からだの悩みや痛みの相談サイト

先週の訪問者:918人 累計の訪問者:277710人

カテゴリ

過去アーカイブ

東洋医学から学ぶ 妊娠しにくい原因を知ることから始めよう。

妊娠しにくい原因を知ることから始めよう。

 

世界保健機構(WHO)の調査によると、不妊の原因は、

・女性にのみ原因がある 41%

・男性にのみ原因がある 24%

と報告されています。

男性にのみ不妊の原因があるケースも24%と報告されていて、女性だけが原因ではありません。女性、男性共に、妊娠しにくい原因を知ることから改善方法が見えてきます。

この記事では何が原因で不妊?なのか、どんな漢方薬が効果的なのかをまとめてみました。

 

 

 

知っておきたい生理のメカニズム

生理の後、卵巣からはエストロゲンが分泌され、卵胞が成長します。続いて排卵がおこり、排卵後はプロゲステロンの分泌が増え,子宮内膜が厚くなります。

フカフカの布団が整ったところに受精卵が上手く着床すると妊娠します。

妊娠しない場合は、子宮内膜がはがれ落ちますがこれが毎月の生理です。

 

・妊娠しにくい原因 健康的な生理が順調にこない

生理が規則正しくこなかったり、経血量が減ったりするのは、女性ホルモンが乱れているからです。

原因は人によって様々ですが、過度のダイエットによる体重減少や、逆にストレス解消のための食べ過ぎによる肥満も、女性ホルモンの分泌の乱れを引き起こしてしまいます。

また、女性ホルモンの分泌を促すのは脳の指示ですが、ストレスていっぱいだと脳からの伝達が伝わりにくくなります。

そのことから、仕事を持つ女性が増え、過剰なストレスから妊娠率が低下したのではないかといった説もあります。

まずは、健康的な生理を! 次のようなことに気をつけましょう。

「自分なりのストレス解消法をみつける」

「過激なダイエットはしない」

「睡眠をしっかりとる」

「栄養バランスのとれた食事をとる」

「体を冷やさない」

 

 

タイプ別漢方薬の選び方

不妊には腎の低下によるタイプ、肝の気が不足するタイプ、肥満が関係する痰湿タイプ、感染症などにかかりやすい湿熱タイプ、冷えや虚弱体質のタイプなどに分かれます。

自分がどのタイプなのかを見極めて漢方薬を選ぶことで妊娠の確率を高めます。

生理の時期には活血薬で経血をしっかり排出し、ふだんは補血薬を用いて卵子と子宮内膜を元気にするようにしましょう。

 

腎の低下によるタイプ

月経が遅れがちで経血が少なかったり、経血の色が薄く、めまいや立ちくらみ、耳鳴りなどの症状があり、足腰に元気がないタイプです。

金鎖固精丸(ぎんさくこせいがん)、右帰丸(うきがん)、左帰丸(さきがん)、還少丹(かんしょうたん)などが適していますが、血量が少ない場合は、四物湯(しもつとう)や帰脾湯(きひとう)も効果があります。

 

・肝の気が不足するタイプ

月経周期の乱れや月経前の乳脇や下腹の張り、偏頭痛、ため息、イライラ、怒りっぽいなどの症状がみられる場合は、逍遙散、四逆散、七制香附丸(しちせいこうぶがん)などが適しています。

イライラするときは、加味逍遙散や加味帰脾湯なども効果があります。

 

・肥満が関係するタイプ

肥満体型で月経が遅れがち、経血量が少ない、経血の色がうすい、胸のつかえや痰が多い、常に眠く、ふらつくなどの症状がある場合は、逍遙散、四逆散、七制香附丸などが効果的です。体に余分な水分がたまった水太りタイプは二陳湯(にちんとう)や平胃散(へいいさん)が向いています。

 

・感染症などにかかりやすいタイプ

月経周期の乱れ、経血の色が暗く多い、粘りがある、匂いが強い、下腹痛を伴うおりものが多いなどの症状がある場合は、龍胆泻肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、導赤散(どうせきさん)、木防己湯(もくぼういとう)を用いてみましょう。

 

・冷えや虚弱体質のタイプ

冷えや虚弱体質による血行不良によって、生理痛がきつくなったり、経血に塊がでたり、だらだらと生理が長く続いたりします。

桃紅四物湯、十全大補湯、温経湯、失笑散、丹参飲などが効きます。

手足の冷えや下腹部の冷えには温経湯が効果的です。

 

 

妊活に効果的な漢方茶

気が不足すると気虚(ききょ)、血が不足すると血虚(けっきょ)、水が不足すると陰虚(いんきょ)といいますが、体内を巡る「気」「血」「水」のバランスを整え、妊活に効果があるお茶を飲んでみましょう。

・黒豆茶

大豆イソフラボンやアントシアニンが含まれ、血流をよくします。

 

・タンポポ茶

ビタミンB2、ビタミンC 、カルシウム、鉄分などが多く含まれるうえに卵胞刺激ホルモンの分泌を促し、排卵しやすい体質を作ります。

 

・ゆず茶

冷えを解消して子宮を温める効果があります。

 

・ショウガ紅茶

体を温める効果がありますが、摂り過ぎると寝つけなかったり、胃腸に負担がかかることもあるため、すりおろし生姜を用いる場合は、小さじ1杯くらいまでが適量です。

・ルイボスティー

卵子の老化を抑える作用があります。

 

・ローズヒップティー

ビタミンCを多量に含んでおり、生理不順や生理痛の改善に効果があります。

 

・ネトル(葉酸)茶

ビタミン、カルシウム、鉄分、葉酸などがふくまれるハーブ茶です。

 

 

まとめ

漢方薬や漢方茶は比較的副作用も少なく、精神的な負担も感じません。

少しでも早く赤ちゃんの顔がみたい人は、西洋医学と東洋医学の漢方を併用するとよいでしょうが、まずは妊娠しやすい体を目指しているなら漢方を試してみましょう。

自分がだいたいどのタイプかが分かると、漢方薬局などで相談してみるとよいでしょう。

また、今までカフェインを含むお茶やコーヒーを飲んでいた人は、体に優しいお茶に替えてみましょう。ひとつひとつ妊活に効果的な方法を試しながら、妊活期間を楽しみましょう。

 

記事の冒頭でもご紹介しましたが、不妊の原因の24%は男性にも!

しかし、不妊の対策を行っているのは女性ばかりが現状です。

次回は、男性不妊の原因と効果的な漢方です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
0

カート