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東洋医学から学ぶ 更年期を楽に乗り切る方法(東洋医学と心の安定)

更年期を楽に乗り切る方法(東洋医学と心の安定)

 

多くの女性は50歳ごろに閉経を迎えますが、その前後の40歳代半ば頃から50歳代の終わりごろを更年期と呼びます。

この更年期に入るとホルモンの環境が変わり体がついていけず、人によっては顔のほてりや手足の冷えなど様々な不調に悩まされます。

 

 

更年期障害と鍼灸について

更年期に入ると、卵巣の機能が衰えることで、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少し、ホルモンバランスが乱れてしまいます。

更年期障害の厄介なところは、体の不調がどこにあらわれるかが分からないことです。

西洋医学での更年期障害の治療には「ホルモン補充療法(HRT)」が主に用いられます。

東洋医学のひとつ鍼灸治療では、一人ひとりの体の状態を診察し、その人にあったツボを刺激します。

 

・女性ホルモンの働き

女性ホルモンは、排卵を促したり、乳房や子宮を発達させたりする役目がありますが、その他にも自律神経のバランスを安定させる作用や骨を丈夫にする働き、コレステロールを下げる作用などがあります。

そのため、更年期に入って女性ホルモンの分泌が低下すると、自律神経に乱れがでて、心身に不調が起きてしまいます。

 

・更年期のおもな症状について

最もよく見られるのがホットフラッシュ(顔のほてり)で、動悸、頻脈、発汗、手足の冷え、イライラ、不安、落ち込み、抑うつ、不眠、意欲の低下、集中力の低下、肩こり、腰痛、食欲不振、吐き気、おう吐、不正出血、月経量の異常、性交痛、外陰部の違和感、頻尿、排尿痛、のどのつかえ感、頭痛、肥満、やせ、むくみ、体の違和感(アリが這うような感じ)などです。

 

自分でできるツボ刺激やマッサージで更年期障害をやわらげましょう

 

・ツボを押す

 

更年期になると冷えやむくみの症状が出やすくなりますが、心臓から遠いツボを押すことを日課にすると、血の巡りがよくなり、女性ホルモンのバランスが整いやすくなります。

万能のツボとして知られる手の合谷(ごうこく)と足の裏の湧泉(ゆうせん)は誰にでもわかりやすく、簡単に刺激することができます。

 

 

合谷は

手の甲側の親指と人差し指の間の2本の骨が合流する手前のくぼみです。ここに親指をあて反対側から人差し指をあてて挟むように強めに押します。5秒押しては3秒休むを5~6回くり返します。反対側の手も同じようにおこないます。

 

 

湧泉は

足の裏にあり、足の指をグーの形にしたときに最もへこむところで、中指の下あたりです。左右の手の親指で息を吐きながらゆっくり押していきます。10秒押したら5秒休むを5~6回くり返します。

 

 

太衝穴は

足の甲にあり親指と人差指の間です。

太衝穴は気を下に降ろす作用が強いため、イライラによる頭痛やのぼせなどの症状を軽くする効果があります。

 

 

三陰交(さんいんこう)は

「女三里」とも言われるほど、どんな婦人病にも効くと言われる足のツボで、足の内側のくるぶしから指幅4本分上のスネの骨の後ろにあります。

両手の親指で5秒押しては5秒休むを5~6回くり返します。

 

・マッサージをする

 

足を中心にマッサージをすることで血行がよくなり、更年期障害の症状をやわらげることができます。

足首をグルグル回すと足全体の血行が促されます。

次に足先からふくらはぎを通って太ももまで両手で足を包み込むようにして撫で上げます。

特に足の内側には婦人科系のツボが集まっているので、ゆっくりていねいにマッサージをおこないましょう。

 

更年期をラクに乗り切る体の養生法

更年期の不調を少しでもラクに乗り切るには、食事や生活習慣の見直しが大切です。

今まで自分の生活より家族を優先してきた人は、自分ファーストの暮らし方に切り替える時期が来ているのかもしれません。

更年期をきっかけに衣食住全般を見直してみましょう。

 

・自分の体を守る食生活

今まで子ども中心の献立で、たんぱく源が肉類だった人は魚や大豆製品も取り入れるようにしましょう。

また、塩分を摂り過ぎていた人は、酢やコショウ、カレーパウダーなどのスパイスを用いて、減塩メニューを考えましょう。

 

・体を積極的に動かす暮らし

運動をすると血行が良くなり体の冷えやコリが解消できます。

ウォーキングや水泳、ハイキングなどは気分転換になります。

 

・心を楽に! いい人は返上しましょう

更年期の時期は子どもの進学や親の介護などと重なり、人間関係でも悩みが多くなります。

仕事を持っている人は頼られることも多く、つい頑張りすぎてしまいます。

羽目が外せず、気分転換が上手にできない人は、更年期症状も重くなりがちです。

まず、自分が少しでもハッピーになれる状況を作っていきましょう。

 

 

まとめ

更年期の症状は人によって違い、ひどい人は家事もできず外出もままならない状態が続きます。

個人差があることを認め、「自分は自分、そのうち治る」と割り切ることも必要です。

鍼灸治療は自律神経系の機能を調整して、内臓の働きや血圧を整えたりすることが科学的にも証明されています。

体と心のメンテナンスもかねて、鍼灸治療を受けてみるのも更年期障害を乗り切る一つの方法です。

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