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日本人の約9割が経験する腰痛 アーユルヴェーダで腰痛改善してみませんか。
腰痛に悩む日本人の数は、ここ数年1000万人超。つまり、約10人に1人が腰痛持ちです。怪我や病気の中で自覚症状がある人のうち、腰痛の患者の割合は男性が1位、女性でも2位と非常に多くの人が腰痛に悩まされています。
また日本の職場において発生する怪我や病気のうち、腰痛は年間600件近く発生しており、全体の約60%を占めています。日本人の多くが悩んでいると言われる腰痛、コルセットなどの対策をしながら日々を過ごしている人も多いではないでしょうか。
では日本人の1割が悩んでいる腰痛の原因とは何でしょうか。
腰痛の原因について
そんな腰痛ですが原因も様々で、医師(整形外科医)が診察による所見とX線(レントゲン)やMRI等の検査をもとに腰痛の原因が特定できる「特異性腰痛」と腰痛の原因がはっきりと特定できない「非特異性腰痛」に分類されます。
非特異性腰痛は、なんと腰痛全体の85%以上を締めていると言われていますから、腰痛の8割以上は原因が不明だということです。
腰の機能によるもの、反り腰や猫背などの姿勢によるもの、運動不足による腰の負担、寒さなどの筋肉の硬直、ストレス、内臓の病気などが考えられます。
重いものを持ち上げたり、体幹を無理にひねる作業が伴う場合は要注意。女性では生理や妊娠で腰痛が起こることがあります。
最近では喫煙によりタバコに含まれる「ニコチン」が、椎間板周囲の毛細血管を収縮させることがわかっており、喫煙も腰痛に関連していると言われています。
腰の病気としては腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症があり、これらは神経を圧迫することにより腰に痛みを感じます。
腰痛の原因は様々で対処の方法も異なります。
今回はアーユルヴェーダでの腰痛改善と腰痛予防をご紹介します。
アーユルヴェーダによる腰痛の原因と改善方法
アーユルヴェーダでは、身体には「ヴァータ」「ピッタ」「カファ」の3つの性質のエネルギーがあり、これらのエネルギーは「ドーシャ」と呼ばれています。
これらの「ドーシャ」がバランスの取れている状態を健康と位置付け、そのバランスが崩れると健康を損なう状態になると考えます。
アーユルヴェーダで腰痛は、ヴァータの乱れが原因と考えられています。
ヴァータには、冷たい、軽い、乾燥の性質も持ち、そのヴァータが乱れることにより、腰の血流が低下することで、筋肉が硬直し腰に痛みが出ると考えています。
特に冬の季節にヴァータが乱れやすく、過労や睡眠不足、ストレスがかかると、エネルギーが増悪し、乱れやすくなります。
特に痩せ型で肌が乾燥肌ぎみの人、動作が素早いタイプの人はヴァータが乱れやすいので注意が必要です。
アーユルヴェーダによる腰痛の改善方法
腰痛を改善させるために、アーユルヴェーダではヴァータの乱れを整えていきます。
ヴァータは冷たい、乾燥、軽い性質を持ちますので、それらを取り除いていきます。
腰や足先を温める
ヴァータは冷やすと乱れやすいので、体を温めることが大切です。
お風呂ではシャワーで済ませるのではなく、40℃から41℃ほどの湯船に半身浴か全身浴を10分間して身体を温めましょう。
日中でも足浴を行うことで、下半身を温め、血行を良くしてくれます。
足浴ができないときは、冷えとり靴下を履き、普段からできる対策をとっていきましょう。
ヨガではコブラのポーズやチャイルドポーズなど行うことで、腰回りを緩めていきます。
水分補給で乾燥を防ぐ
ヴァータは乾燥しやすいですので、水分不足を補うために、毎朝白湯を飲んでみましょう。
普段から冷たい飲み物を避け、常温か温かい飲み物を選ぶと身体の冷やさずヴァータが落ち着きます。飲み物はハチミツや生姜を加えたものがオススメです。
オイルを使った「カティバスティ」
本格的なアーユルヴェーダでは、オイルを使った「カティバスティ」があります。
「カティ」とは腰のことを指し、「バスティ」は「一箇所に溜める」という意味です。腰に温めたオイルをたっぷりと注ぎ、温熱によって体の調子を整えます。
腰は人間の体の中心にあたり、この部分の不調は体全体に悪影響を与えます。女性では子宮がある部分でもあり、腰椎、骨盤などの骨格の重要なものが集まる場所でもあります。腰を十分に温めることで全身を温め機能を向上し、循環を改善します。血流などがよくなることで老廃物を押し流す力が高まり、腸を温めることで便通にも効果的です。蓄積された悪いものを排出することで、自然な代謝アップが望めます。
家ではオイルマッサージをしてみましょう。
使うのは焙煎されていないごま油です。これを100度に熱した後、人肌まで冷ました後に、腰部をマッサージするように手でなでていきましょう。
ごま油の中に、ジンジャーやオレンジ、ローズウッドなどの精油を入れでも効果的ですよ。お風呂に入る前にすると、マッサージ後にオイルを洗い流せるので手間いらずです。
カティバスディの方法と効果
カティバスティの方法はインドに古くから伝わる手法で、アーユルヴェーダ教えに基づいて行われています。
まず施術を受ける人は、顔を横にしてベッドにうつ伏せになります。その後、腰部に練った小麦粉の土手を作り、その中に温めたアーユルヴェーダオイルをたっぷりと注ぎ込んでいきます。
オイルの温かさによって体を温めるとともに成分を浸透させるのです。
小麦粉以外に、ひよこ豆や黒レンズ豆の粉などを用いることもありますが、いずれも天然由来の素材なので安心です。
オイルが冷めるのを防ぐため、ガーゼで吸収して温かいオイルを継ぎ足すので、施術中を通してずっと温熱効果とオイルの浸透が続きます。
オイルが浸透するまで30分ほど置きます。
施術後はオイルを洗い流したり拭き取りますが、オイルを長く浸透させるためには軽く取り除く程度が望ましいです。
少し手間がかかりますがカティバスティには、 腰痛の改善の他に、以下の効果が期待できます。
・慢性の腰痛や関節痛が改善する
・ 身体を芯から温める
・ 深いリラックス効果を得られる
・ 局所的に薬効を浸透させ、疲れを緩和させる
・ ホルモンバランスを整える
・ イライラや不安などのストレスを改善する
・ 便秘を解消する
まとめ
腰痛も肩こりも等の体の痛みは、ヴァータの乱れと考えられています。
特に季節の変わり目や冬は、体を温める工夫をして、痛みを軽減していきましょう。