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東洋医学から学ぶ 胃痛の改善と漢方
胃痛は漢方で治そう
胃に痛みがある病気の症状は、一般的に食欲がなく、胸がムカムカしたり重苦しかったり、お腹が空いてくるとみぞおちのあたりが痛んだり、げっぷがでたりと様々です。
慢性的な胃炎で悩む人は多く、漢方薬を用いて胃のトラブルが改善できた人もいます。
病院で急を要する胃の病気でないことが分かれば、漢方薬での治療をはじめてみてはいかがでしょうか。
胃の病気とは
胃の病気には、胃酸過多症、胃液減少症、胃拡張症、胃アトニー症、胃下垂症、胃のびらん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍など多くの病名があります。
しかし、これらの病気は幾つかが合併していることが多く、症状が多岐にわたります。
そのため病名が確定できないこともあり、不安のためストレスも加わります。
例えば生まれつき胃下垂の人が、胃潰瘍になれば、胃アトニーや胃酸過多なども加わり、さまざまな症状に悩まされます。
胃の病気は胃だけが悪いわけではなく、肝臓や膵臓などあらゆる臓器とも関連しあっています。そのため、体全体の不調を診ながら改善していく必要があります。
・急性胃炎と慢性胃炎について
急性胃炎は暴飲暴食や細菌やウイルスの感染、食物アレルギーなどが原因で、胃の粘膜に急性に炎症が起きた状態です。みぞおちや上腹部に急激な痛みがおこり吐き気が伴います。
一方慢性胃炎は、炎症をくり返します。暴飲暴食やピロリ菌、加齢や喫煙などの影響から胃の粘膜が委縮しておこり、胸やけや胃もたれをともないます。
慢性胃炎のほとんどの原因が過労やストレス、偏食などで胃酸と胃粘膜のバランスが崩れることが主な原因です。胃粘液の量が減ると体の防御力が弱まるため、風邪なども引きやすくなります。
・その他の胃が痛む病気について
ストレスが原因で慢性的に胃の不快感や痛みが続く神経性胃炎、胃や十二指腸の粘膜が胃酸によって傷つけられ、みぞおちの痛みや胸やけがおきる胃潰瘍や十二指腸潰瘍 、過飲や過食が引き金となって粘膜にびらんや炎症がおきる逆流性食道炎などがあります。
胃のトラブルに漢方薬を用いるにあたって
胃の機能は、ストレスや飲食物の影響で乱れます。
漢方薬では、胃の機能を整えて胃痛を治療しますが、症状によって生薬のブレンドの配合が違ってきます。
胃痛に漢方薬を使用する場合は、漢方医や漢方専門の薬剤師がいるところで、相談し、自分に合った薬を求めるようにしましょう。
・実証と虚証について
もともと、胃が丈夫な人もいれば胃の弱い人もいます。
実証のタイプの人は胃が丈夫で消化吸収がよく、虚証タイプの人は消化吸収に時間がかかります。
虚証タイプの人が食べ過ぎると、不快症状がおきます。
胃が繰り返し痛む人は自分のタイプを知って、胃の許容量を超えないように食べることが大事です。
胃痛に効果がある漢方薬
・柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)は、
様々な痛みに効き、胆のう炎などにも効果があります。
配合されている生薬は、サケ柴胡(さいこ)、 半夏(はんげ)、 黄芩(おうごん)、甘草(かんぞう)、 桂皮(けいひ)、芍薬(しゃくやく)、 大棗(たいそう)、 人参(にんじん)、生姜(しょうきょう)です。
・安中散(あんちゅうさん)は、
重く鈍い痛み、胸やけや吐き気など慢性胃炎(機能性ディスペプシア)に効果があります。
桂皮(けいひ)、延胡索(えんごさく)、牡蛎(ぼれい)、茴香(ういきょう)、甘草(かんぞう)、縮砂(しゅくしゃ)、良姜(りょうきょう)などが含まれます。
・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)は、
胃痛、むかつきなどに効果的です。
配合されている生薬は、黄連(おうれん)、半夏(はんげ)、人参(にんじん)、黄芩(おうごん)、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう)です。
胃を痛める食事と胃をいたわる食事
脂っこいものや辛いもの、甘いものを摂り過ぎると胃酸が過剰に分泌され、胃の痛みを招く原因になります。
また早食いや食事を抜く、時間が不規則、夜遅い食事なども胃に負担がかかります。
胃のトラブルを避けるためには、規則正しい食事習慣をつけ、よく噛んでゆっくり食べることが大事です。
・胃の機能を高めるキャベツ
胃痛の原因は飲食の不摂生やストレスなどが関係しますが、キャベツには胃の機能を高めて、胃粘膜の新陳代謝をよくします。
キャベツから発見されたビタミンUはキャベジンと呼ばれ市販薬としても販売されていますが、家庭でキャベツをざく切りにして電子レンジにかけるだけで、簡単にビタミンUが摂取できます。
電子レンジを使えば、キャベツの大事な栄養素も逃がさず摂ることができるので、毎日の食卓に乗せてください。
好みでゴマドレッシングやポン酢、カツオ醤油などを少しかけるとバリエーションが楽しめます。
まとめ
慢性的に胃の不調が気になるようならピロリ菌のせいで胃粘膜が慢性的な炎症を起こしているのかもしれないので、病院でピロリ菌に感染しているかどうかを調べてみましょう。
特別な異常がないのにもかかわらず胃痛が続く場合は、自分なりの生活改善や、ストレス対策をおこないながら漢方薬の力も借りてトラブルを解消しましょう。