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東洋医学から学ぶ 更年期障害について 半数以上の女性が悩んでいる更年期障害 男性も更年期障害?

更年期障害について 半数以上の女性が悩んでいる更年期障害 男性も更年期障害?

 

鍼灸治療は、更年期障害に対して有効な治療法です。

日本人の閉経平均年齢は50歳。43歳未満での閉経は「早発閉経」といい、個人差はありますが、多くの方が45歳から55歳あたりに「更年期」を迎えています。

女性の体は一生を通じて卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けます。更年期に現れる不調は、この女性ホルモンの欠乏が原因の一つです。

その結果、全身の疲労感や頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、不安感、イライラ感などの、心身の不調があらわれます。

鍼灸治療は自律神経系の機能を調整して、更年期障害特有の様々な不調を改善させる力を持っています。

 

 

更年期障害に悩んでいる女性の実態

更年期を向かえる年齢の女性の約半数以上が更年期症状に悩んでいます。特に50代女性については、7割以上が更年期の症状を抱えていると言われており、季節の変わり目に症状が悪化することが多いこともわかっています。

更年期症状については、「疲れやすい」「肩こり、腰痛、手足の痛みがある」「寝つきが悪い、眠りが浅い」等の症状が多くみられ、症状の対処を行っている人は全体の5割程度に留まっています。

このような実態となっている主な理由は、 更年期障害の悩みを相談しづらい環境にあることが考えられます。

家庭や職場の理解不足で、さらに症状が辛くなるケースもあり、パートナーや会社の理解をえることが大切で、心身の安定と、継続した治療には欠かせません。

 

 

更年期障害の原因

更年期障害は、エストロゲンの分泌の低下による、自律神経失調が原因と言われています。

東洋医学では自律神経失調症のことを女性に限って、血の道症と呼ぶことが多いようです。

血の道症は月経、妊娠、出産などにまつわるトラブルでおこりますが、閉経前後に起こる更年期障害も血の道症のひとつです。

更年期障害の重さは、長い間の生活習慣が原因のこともあります。

一概には言えませんが、睡眠不足や運動不足、暴飲暴食や偏食などの不摂生な生活を送ってきた人は、更年期障害の症状が強く出ることがあるようです。

その他にも、親の介護や子供の進学や就職、パートナーのリストラなど、何らかの転機が閉経の時期と重なると、症状が重くなることがあります。

 

 

更年期障害の症状

更年期障害の本質は「冷えのぼせ」ですが、頭痛、めまい、動悸、頻脈、発汗、手足の冷え、肩こり、腰痛、むくみ、肥満、やせ、月経量の異常、性交痛、外陰部の違和感、頻尿、排尿痛、不正出血、食欲不振、吐き気、おう吐、精神的な不安感やイライラ感、焦燥感など実に様々な症状があります。

人によって複数の症状に悩まされることもありますが、更年期障害と思い込み放置していて、後で重い病気にかかっていたことが分かる場合もあるようです。

心配な場合は専門の機関で診てもらいましょう。

 

 

男性にもある 更年期障害

男性更年期障害は日本でも十数年前から知られるようになっていますが、症状が現れているのに自覚していない男性がまだ多いようです。

男性更年期障害とは、加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下によって引き起こされる症状で、発症するのは40代後半ごろからが多く、症状は大きく、身体症状と精神症状に分けらます。

 

身体症状は、

男性機能の低下、のばせ・多汗、全身倦怠感、筋肉や関節の痛み、筋力低下、骨密度低下、頭痛・めまい・耳嶋り、頻尿など症状

 

精神症状は、

不眠、無気力、イライラ、性欲減退、集中力や記憶力の低下などとともにうつ症状が出る場合もあります。

 

・良質な睡眠をしっかりとる

・ストレスをため込まないようにする

・適度な運動を続ける

 

などの予防対策をし、今まで以上に躍進できるよう、心と身体を整えていきましょう。

 

 

更年期障害に効果的な鍼灸治療

東洋医学では、女性ホルモンに近いものとして腎気(じんき)天癸(てんき)と言った、概念があります。

腎気(じんき)とは、人の生命エネルギーのことで、老化に伴う骨粗鬆症、薄毛、腰痛などの症状は腎気が減少した状態です。

天癸(てんき)とは生殖機能の働きのことで、年齢とともに衰えます。

この腎気と天癸は、40歳前後から「衰え」として自覚できるようになります。

更年期障害に対する鍼治療では、腎気と天癸の働きを補う効果のあるツボを刺激して、ホルモンのバランスを調整します。

 

 

腎気(じんき)の働きを補うツボ

東洋医学では腎臓と副腎をあわせて「腎」といいますが、背中には腎に効くツボが2つあります。

 

腎兪(じんゆ)と志室(ししつ)

 

ツボの位置

腎兪は、おへその真後ろの背骨の中心から親指1.5本分左右それぞれにあり

志室は、腎兪からさらに親指2本分のところにある左右それぞれにあるます。

 

ツボの押し方

親指の腹で二つのツボを一緒に刺激します。体に対して垂直にカを入れ、ゆっくりカを抜きます。ひと押し10秒、5~6回が目安となります。

 

 

天癸(てんき)の働きを補うツボ

天癸(てんき)とは女性の場合は月経のことです。

全身の体液の循環に深く関わる肝・腎・脾の3つの経絡が交差している三陰交(さんいんこう)を刺激することにより体液の循環を改善することができると言われています。

 

三陰交(さんいんこう)

 

 

ツボの位置

脛骨の内側、くるぶしの先端(内側の足首の骨の部分)から約4本の指の幅の距離のところにあります。

 

ツボの押し方

ゆっくり息を吐きながら静かに押して、息を吸いながら離します。

目安としては、一度に続けて3回程度押すと良いでしょう。

押す力は控えめに。温灸も効果的です。

三陰交は足の内くるぶしの上から指3本分ほど上の骨の後ろのへりにあります。

更年期障害のほか冷え性月経不順など婦人科系全般に効きます。

 

 

女性の体の転機

東洋医学では、「女性は7の倍数」で体や心の節目を迎えると言われていますが、女性の体も14歳(7×2)頃に初潮がはじまり、35歳(7×5)頃からから少しずつ老化がはじまります。

そして、42歳(7×6)頃から老化は加速し、49歳(7×7)頃で、閉経を迎えます。

生理が終わった後も56歳、63歳、70歳の古希を迎える頃までは節目ごとに自分の体と向き合うことが大事です。

 

 

更年期を健やかに過ごすために

リフレッシュできる適度な運動を生活に取り入れるようにしましょう。

女性ホルモンの減少に伴う生活習慣病(脂質異常症、高血圧症、糖尿病、動脈硬化症など)の発症や症状悪化を予防するため、また更年期症状である不定愁訴の軽減にも運動は効果があります。

更年期において、運動は特に更年期症状を緩和し、自律神経を整えることで気持ちを前向きにする効果が認められています。

女性ホルモンの分泌の低下と自律神経が乱れる更年期は200〜300種類の症状があると言われています。

女性ホルモンも自律神経も、全身の様々な機能に関わっているため、それらのバランスが崩れれば、心や体に様々な症状が出てきます。

女性ホルモンをゆるやかに減らして更年期障害の症状をおさえるために、中医学では「血流をよくする」治療を行います。

現代の女性は、ストレスが多く、単純に血流を促す治療を行ってもなかなか効果が現れません。

自分でも生活習慣を見直し、自分にとって楽しいことやワクワクできることを見つけ、暮らしに取り入れていくことも大事です。

 

 

まとめ

最近では若年性更年期障害といって、20代後半から30代の若い人にも更年期障害のような症状があらわれることがあります。

様々な症状に悩まれている人は、鍼灸治療を試みてはいかがでしょうか。

心身のメンテナンスにもなりますよ。

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