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東洋医学から学ぶ めまいや頭痛に効果的な漢方

頭痛を経験したことのない人はほとんどいないと思います。

自分が頭痛もちと感じている人は4,000万人以上いると言われ、実に日本人の1/3くらいいるとされています。

慢性的な頭痛やめまいに悩む人は多いようですが、頭の片方がズキンズキンと痛む「片頭痛」も、頭を締め付けられるような痛みが続く「緊張型頭痛」も、フワフワした「めまい」も、何年もこのような症状があると、「あっ、またはじまったか?」とやり過ごしがちですが、中には脳梗塞や髄膜炎といった怖い病気の場合もあるので、油断は禁物です。いつもと違う症状が起きた場合は、かかりつけの病院に相談しましょう。

慢性的なものなら、漢方の力で改善することも可能です。

 

 

 

頭痛やめまいの原因を見極めよう!

漢方的に見て、頭痛の原因は「ストレス」「血行不良」「水のたまり」が考えられます。

ひとつひとつの症状を冷静にみることで、何が原因かがわかってきます。

漢方を知っておくことで、自分が自分のお医者さんになれます。

 

ストレスが原因の症状

①こめかみが痛む。

②イライラする。

③目が疲れたり充血する。

④耳鳴りがする。

⑤のぼせる。

 

ストレスが原因の場合によく用いられる漢方薬

・釣藤散(ちょうとうさん)

精神を調節する肝に熱がこもると、イライラや頭痛、めまいなどの症状が現れます。

釣藤散は肝や心の熱を冷ますことで症状を改善していきます。

 

・配合生薬

釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、半夏(ハンゲ)、麦門冬(バクモンドウ)、茯苓(ブクリョウ)、人参(ニンジン)、防風(ボウフウ)、菊花(キクカ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)、石膏(セッコウ)

 

釣藤鈎(チョウトウコウ)

 

 

血行不良が原因の症状

①肩がこる。

②首がこる。

③腰が痛い。

④夜間に痛みが増す。

⑤顔色が黒っぽくなる。

 

血行不良が原因の場合によく用いられる漢方薬

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

体のすみずみに熱や栄養分を運ぶ血がうまくめぐらずに停滞すると、熱の偏りや痛みが生じます。

桂枝茯苓丸は、滞った血のめぐりを正常化する代表的な漢方薬です。

 

・配合生薬

桂皮(ケイヒ)、薬(シャクヤク)、桃仁(トウニン)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)

 

桂皮(ケイヒ)

 

 

水のたまりが原因の症状

①曇りや雨の降る前に頭痛を感じやすい。

②頭が締めつけられるように痛む。

③頭がボーっとしたり、めまいがすることもある。

④胃がムカムカしたり、吐き気を伴うこともある。

⑤食欲がでない。

 

水のたまりが原因によく用いられる漢方薬

・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

身体の代謝しきれない余分な水が、頭痛やめまいや耳鳴りを引き起こします。

半夏白朮天麻湯は、身体の余分な水を汗や尿として体外に排出する漢方薬です。

 

・配合生薬

半夏(ハンゲ)、白朮(ビャクジュツ)、陳皮(チンピ)、茯苓(ブクリョウ)、麦芽(バクガ)、天麻(テンマ)、生姜(ショウキョウ)、黄耆(オウギ)、人参(ニンジン)、沢瀉(タクシャ)、黄柏(オウバク)、乾姜(カンキョウ)

 

半夏(ハンゲ)

白朮(ビャクジュツ)

 

 

食事もタイプ別に適した食材を摂りましょう!

ストレスを解消する食材は、

・ホウレン草や小松菜など緑の野菜、シソや春菊、セロリなどの香味野菜や柑橘類などです。

 

血の巡りをよくする食材は、

・黒豆、黒キクラゲ、イワシ、サケ、タマネギなどです。

 

水のたまりを解消する食材は、

・小豆や大豆、昆布やワカメ、キノコ類です。

 

 

頭痛や目まいから解放されたいならまずはストレスを解消しましょう!

頭痛やめまいに限らずどんな病気もストレスが引き金になると言われています。

ストレスがたまると不安感やイライラ感、無気力感に襲われたり、血圧が上がったり免疫が落ちて風邪をひきやすくなったりと、数え上げればきりがありません。

それでは、ストレスを解消するにはどうすればよいのでしょうか?

まずは自分自身を見つめてみましょう。

オーバーワーク、睡眠不足、運動不足、栄養の偏りといったことが気になりながらも、見て見ないふりをして日々の生活を続けているのが実情かも知れませんね。

全てを一気に解消しようとすると、それがまたストレスになることもあります。

まずは身近な漢方食材を暮らしに取り入れて、緑の野菜を一皿必ず食べるとか、ゆったりとした気分で緑茶を飲むなど、できそうなことから漢方生活をはじめてみましょう。

また、毎日10分だけは頭を空っぽにして速足で歩くとか、お気に入りの本を音読したり、歌を歌うなどでもストレスは思った以上に解消されるものです。

 

 

まとめ

慢性的な頭痛や目まいに悩むのは中高年だけでなく、若い世代にも増えています。

仕事上のトラブルや複雑な人間関係で心身が悲鳴を上げる前に、生活習慣を見直し、適切な漢方食材や漢方薬を上手に用いて健康管理をおこないましょう。

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