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東洋医学から学ぶ 顔のむくみについて 水の代謝をよくして顔のむくみを取ろう!
顔のむくみについて 水の代謝をよくして顔のむくみを取ろう!
朝、起きて鏡を見て顔がむくんでいると憂うつになりますよね。
お化粧のノリも悪くなってしまいテンションが下がってしまいます。
見た目の印象を大きく変える「顔のむくみ」は、女性にとって悩みのタネです。
そこで今回は、顔のむくみの原因とむくみに効果的な漢方について紹介します。
特に季節の変わりめは体の気や血・水のめぐりが悪くなり、顔のむくみや疲れ顔になってしまいやすい時期です。
漢方を用いて水のめぐりをよくし、顔のむくみをとりましょう。
漢方でいう水とは?
漢方では、気と血と水のどれかの過不足や滞りがあると、体の不調がおこりやすくなると言われています。
漢方でいう水とは、血液以外の水分のことを示しています。
水は津液(しんえき)とも言い、気や血を循環させ全身に潤いを与える役目をしています。
この水の流れが悪くなって滞ることを水滞(すいたい)といいますが、体内に水がたまり体がむくみやすくなります。
逆に、体内の水分が不足することを津虚(しんきょ)といいますが、肌の乾燥や髪の毛のパサつき、のどの渇きがでます。
体内に水がたまり過ぎると、むくみやすくなるだけでなく、耳鳴りや目まいなどを招くこともあります。
逆に水が不足すると、あらゆる粘膜が乾いて免疫力が低下しやすくなり、感染症にかかるリスクが増えます。
体内の水の代謝をよくするには、適度な運動や入浴などで汗をかくことです。
水の代謝をよくして顔のむくみを取ろう!
むくみは顔だけにあらわれることはほとんどなく、足や腕などにもあらわれますが、顔は特に目立つので、何とかしたいと思ってしまいますよね。
特に気になるのが、まぶたのむくみではないでしょうか?
朝起きて一番に鏡を見て、上まぶたがはれていたら、顔全体にむくみがきています。
その場で目の周囲のツボを刺激することで代謝がよくなり、重大な病気でない限りしばらくするとむくみの症状が改善されます。
次に紹介するツボ晴明(せいめい)を押しても、改善されず数日むくみが続くようなら、専門の医療機関を受診してくださいね。
・晴明(せいめい)をほぐす方法
晴明(せいめい)は両方の目頭にあります。
両方の手をグーの形にして人差し指をやや立てて軽く押し、目頭からゆっくりと眉の上を通って眉尻に向かって軽い圧をかけながら滞った水を流していきます。
1秒間に1回のリズムで10回おこないますが、やりすぎや圧のかけ過ぎは、目にとっては逆効果になるので気をつけましょう。
顔のむくみに効果的な漢方薬
●六味地黄丸(ろくみじおうがん)
慢性のむくみに。「腎」の力がそもそも弱い腎陰虚(じんいんきょ)の代表的な漢方薬です。泌尿器系や生殖器系など下半身の力を補ってくれ、体力がない人や子ども、お年寄りにも使えるくらいマイルドな漢方薬です。
附子(ブシ)、肉桂(ニッキ)を足すと冷え性にも対応する「八味地黄丸」、更に利尿作用がある午膝(ゴシツ)と車前子(シャゼンシ)を足したのが「午車腎気丸」という漢方薬です。
●猪苓湯(ちょれいとう)
下半身のむくみに効果的です。のどが渇きやすく尿量が少ない、頻尿などの症状があり、水分の代謝がうまくいっていないむくみに効きます。溜め込んだ水分を外に出すのを助けてくれます。
●防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
手脚のむくみに効果的です。水太りのぽっちゃりタイプさんに◎! 実はダイエットにも使える漢方薬です。
●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行不良、冷えからくる水分の代謝低下のむくみに効果的です。婦人科系の漢方薬として有名ですが、むくみにも効きます。体力がなく疲れやすい、血色が悪い冷え性の人にぴったりです。
むくみの原因の中には腎炎などの病気の場合もあるので、自己判断でせず、薬剤師さんなどに相談してから購入しましょう。
・腎の機能の低下「腎虚」による「むくみ」について
腎の機能は、40代後半くらいから徐々に衰えはじめます。
腎の機能を補う食材としては、牛肉、羊肉、エビ、ネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、黒豆、唐辛子、シナモンなどです。
腎の働きをよくするためには、体を冷やさない工夫をすることも大事です。
頭や首、背中から体温を逃がさないために、マフラーや帽子などの小物をファッションを上手に取り入れましょう。
むくみは症状として体の表面にあらわれますが、実は腎機能がかなり衰えている証拠なのです。体からのサインを見逃さず、食べ物や着るものなどで体を温め、「腎」の機能おぎなう「補腎」をおこなうとむくみが改善してきます。
漢方体験入門
漢方薬や漢方治療に興味があっても、何となく敷居が高いような気がして、漢方未体験の方は多いようです。
「たかが顔のむくみくらい」、「そのうち治るだろう」と思わずに、まずは専門の薬剤師さんがいるドラッグストアで相談にのってもらい、購入し服用して様子を見る方法もあります。
市販の漢方薬は安全面を重視しているため、副作用も少ないのが特徴ですが、他に薬やサプリを飲んでいると飲み合わせがよくない場合もあるので、確認しておくことが必要です。
より専門的に漢方薬を用いて治療したい場合は、漢方薬局で相談にのってもらいましょう。漢方薬・生薬認定薬剤師などのスペシャリストが時間をかけて、体質や症状を見極めてその人に合った漢方薬を処方してくれます。
さらに、漢方で根本的な原因をみつけて治療を目指すなら漢方専門クリニックや総合病院や大学病院の漢方外来や漢方内科などの専門の診療科を受診する方法もあります。
まとめ
顔のむくみは「このごろ塩分の多いファーストフードのとりすぎですよ」「冷たいものの飲みすぎですよ」と体が教えてくれているのです。
漢方は身近なお薬なので、きちんとしたところで適切なアドバイスを受けて購入すると、体に停滞した余分な水分を取り除くことができます。
体の症状を見逃さずにその都度対処することで、いつも健康で美しい体を維持することができます。