からだの悩みや痛みの相談サイト

先週の訪問者:546人 累計の訪問者:247817人

カテゴリ

過去アーカイブ

東洋医学から学ぶ 疲れ目やかすみ目の原因は「肝にあり」 効果的な漢方

疲れ目、かすみ目の原因はエネルギーの使い過ぎ

「疲れ」「痛み」「発熱」は、体からの3大アラームといわれます。

これらがなければ、人は体の限界を認識できず、いくらでも働いたり遊んだりしてしまい、深刻な状態におちいってしまいます。「疲れ」は、「痛み」や「発熱」に比べて、見逃したりがまんしたりしがちですが、何の対処もせずに放っておくと、疲れはどんどん蓄積されていき、回復にも時間がかかるようになります。

特に目の疲れは見逃しがちです。漢方では目の疲れ目やかすみ目の原因は「肝にある」といわれています。

「肝」は目の働きと密接な関係があり、肝の働きが鈍ると、疲れ目やかすみ目、視力の低下、ドライアイの原因となります。

「肝」とは?

「肝」といえば、肝臓のことと思ってしまいますが、漢方では肝臓の機能だけでなく自律神経系や代謝系、解毒機能なども含めます。

「肝」は血を貯蔵する働きがありますが、パソコンや読書などで目を酷使すると供給するべき血液が足りなくなってしまいます。

すると、目の筋肉にけいれんがおこったり、字が読みづらくなったり、思考力が低下するなどの症状があらわれます。

これらの症状は、肝がエネルギー不足を訴えているのです。

 

・「肝」の働きについて

「肝」は、全身の気のめぐりをよくする働きがあります。

「肝」の働きがよいと精神も安定しますが、「肝」の働きが弱ると情緒不安定になり、ふさぎこんだりイライラしたりしやすくなります。
また、「肝」の働きは他にも胆汁を分泌する働きや自律神経のバランスを整える働き、筋肉運動を円滑にする働きなどがあります。

肝心要(かんじんかなめ)という言葉がありますが、肝腎要とも書きます。

肝も心も腎もすべて大切な働きをしています。

肺や脾ももちろん大切な働きをしており、この5つを漢方では五臓といいます。

 

「肝」に効く漢方

「肝」のエネルギーが消耗すると、目のトラブルだけでなく様々な症状があらわれます。

主な症状は頭痛、肩こり、肌の乾燥、手足のしびれ、めまい、集中力の低下などです。

漢方薬では疲れ目やかすみ目対策には、杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)がよく用いられます。

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)には、クコの実と菊花が使われています。

普段の家庭料理にもおかゆや八宝菜などにクコの実を使ったり、ほうれん草のおひたしに菊花を使うと、薬膳料理になります。

クコの実は比較的手に入りやすい上、疲れ目やかすみ目など目のトラブルによく効きます。

疲労回復効果やアンチエイジング効果も期待できるので、常備しておくとよいでしょう。

その他にも目によい食材はレバー、シジミ、ニンジン、プルーン、ブルーベリーなどです。

 

クコの実

クリックすると新しいウィンドウで開きます

 

菊花

クリックすると新しいウィンドウで開きます

 

日常生活で気をつけたいこと

疲れ目がひどくなると、目の奥に痛みを感じたり、充血や流がとまらないなどの症状がでます。また、目がかすみ、光をまぶしく感じます。

目のトラブルの原因は、スマホやパソコンの長時間作業による眼精疲労、近視や遠視、乱視、老眼、斜視、ドライアイ、緑内障、白内障などですが、どれもが「肝」のエネルギー不足です。

 

・対処法

① 目を酷使する作業などで同じ姿勢を長時間続けていると、肝も腎も弱ってしまいます。たとえ忙しくても作業中に時々は目を閉じたり、遠くを見たりするようにしましょう。

 

②長時間のデスクワークで目の疲れや首筋や肩のコリを感じたら、息を大きく吸いながら両肩にそれぞれの手を載せてをゆっくり引き上げ前から後ろにグルとゆっくりと3回ほどまわし、後ろから前にも同じように3回ほどまわします。

 

③目の疲れを感じたら、両方の眉頭にあるツボのさん竹(さんちく)をゆっくり押すと、スッキリします。

 

④頭のてっぺんにある百会(ひゃくえ)を押すと目の疲れだけでなく、肩こりや頭痛も軽減できます。

 

⑤首から肩にかけてのラインの真ん中あたりにあるツボの肩井(けんせい)を押すと目の疲れが取れます。

 

睡眠第一

疲れ目やかすみ目など、目に関するトラブルを翌日に持ち越さないためにも、何はともあれ睡眠をとることです。

目に関するトラブルの多くは目の酷使からきています。

疲れ目やかすみ目などの症状が出るのは「肝」が、「もうこれ以上あなたの目にエネルギーを提供できませんよ」と訴えているからです。

体の声を素直に聞いて、とにかく布団に入り目を閉じて「肝」のエネルギーをキープしましょう。

私たちの身体は太古の昔から日の出とともに起き、日の入りとともに寝るといった、眠りと目ざめの生体活動のリズムがインプットされています。

現代社会では24時間営業のお店や深夜に働く仕事も増え、太陽とともに生活するのは難しくなりましたが、それでも工夫して自分のリズムで適切な睡眠環境を作っていかないと、体は壊れてしまいます。

漢方では、人の身体は意識して休ませないと生命機能を担う肝、心、脾、肺、腎の五臓のどれかの機能が、もしくは全体の機能が低下してしまうと言われています。

「このごろ少しオ-バーワークだな」「よく目がしょぼしょぼするな」「ささいなことが気になりイラつくな」などと気がついた時点で、とにかく睡眠をとりましょう。

 

まとめ

生命機能を維持するには、普段からある程度体に必要なエネルギーを貯蓄しておく必要があります。

疲れ目やかすみ目、視力の低下、ドライアイなどの症状は目薬などで対処しても、根本的に治すことはできません。

肝の働きを助ける食材や漢方薬をチョイスし、十分な睡眠をとって、肝の働きを活発にすることが結果的に目のトラブルを防ぐことになります。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
0

カート