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ストレスによる胃の痛みに効果的な漢方薬

ストレス胃痛

 

日々のストレスは、胃腸のトラブルの大きな原因になってしまいます。

慢性的な胃もたれやみぞおちの痛みを医学的には神経性胃炎ともいいます。

 

病院で内視鏡検査を受けても潰瘍などの炎症が見つからず、ストレス性の胃炎と診断を下されることも多い病気です。

 

ストレスは仕事や人間関係だけでなく、天候や環境の変化、花粉や大気汚染なども大きく関係しています。

誰もが多くのストレスを感じながら暮らしています。

 

そんなストレスだらけの日々で弱った胃を、運動、睡眠、食事を見直し、漢方の力を借り改善していきましょう。

 

 

なぜストレスを受けると、胃などの消化器が影響を受けるのが

 

私たちの脳は、ストレスを感じるとストレスに負けないための生体反応として、ストレスホルモン(副腎皮質刺激ホルモン)が分泌されます。

このストレスホルモンは、胃などの消化器の運動を抑えてしまう作用があります。

 

そのため、胃もたれなどが起こりやすくなります。

「暴飲暴食をしたわけではないのにこの頃よく胃もたれがする・胃が痛む」と感じたなら、「ストレスがたまっていますよ」という脳からのサインかも知れません。

 

 

ストレスで「肝」が弱っている

 

漢方では人間は自然界の一部だと考え、カラダを大きく5つに分類しています。

これが「五臓」という考え方で、“五臓六腑に染みわたる…”の五臓もここからきています。

五臓には「肝」「心」「脾」「肺」「腎」があり、カラダを支える5本柱として漢方では昔からとても重要視しています。

その中で「肝」には、循環・代謝・発散・排泄・解毒などをコントロールする役割、感情をコントロールする役割、血液を貯蔵する役割があります。

 

漢方では、感情をコントロールする「肝」が、自律神経のバランスを整え、精神状態を安定させると言われています。

ストレスがにより「肝」が弱まると、情緒が不安定になり、イライラや無気力になってしまいます。

 

漢方ではこの弱った「肝」を整えることから始めます。

 

 

ストレスにより弱った「肝」を整える漢方薬

 

漢方薬

 

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

 

効果

ストレスによる身体への影響を除き、自律神経を安定させます。

さらに、胃腸のはたらきを整える生薬が配合されているため、胃腸の弱い人でも服用しやすい処方です。

 

配合されている生薬

柴胡(サイコ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、蒼朮(ソウジュツ)、茯苓(ブクリョウ)、当帰(トウキ)、川きゅう(センキュウ)、陳皮(チンピ)、半夏(ハンゲ)、甘草(カンゾウ)

 

 

加味逍遥散(かみしょうようさん)

 

効果

ホルモンのバランスを整える効果があり、またどちらかというと女性向けですが、体が虚弱で疲れやすく、イライラや不安感を整える効果があります。

 

配合されている生薬

柴胡(サイコ)、芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)、当帰(トウキ)、茯苓(ブクリョウ)、山梔子(サンシシ)、牡丹皮(ボタンピ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、薄荷(ハッカ)、

 

 

 

ストレス性の胃痛に効果がある漢方薬

 

清熱解鬱湯(せいねつげうつとう)

 

効果

ストレスによる胃痛、胸やけ、げっぷ、便秘などに効き目があります。

 

配合されている生薬

山梔子(さんしし)、黄連(おうれん)、川芎(せんきゅう)、香附子(こうぶし)、枳殻(きこく)、陳皮(ちんぴ)、蒼朮(そうじゅつ)、乾姜(かんきょう)、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう)です。

 

 

六君子湯(りっくんしとう)

 

効果

食欲不振、胃もたれを伴う気分の落ち込みなどに効きます。

 

配合されている生薬

茯苓(ぶくりょう)、人参(にんじん)、甘草(かんぞう)、大棗(たいそう)、白朮(びゃくじゅつ)、生姜(しょうきょう)、半夏(はんげ)、カツオ陳皮(ちんぴ)などの生薬が含まれています。

 

 

香蘇散(こうそさん)

 

効果

含まれてる生薬は神経質で胃腸が虚弱な人に向いています。不安症や気持ちが落ち込みやすい人にも効果があります。

 

配合されている生薬

香附子(こうぶし)、蘇葉(そよう)、陳皮(ちんぴ)、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう) などを含みます。

 

 

分心気飲(ぶんしんきいん)

 

効果

神経衰弱、食欲不振、食道のつかえ感、腹部膨満感を伴ううつ症状などに効果があります。

 

配合されている生薬

茯苓飲(ぶくりょういん)、四君子湯(しくんしとう)、半夏厚朴湯、(はんげこうぼくとう)などです。

 

 

変製心気飲(へんせいしんきいん)

 

効果

倦怠、胃もたれ、頭痛、めまい・むくみを伴ううつ症状などに効きます。

 

配合されている生薬

桂枝(けいし)、檳榔(びんろう)、茯苓(ぶくりょう),半夏(はんげ)、木通(もくつう)蘇子(そし)、別甲(べっこう)枳実(きじつ)桑白皮(そうはくひ)甘草(かんぞう)です。

 

 

 

日常生活における胃痛を慢性化させないためのポイント

 

生活習慣改善

 

ストレス性の胃のトラブルは、運動、睡眠、食事の3つに気をつけることです。

 

 

運動

 

座り仕事が続くと、胃もたれなどがおきやすくなります。

それに加えて会社や家庭での悩みや心配事が加わると、食欲も減退します。

精神的なダメージによる胃の不調は、適度な運動をすることで症状が緩和できます。

腹筋や腕立て伏せなどの筋トレやウォーキング、軽いジョギングなどの運動習慣を持つことで心身ともにリセットできます。

 

 

睡眠

 

睡眠不足が続くと、自律神経の乱れから消化機能が低下し、食欲の減退や胃もたれなどが起こりやすくなります。

昼間、太陽光を浴びると、睡眠物質のメラトニンが夜間に分泌され、眠りに入る助けとなります。散歩程度でもいいので、室内に閉じこもらず、外出するようにしましょう。

 

 

食事

 

お腹がすくと胃がキリキリと痛むのが、ストレス性の胃痛の特徴です。

ストレスによる胃痛は食事をすると治まることが多いのですが、胸やけや吐き気をともなってしまうこともあります。

消化吸収のよい芋類や豆類などを、よくかんで食べましょう。

 

食事の方法

 

まず食事は胃にやさしい食事を心がけましょう。

 

①よく噛んで、ゆっくり食べる

唾液には消化作用があるので、よく噛んで、ゆっくり食べると、胃の負担が軽くなります

 

②辛い物や脂っこいものをさける

香辛料は胃の知覚過敏を引き起こしやすく、脂質は消化に時間がかかり、胃への負担が大きくなります

 

③腹八分目にする

食べすぎは、胃の消化リズムを乱す原因となります

 

 

 

まとめ

 

漢方では、胃の機能が十分に働いてこそ、気力が充実すると考えられています。

慢性的な胃痛や便秘や下痢が続き眠れないようなら、ストレスがたまっているからかも知れません。

日々のストレスが自律神経のバランスを乱し、胃の機能を低下させている可能性があります。

ストレス性の胃のトラブルは、人間関係の他に、気温や気圧、湿度などの変化、環境の変化、花粉など様々な原因が重なっておこります。

漢方薬の力をかり、生活習慣を見直すことで、健康な胃とストレスフリーの生活を手に入れましょう。

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