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東洋医学から学ぶ 神経痛の改善 漢方治療
神経痛は漢方や薬膳で治そう!
神経痛とは、体の神経に沿って起こる痛みのことをいいます。
神経痛には、腰椎から足の裏にかけて痛くなる坐骨神経痛、顔面が痛くなる三叉神経痛、胸椎から肋骨にかけて痛くなる肋間神経痛などがあります。
神経痛について
・坐骨神経痛
お尻から脚にかけて起こる痛みの総称を坐骨神経痛といいます。
腰やお尻、太もも、ふくらはぎにかけてに電気が走ったような痛みやしびれがおきます。
坐骨神経痛の原因となる主な疾患は、腰部脊柱管狭窄症、変形性腰椎症、腰椎分離症やすべり症などです。
・三叉神経痛
顔の片側だけにおこることがほとんどで、おでこ、頬、あごに、針で刺されたような痛みがおこります。
・肋間神経痛
胸や背中に激しい痛みがおこり、痛みは体の左右どちらか片側だけに置きます。
神経痛に効く漢方薬
・疎経活血湯(そけいかっけつとう)
雨の日や梅雨時に特に痛みが強かったり、慢性的に痛みやしびれが続いている人に用いると効果が得られます。
含まれている生薬は、地黄(じおう)、当帰(とうき)、桃仁(とうにん)、川芎(せんきゅう)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、牛膝(ごしつ)、竜胆(りゅうたん)、陳皮(ちんぴ)、羌活(きょうかつ)、威霊仙(いれいせん)、防已(ぼうい)、防風(ぼうふう)、白芷(びゃくし)、甘草(かんぞう)、芍薬(しゃくやく)、生姜(しょうきょう)です。
・桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)
手足が冷えてこわばり、尿量が少なく、ときにめまいや動悸、筋肉のピクつきがあるなどの症状が気になる人に向いています。
含まれている生薬は桂皮(けいひ)芍薬(しゃくやく)大棗(たいそう)茯苓(ぶくりょう)白朮(びゃくじゅつ)生姜(しょうきょう)甘草(かんぞう)附子(ぶし)です。
*神経痛は原因がはっきりしている原発性の神経痛と突発性の神経痛に分類されます。
原発性の神経痛は筋肉の萎縮やしびれ、つっぱりやこわばりなどの知覚障害や反射の障害がみられます。
突発性神経痛は、痛みを起こす病変が分からないものをいいます。
神経痛はなぜ起こるの?
神経痛とは病名ではなく、もともとある病気が引き起こす症状です。
神経は中枢神経と末梢神経に分かれており、中枢神経は脳と脊髄から成り立っています。
末梢神経は中枢神経から網の目のように体の末端まで張り巡らされている神経で、感覚神経、自律神経、運動神経などです。
この末梢神経のうちの感覚神経が刺激を受けて、しびれや痛みがおきます。
神経痛の多くを占めている坐骨神経痛について
坐骨神経痛の主な原因は、腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)と、腰椎椎間板ヘルニアですが、腰を後ろにそらすと痛むのが腰部脊柱管狭窄症で、前かがみになると痛むのが腰椎椎間板ヘルニアです。
狭窄などの背骨の異常があっても、筋肉と関節の状態が良くなれば痛みやしびれはほとんど感じなくなるので、「神経痛は治らない」とあきらめないでください。
・坐骨神経痛の予防と改善のために
中腰や前屈姿勢など腰に負担がかかる姿勢をとらない、急に重い物を持ち上げない、体重を増やさない、長時間同じ姿勢をとらない、腹筋と背筋を鍛えるなどに気をつけることが大事です。
・タオルストレッチで予防と改善
仰向けに寝て、タオルを片方の足の裏のつま先あたりにかけ、膝を曲げないように足を上に上げます。そのままの状態で深呼吸を30秒ほどおこない、反対側の足も同じようにおこないます。
次に、同じように仰向けに寝てタオルを足にかけたまま、左に倒します。ゆっくり深呼吸をして反対側の足も同じようにおこないます。足の外側の筋肉を伸ばします。
・坐骨神経痛を治すツボ
足のひざの真裏のくぼんだところとかかとを結んだ線上で、ふくらはぎの筋肉の一番盛り上がったところを親指の腹でややきつめに押します。
腰痛や坐骨神経痛に効きますが、急なこむら返りにも効果があります。
・坐骨神経痛の予防と改善に効果がある食材
卵、レバー、ショウガ、ターメリック、大豆製品、黒豆、小豆、アーモンドやクルミなどのナッツ類、ゴマ、ネギ類、大根、山芋、にら、にんにく、梅干し、ほうれん草、小魚などです。
*薬膳では、神経痛に限らず体の不調を改善するには、五つの味の食べ物と五つの食材を組み合わせて献立を作ると良いと言われています。
五つの味の食べ物とは、塩辛い味、酸っぱい味、甘い味、辛い味、苦みや渋みのある味のことです。
五つの食材とはホウレン草などの緑色、トマトなどの赤色、かぼちゃなどの黄色、大根などの白色、海草類など黒色の食材のことです。
まとめ
神経痛は決して治らない病気ではありません。
食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直して上手にストレスを発散させ、焦らずに体質を改善することです。
神経に沿って起こる痛みは、他人には理解してもらえないくらい辛いものですが、自分で治すしかありません。
西洋医学や漢方医学の力を借りながら、なるだけポジティブに病気を克服していきましょう。