活環境が整っていますから、ウイルスに侵される機会は少なくなっています。
こうした環境の変化によって、現代人の免疫力は昔の人に比べて低下していると言われています。
昔の人に比べ免疫力が低下している状態で、ウイルスにかからないための大原則として、
- 人との接触を極力避ける
- うがいや手洗い
- マスクにより外からのウイルスウイルスの侵入を防ぐ ことが大切です。
しかし、これらの対策によって、ウイルスが体に侵入するのをある程度減らすことはできても、完全に防ぐことはできません。
やはりウイルス対策には、たとえウイルスに接触しても感染させない、感染しても病状を悪化させないように、免疫力を高めておくことがとても重要です。
では次に、人間に備わっている免疫力とは何かについて簡単にご紹介します。
人間に備わっている免疫力 自然免疫と獲得免疫
私たちの体には自然免疫と獲得免疫の2つの免疫力があります。
自然免疫とは
自然免疫を担当する主な細胞には、NK細胞、マクロファージの2種類があり、体内に入ってきた病原菌やウイルスに対して、体のなかにウイルスが入り込んでこないか24時間休むことなくパトロールし、ウイルスを見つけたら直ちに攻撃を仕掛る細胞です。
また、体内にウイルスウイルスが入ったことを、警報を鳴らして獲得免疫に知らせる役割もあります。
自然免疫細胞 NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の役割
体の中に入り込んできたウイルスやウイルスに侵された細胞を攻撃する役割を持っています。
自然免疫細胞 マクロファージの役割
体の中に入り込んできたウイルスを直接破壊する役割を持っています。
次に、もう1つの免疫力を担当する細胞、獲得細胞について簡単にご紹介します。
獲得免疫とは
獲得免疫を担当する主な細胞には、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、B細胞があり、自然免疫を担当する細胞からの情報やウイルスの攻撃で得た情報をもとに、経験値を高めていくタイプの免疫力です。
獲得免疫細胞 ヘルパーT細胞の役割
体の中に入り込んだウイルスを攻撃破壊した自然免疫のマクロファージからの情報をもとに、キラーT細胞とB細胞にウイルスの攻撃指令を出す細胞です。
獲得免疫細胞 キラーT細胞の役割
ウイルスに侵された細胞やガンになってしまった異常な細胞を見つけ処理する細胞です。
獲得免疫細胞 B細胞の役割
ヘルパーT細胞から受けた取った情報で、ウイルスの特徴に合わせた抗体を作る細胞で、その抗体がウイルスを攻撃して無力化させます。
獲得免疫の防御力は強力ですが、情報を集めるのに時間がかかるために、ウイルスに対して防御態勢を整えるまでに少し時間がかかってしまいます。
獲得細胞がウイルスを防御するまでの間は、自然免疫だけでウイルスと戦う必要があります。
そのため、普段から自然免疫を高めておくことが重要となります。
自然免疫を高めておくと、体に入り込んだウイルスの感染を防ぐとともに、獲得細胞へ情報連携するウイルスの情報も集まりやすく、獲得免疫も素早く戦える状態となり、免疫力全体が高まります。
これらの自然免疫や獲得免疫は、生活習慣と大きく関係しています。
次に、自然免疫と獲得免疫を高める8つの習慣についてご紹介します。
自然免疫と獲得免疫を高める6つの習慣
身体を動かす習慣
まずは1日に10分程度の体操をするだけでもよいですから、運動の習慣をつけることが大切です。可能ならば、うっすらと汗をかく程度の時間、散歩ができるとよいでしょう。
食事の習慣
免疫機能を維持するためには、良質なタンパク賃、ビタミン、ミネラルが必要です。
脂肪や糖分ばかりが多くなりがちな洋食に比べて、和食は栄養バランスがよくおすすめです。
またビタミンDを含んだ食材をとることも大切です。
ビタミンDには、「免疫機能を調節する」働きがあり、体内に侵入したウイルスや細菌などに対して、過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進する効果があり、感染症の発症・悪化の予防に効果が期待できます。
ビタミンDを多く含んでいる食材
サケ、マグロ、サバ、牛のレバー、バター、チーズ、卵黄、きのこ類など
ぐっすり眠る習慣
夜にきちんと眠れば、昼間はすっきり起きて動けるようになります。昼は交感神経が、夜は副交感神経が優位に働くという自然な切り替えをするためにも、睡眠のリズムを確保することが重要です。
よく笑う習慣
笑うと副交感神経が優位に働きます。また、NK細胞という、免疫をつかさどる細胞が活性化されることが分かっています。たとえ作り笑いでもそのような効果がみられます。
身体を温める習慣
体温が高いとリンパ球が増えて活性化し、免疫機能が高まります。
また、身体が温まると血管が拡張して副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。
入浴はぬるめのお湯でゆっくりと。40度くらいのお風呂に10分以上つかるとよいでしょう。シャワーだけでは身体が温まらず、交感神経が刺激されるため、あまりリラックスできません。
リラックスできる時間をつくる習慣
仕事が忙しく、いつも帰りが遅い人は、なかなかゆったりとした時間がもてません。さらに、多忙はストレスから暴飲暴食を招きやすいものです。仕事を早めに切り上げ、30分だけでも早く帰れるようにしてみましょう。
免疫力を高める6つの習慣についてご紹介しました。
食事の習慣では、ビタミンDが感染症の発症・悪化の予防に効果があることをご紹介しました。
ビタミンDは、食事以外にも体に生成できる方法があります。
新型コロナウイルスの弱点、太陽光です。
次に、太陽光の力と免疫力についてご紹介します。
太陽光の力と免疫力について
太陽光には、自然免疫細胞を高めるビタミンDの生成と獲得免疫細胞T細胞の活性化する効果があります。
ジョージタウン大学医療センターの研究者らによれば、太陽光に含まれる紫外線と青色光が免疫システムの要である獲得免疫細胞T細胞を活発化させる効果があると言われています。
また獲得免疫をサポートするとともに、自然免疫を高めるビタミンDも、1日20分程度、日光に当たることで、体内に生成されることは知られています。
つまり、太陽光も免疫力を高めるということになります。
その他に免疫力を高める方法として、東洋医学(漢方)があります。
東洋医学(漢方)は、人間の持つ自然治癒力を高めることを目的としており、鍼灸治療や漢方薬、養生(生活習慣)により、人間本来持っている免疫力を高める効果があります。
まとめ
新型コロナウイルスの弱点は冒頭でご紹介した通り、太陽光と湿度であることが研究により判明してきましたが、人間に備わっている免疫力を高めることが、新型コロナウイルスに打ち勝つ最も大切な方法です。
緊急事態宣言の解除延長を阻止するためにも、免疫力の強化と太陽光の力で、たとえウイルスに接触しても感染させない、感染しても病状を悪化させないように、日頃から免疫力を高める習慣を身に着けておくことがとても重要です。