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東洋医学から学ぶ 手足のむくみについて 適切にツボを刺激することで不快な症状を解消
手足のむくみについて 適切にツボを刺激することで不快な症状を解消
むくみは、主に脾、肺、腎、膀胱、三焦(リンパ菅)の働きがうまくいかなくなることによって起こると考えられています。
鍼灸治療では鍼を刺してツボを刺激しますが、はじめての人はどうしても注射針を想像してしまい、鍼は痛いものと言ったイメージを持ってしまいがちです。
しかし、注射針とは違い、痛みはほとんどありません。
手足のむくみは体にたまった余分な水分が原因ですが、適切にツボを刺激することで不快な症状を解消することができます。
むくみについて
むくみに悩むのは男性よりも女性が多いのは、女性は男性に比べて筋肉量が少なく、静脈やリンパの流れが弱いからです。
むくみの原因は様々で、ビタミンB1やたんぱく質の欠乏、ホルモンバランスの乱れや腎臓疾患や肝疾患、心臓疾患などす。
日常的にむくみが続くようなら、専門の機関で検査をしてもらいましょう。
検査をしてもはっきりした原因が分からずにむくみが続くようなときには、鍼灸治療が適しています。
むくみに効くツボ
これといった原因がわからないままむくみが続いても、あきらめずに鍼やお灸の施術を受け、そして自分でもツボを押すことで、徐々にむくみは解消されます。
以下のツボは比較的わかりやすく、自分でも押すことができます。
<足のむくみに効くツボ>
・水分(すいぶん)
体内の水の流れをよくする特効ツボとして知られています。
ツボの位置
へそから親指の幅だけ上にあがったところです。
ツボの押し方
へそから指1本分上にあるツボが水分で、息を吐きながら両手の中指でゆっく3秒かけてり押し、3秒かけて離します。これを10回ほどくり返します。
・足の三里(あしのさんり)
養生ツボとしてよく知られ、足の疲れはもちろん、全身の疲労回復をもたらします。
ツボの位置
足の三里はひざの下の骨の外側2㎝ほどにあるくぼみのあたりです。
ツボの押し方
両手の親指を当て、すねをつかむようにしながら、気持ちよく感じる強さで、3〜5秒押して離す刺激を3〜5分間繰り返します。
・漏谷(ろうこく)
脾経のツボで、ここを刺激すると体内の水の流れがよくなり、むくみが改善されます。
ツボの位置
内くるぶしの骨の上端から、両手の親指以外の8本の指の幅だけ上がったところです。
ツボの押し方
線香の火を1~1.5㎝まで近づけ、熱いと感じたら離す刺激を7回くり返します。
線香を近づけすぎてやけどをしないように注意してください。
・委中(いちゅう)
足が棒になった時には、ひざ裏のに中央にある横ジワの真ん中あたりにある委中(いちゅう)を刺激するとラクになります。
刺激のコツは、ひざを直角に曲げひざ裏に両手の親指をあて10秒押しては5秒休むを5回ほどくり返します。
<手のむくみに効くツボ>
・八邪(はちじゃ)
手がむくむと、ものを握りづらくなります。
指と指の間のそれぞれの水かきを引っぱって刺激することで、手指の末端まで血液がめぐります。
・大陵(だいりょう)
手のひら側で、手首のしわの中央が大陵(だいりょう)のツボです。
親指の腹で左右各10回ほど軽く押します。
・暘谷(ようこく)
手の甲側で、手首の横じわの小指側のはしにある丸い骨の下のくぼみです。
親指でゆっくり、10回ほど軽く押します。
・労宮(ろうきゅう)
手のひらのほぼ真ん中にあたり、手を握って手のひらに中指と薬指があたったところがツボです。親指の腹で左右各10回、気持ち良い程度に押します。
5分でできるセルフマッサージ
お風呂上がりの足のケアを習慣にすると、むくみ対策になります。
マッサージをする際には、滑りの良いオイルや乳液などを使いましょう。何もつけずに肌に刺激を与えると指の滑りが悪く、肌にも負担がかかります。
毎日のケアが無理でも定期的にセルフマッサージをすると、むくみにくい体作りにつながっていきます。
・座ったままでできるむくみケア
オフィスではイスに座ったまま、つま先の上げ伸ばしをしたり、足の甲でもう一方のふくらはぎをトントンとリズミカルに叩くと血流がアップします。
家庭でパソコン作業などをするときは、ゴルフボールなどを足の下に置きコロコロと転がして足裏のツボを刺激したり、イボイボのバランスボールにふくらはぎをのせてユラユラ動かすと適度な刺激になります。
・立ったままできるむくみケア
トイレタイムなどを利用してレッグレイズ運動をしましょう。
この運動は、足を少し開いて立ちその場でかかとを上げ下げするだけです。
場所をとらず、一番手軽にできる運動ですが、冷えやむくみに効果的です。
・アイソメトリック運動
ちょっとハードなアイソメトリック運動は腎の血流を増やし、体にとって余分な水分や老廃物を排出する効果があります。
やり方は以下の通りです。
①足を肩幅に広げて立ち、両手を後頭部で組みお腹を引っ込めて力を入れ7秒キープします。
②両手を後頭部で組んだまま、両方の足に力を入れて7秒間キープします。
③後頭部で組んで直立したまま、つま先立ちをして7秒間キープします。
④足を肩幅よりやや広げ、椅子に腰かけるように上半身を下ろし、7秒キープします。
下半身の大きな筋肉を使うことで代謝が良くなり全身のむくみが解消されます。
まとめ
ツボに鍼(はり)や灸(きゅう)を用いて病気の予防や治療をする鍼灸は、誰もが本来持っている自然治癒力を引き出す力を持っています。
子どもから大人まで、ほとんど副作用もなく、長きにわたって様々な治療に用いられてきました。
手足のむくみは、体にたまった余分な水分が排出されると、すっきりします。
適切にツボを刺激して不快な症状を解消し、健康な日常生活を送りましょう。