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東洋医学から学ぶ 動悸について 自律神経の乱れから起こる動悸は鍼灸治療が効果的
動悸について 自律神経の乱れから起こる動悸は鍼灸治療が効果的
動悸とは、心臓のドキドキする拍動が自分で感じる状態です。
そのような状態が必ずしも心臓の病気とは限りませんが、中には急いで病院にかかる必要がある病気もあります。
また、症状が似ていても直接心臓に関係がない場合もあり、疲れやストレスからおきるケースや、更年期障害でおきる場合もあるようです。
自分は自分のお医者さんであることを自覚し、体の声を聞いて適切に対処することが大事です。
心臓に原因がある病気とその症状
何の前ぶれもなく心臓がドキドキすると、不安が不安を呼び、よけいにドキドキしてしまいます。前もって動機についての知識があれば冷静に対処することができます。
・心不全
運動など体に負担がかかる活動をした際に、息切れを起こします。
・発作性心房細動
脈が乱れた状態が一定時間続きます。
・発作性頻拍
運動をしたり驚いたりして心拍数が増えるのではなく、普通にしていても心拍数が増えます。
・期外収縮
脈の乱れを感じますが、比較的軽い症状です。
・不整脈
意識が遠のくような状態になります。
心臓以外に原因がある病気とその症状
・消化管出血
息切れや目まいを伴います。
・貧血
倦怠感やめまいなどの症状があらわれます。
・パニック障害
呼吸が苦しくなり、不安感が増します。
・バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
手の震えや体重の減少、眼球の突出などの症状がみられます。
鍼灸治療で動悸は改善できるの?
心臓の反応点に軽い刺激を与えるだけで、動悸は改善することができます。
しかし、心臓の病気の中には急を要するものとそうでもないものがあります。
急を要する場合は西洋医学で診察を受けてください、西洋医学では対応しきれない気や血の巡りをよくして体全体を診ていくには東洋医学が適しています。
・東洋医学の鍼灸が効果的な場合
例えば毎日の仕事がパソコン作業などで前かがみの猫背姿勢が続くようなら、内臓が圧迫され十分に肺に酸素が行き届いておらず、心臓も悲鳴を上げている状態と考えられます。
肩コリもひどいようなら、心臓病と言うよりも慢性的な疲れが原因です。
・酸素不足が動悸や息切れの原因に
心臓が圧迫されると心臓の働きが一時的に悪くなり酸素不足になりますが、それを回避するために自然に動悸が激しくなります。
長時間の座り仕事などで心臓がドキドキしてきたら、大きく深呼吸をして酸素を十分に取り入れましょう。
・自律神経のバランスが整うと動悸は治まる
動悸や息切れのほとんどが、自律神経の乱れからきています。
交感神経が優位になると動悸や息切れがおこりやすくなります。
このような日常の姿勢の悪さや過労による疲れが原因で起こる動悸や息切れは、心臓の反応点に軽い刺激を与えるだけで、改善することができます。
また、特に長時間同じ姿勢を続けているわけでもないのに、家事や軽い運動でも動悸や息切れが気になる場合は、自律神経の働きが悪くなっていると考えられます。
雨ふりの前などでも交感神経が優位になって動悸が激しくなってしまうことがあります。
鍼灸の治療は血管を広げ、自律神経のバランスを整える働きがあります。
気血を巡らせる鍼灸治療
気や血とは東洋医学特有の考え方ですが、あらゆる不健康は経絡が詰まり、気や血が滞っているからと考えられます。
健康な体を維持するには経絡の調整点であるツボを刺激して、気血をスムーズに流すことが大切です。
・そもそもツボ(経穴)とは?
何千年も前から、体の具合が悪いときに皮膚の上から痛気持ちいいところや、体の硬い部分を押したり、お灸をすえたり鍼を刺したりして、効果がある部位をツボとして記録しながら先人たちはあらゆる病気や不都合を改善してきました。
長い時間をかけて、多くの人の体で確かめながら集大成されたものが治癒点として明確化されツボが現在に至っています。
・ツボは体の異常があらわれるところにある
東洋医学の鍼灸では、ツボは体の異常があらわれる場所と考えられています。
例えば胃にトラブルがあると、その異常は足のツボの足三里に現れます。
足三里をさわってみるとコリコリとしたしこりがあったり、冷えていたりと何らかの異常がみられます。
この異常が出ている所を鍼やお灸で刺激することによって、関連のある臓器の胃のトラブルが回復します。
体にツボは全部で361種類ありますが、ツボのひとつひとつに名前がついています。
左右対称のツボや体の中心だけにあるツボもありますが、総数は670にもなります。
体の不都合なところを、どこを押してもツボに巡り会えるといえます。
動悸に効果的なツボ
だん中(だんちゅう)
左右の乳首を結んだ中央で、押すと軽い痛みを感じる箇所にあります。
左右の手の中指を重ねて置き、呼吸を整えて静かに1分くらい押さえます。
厥陰兪(けついんゆ)
首の後ろの骨の出っ張りから一番出っ張った背骨をたどって4つ目の指2本分の左右にあります。
うつぶせになって人に背中を押してもらう位置にありますが、この2つを同時に刺激する、自分でできるストレッチがあります。両手を背中に回して、手を組みます。組んだ手を体から引き離すようにし、左右のけんこう骨をくっ付けるようにして背中を刺激しましょう。
神門(しんもん)
手のひらの側の手首のつけ根、小指側にあります。
疲れやストレス、更年期障害によると思われる動悸には、左右交互に親指でジワーッと押してみてください
まとめ
何千年もかけて体系化されたツボ刺激の恩恵にあやからない手はありません。
鍼灸治療では緊急を要する治療はできませんが、慢性的な肩こりからくる動悸や、自律神経の乱れから起こる動悸や息切れは改善することが可能です。
病院で検査しても特に問題がない場合は、何千年も前からおこなわれてきた鍼灸治療を試みてはいかがでしょうか。